退職する社員に会社が嫌がらせをしているの?

 

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退職する際には、自分が担当していた仕事、さらに自分ができて他の人にはできないこと、他には鍵の管理や戸締まり、重要物品の保管場所など、こういう類の事柄を引き継ぐのが通例です。

上記のウェブサイトでは、完璧な引き継ぎを求められたとのことですが、完璧などという過度な結果を求めるものではなく、必要な範囲で済ませてくれればそれでいい、というのが引き継ぎです。

完璧を求められたということは、退職時に何らかのトラブルを起こした可能性が考えられます。例えば、最近、職場に新しく赴任してきた上司と考えが合わなかったとか、業務に関連して同僚と衝突する場面があったとか、自分が原因でミスを起こしたが反省する態度が希薄だったため、職場の人と険悪な雰囲気になったとか、まぁ色々と考えられます。


どのような状態でもって完璧なのか。この基準が曖昧なまま完璧を要求する人もいます。気軽に「完璧」という言葉を使う人ほど完璧から遠いような人だったりするので始末が悪い。

ありがちですが、完璧にできない人ほど人に対して完璧を求めるもの。

ルールを守れと言う人がいる。けれども、本人は決まりごとに対してルーズ。
信号を守れと言う人がいる。けれども、自分は赤信号で横断歩道を渡っちゃう。
時間を守れと言う人がいる。けれども、自分は待ち合わせ時間に遅刻しても平気。

このように、口から出てくる言葉と、その言葉を発した人間は、お互いに相容れないこともあります。



完璧な引き継ぎを要求された人ですが、その報復なのか、プログラムのソースコードを削除しています。ここまで読むと、「あぁ、退職する直前に何かトラブったな」と想像できます。

何の理由もなく理不尽な要求をすることはあまりありません。完璧に引き継ぎをするように要求してきたということは、そういう嫌がらせを受けるようなことを退職者がした可能性があります。

会社と従業員が衝突すると、昨今の社会情勢によるバイアスがかかり、従業員が善で会社が悪という構図にされやすいのです。今回のトラブルでも、内容をサッと一読しただけだと、「なんて酷い会社なんだ」と反応しがちです。しかし、少し考えてみると、「退職する側がトラブルの原因を作ったんじゃないか?」という可能性も頭に浮かびます。

退職する人や解雇される人に対して企業側が嫌がらせで無茶な要求をする場合がありますし、逆に、もう辞めるんだからと考えて、多量の個人情報をCD-RやUSBメモリーに入れて持ち出して売却するとか、今回のように会社の資産であるプログラムコードを削除するなど、退職者が会社に嫌がらせする場合もあります。



引き継ぎしなくても法的責任はないと言えば、確かにそうですが、だからといって、勤めていた職場を「あばよ!」と去ることも不義理です。

何らかの不満があって退職するとしても、立つ鳥跡を濁さずと言いますが、お互いに少しばかりの配慮があれば、避けられた一件ではないかと私は思います。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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