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午後3時に退社するのは目的ではないプレミアムフライデー。


2017年の2月24日の金曜日から実施されることになったプレミアムフライデー。今年、2016年の8月にニュースで報道され、その時は毎週金曜日をプレミアムフライデーにするのかと思っていましたが、12月の発表では月末の金曜日に実施するとのこと。

実施といっても、政府が実施主体になるわけではなく、個人なり企業が独自に取り組むのが主です。旗だけ振って、「後は任せた」というわけです。

月末の金曜日というと、給与が支給された時期とタイミングが合います。さらに、週末の金曜日ですから、お金を持って、時間もあるので、「さぁ、何をするか。何を買うか」と考えるのが人間です。


プレミアムフライデーについて発表された8月の段階では、午後3時に退社するという点が強調されていたように思いますが、12月の段階では経済産業省のウェブサイトでは「午後3時退社」という文言すらありません。

プレミアムフライデーの実施方針・ロゴマークが決定しました(METI/経済産業省)


働く側としては、「金曜日は早く仕事が終わるようになるのかな」と思っていたところですが、主眼は退社時間ではないようです。

 

premium-friday.go.jp




プレミアムフライデー推進協議会のウェブサイトにも「午後3時退社」という文言は出てきません。もはや意図的に掲載していないと思わざるを得ないほどです。

午後3時退社という部分に注目が集まると、「そんな早くに退社できるはずがない」、「非現実的だ」など、労働時間や残業に関連する話に結び付けられてしまいますから、注目点を逸らすために退社時間については記載していないのだろうと思います。

確かに、労働時間について話しても、延々と結論は出ませんし、プレミアムフライデーの企画そのものがボツになる可能性が出てきますから、退社時間については沈黙するのが賢明です。

 


2017年2月以降は、月末の金曜日にセール日なりキャンペーンを実施して、集客するのが業者側の対応となります。

今でも、曜日や日にちに合わせた企画を実施しているお店は多いです。例えば、イオンでは、毎月20日と30日に、5%割引になるお客様感謝デーを実施しています。

他にも、曜日ごとに、火曜市とか木曜市、さらには夕方セールとか、夜間時間にセールを実施する夜市というものもあります。

毎月15日にセールを実施するところも増えました。なぜ15日なのかというと、年金支給日が偶数月の15日だから、その日に合わせて企画を仕掛けて集客するのです。

カレンダーを基準にすれば、もう数え切れないほど企画を作れます。正月に始まり、春の七草、成人式、節分、ひな祭り、卒業式、入学式、ゴールデンウィーク、夏の土用、半夏生、紅葉シーズン、冬至、クリスマス、大晦日、とカレンダーを見ながら少し頭を動かせば、何らかの企画は思いつきます。

ケンタッキーフライドチキンも、毎月28日は「とりの日」と設定し、1,000円のフライドチキンパックを販売しています。

今年、2016年に日本でも初めて11月にブラックフライデーに合わせてセールを実施しましたが、これも企画の1つです。ブラックフライデーが定着するまでは何年かかかるでしょうが、いずれセール日、買い物をするのにお得な日として定着するでしょう。

 


今回のプレミアムフライデーも、上記の施策と同じです。20日、30日にはイオンで5%オフになるように、28日にフライドチキンのパックが1,000円で販売されるように、月末の金曜日にセール日が増えるということ。

あえて午後3時に退社しなくても、今ではネット通販も充実していますから、欲しいものがあればスマホでササッと買えます。実店舗だと営業時間に制約がありますが、ネットだと0時0分から23時59分まで営業できますから、ECサイトも今回のプレミアムフライデーには乗ってくるでしょう。


労働時間を減らす効果よりも、消費を促進するアナウンスメント効果が主な狙いです。業者側の販促施策としてプレミアムフライデーを利用するのが目的で、金曜日は早く仕事が終わるという状況にはならないと思います。

2時間早く退社するよりも、飲食店などのお店の営業時間を2時間延長する方が対応が簡単でしょうから、業者側で時間の調整をしていくはずです。



デフレ的傾向を変えるのも目的のようですが、消費者の気持ちとしては、「プレミアムフライデー = 特売、セール、お買い得、割引」と連想していくでしょう。ブラックフライデーも「安売り日」と認知されているのですから、プレミアムフライデーもそれと同じように認知されるでしょう。


曜日であれ、日にちであれ、あまりにセール日やキャンペーンが多すぎて、消費者としては、「いつ買い物をしてもお得なのだろう」と考えてしまい、業者側の企画に反応しにくくなるのではないかと私は思ってしまいます。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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