読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

book863(クラウドソーシングで飯は食えない理由)

 


受注者になるか、発注者になるか。


3年ぐらい前、2013年ごろからクラウドソーシングについて少しずつ話が盛り上がり始め、2016年の今ではインターネットを使って仕事をしている人ならばクラウドソーシングについて知っている人は多いでしょう。

データの入力作業、文字起こし、映像制作やロゴ制作など、小ぶりなタスクを他人にやってもらい、対価として報酬を支払う。

スマホアプリのアイコン制作、紙の文書データを表計算データにデジタライズする作業などが案件としては典型的です。


手軽な収入源なりお小遣い稼ぎのように思われているクラウドソーシングですが、参加する立場
によって得られるものが変わります。

立場というのは、受注者になるか、それとも発注者になるか。この2つ。

プラットフォーム業者としてマッチング作業をするのもありですが、今回はこの選択肢は無しとしましょう。


受注者としてクラウドソーシングに参加するか。それとも、発注者としてクラウドソーシングに参加するか。

あなたならどちらを選びますか?

 

 

 

 

目の前の五千円を取るか、100m先の五万円を取るか。


選びにくいならば、質問を変えてみましょうか。

依頼を受けて仕事をする方が儲かるか。それとも、お金を支払って仕事を発注する方が儲かるか。どちらでしょう。

「そりゃあ、仕事をして稼ぐほうが儲かるだろう」と思うでしょうか。

それとも、「いや、仕事は他の人にやってもらったほうが儲かる」と思うでしょうか。


確かに、お金を受け取るのは受注者であって、仕事をする側の人です。そのため、お金を受け取る部分に意識を向けると、依頼を受ける側の方が儲かりそうです。

しかし、実際に儲かるのは、、、。後者の発注者なんですね。


「何でだ? 発注者はお金を支払わないといけないんだから、お金は減っちゃう。だったら儲からないだろう」と思ったとしたら、クラウドソーシングに参加するのはヤメておくことをオススメします。

受注者はお金を受け取り、依頼者はお金を支払う。だから受注者が儲かるんじゃないの、と。しかし、現実は逆です。


例えば、ある仕事がクラウドソーシングの案件として掲載されていたとして、その仕事を完了するには半日(12時間)かかり、報酬は5,000円。

これを自分でやれば、5,000円を節約できるます。つまり、クラウドソーシングで受注すれば5,000円を手に入れられるわけです。

しかし、自分でやらずに人に任せると、5,000円を支払わないといけない。

話をここで止めれば、「オレは仕事をして5,000円を受け取る方がいいな」という人、「いや、私は自分でやらずに他の人にやってもらう方がいいわ」という人。判断が分かれるでしょう。


価値観が貧しい人は、何でもかんでも自分でやってしまう傾向があります。職場でも心当たりがあるのではないでしょうか。やれば何でもできてしまうために、他の人に任せず、自分でやってしまう人。

できないよりはできた方が良いのですけれども、できるからといってやっていいとは限りません。

自分だけで何とかしようとこだわる人は貧しくなり、誰かに頼る人は豊かになる。人間の世界は、おおむねこういう傾向があります。


先ほどの話に戻ると、豊かになりたければ、後者を選ぶのが正解です。

短期的には5,000円を失いますが、半日かけて仕上げてもらった成果物を使って、50,000円を稼げば、差し引きで45,000円の儲けです(アウトソーシングコストのみを考慮)。

目の前に置かれている5,000円に手を出すか、それともクラウドソーシングの成果物を使って50,000円を稼ぎ、差し引き45,000円を受け取るか。

ここまで書けば、多くの人は「じゃあ、45,000円の方を選ぶわ」と判断できるはずです。


目の前にあるものに手を出すか。それとも、しばらく我慢してより多くのものを手に入れるか。まさにマシュマロ・テストですね。

 

 

仕事というのは、本来は、

要求される能力:10
支払われる報酬:10

という形でバランスしています(理想的には)。


しかし、クラウドソーシングで掲載される案件を見ていると、

要求される能力:10
支払われる報酬:4

という感じでアンバランスになっていることが分かります(あてはめた数字はあくまで例)。


妙にメンドクサイ、やけに高い能力を要求してくるのに、報酬が少ない。それがクラウドソーシングです。

単純作業系の案件だと、まず最低賃金以上の報酬を稼ぐのは無理です(まともに取り組んだ場合)。

ちょっと報酬が多めの案件もありますが、これまた要求される能力が10どころか16とか24ぐらい必要なんじゃないかと思えるほどで、まぁ普通の人には無理です。

 

「求められる能力なり労力」と「報酬」アンバランス。ここが受注者にとって最大の悩みどころです。やけに高度な能力が必要なのに、報酬がさほど多くない。

自宅で内職するよりは条件が良いけれども、パートタイムで働くよりは非効率。内職以上、パートタイム未満。これがクラウドソーシングです。

ただ、20年ぐらい前まであった、自宅で簡易な作業をして報酬を受け取れる内職に比べたらマシです。何に使うのか不明な電子部品にコードを挿し込んで中間財を500個とか2,000個と作る。それをダンボールに入れて、業者に渡すわけですが、1つ組み上げて0.5円ぐらいですし、1つ組み上げるのに10秒ほど時間がかかります。

1つ10秒で2,000個だと、全て完成するのに5時間半はかかります。1つ0.5円だと、報酬は1,000円です。時給換算で180円ちょっとですから、ブラック企業も真っ青なほどの待遇です。

さすがに内職ほど搾取的ではないものの、クラウドソーシングも搾取的な側面があります。


「お金を稼ごうとする人は先にお金を支払う」これは重要な事実です。

もし、クラウドソーシングで稼ぎたいならば、受注者になって仕事をするのではなく、自分の仕事を誰かにやってもらう発注者になるのが賢明です。

 

試しに、以下のウェブサイトで案件を見てみるといいでしょう。

 

 

知識・スキルの販売サイト【ココナラ】

文章書いてお金をもらおう♪

事務作業は在宅へ[シュフティ]

 

目の前の五千円を取らずに、100m先の五万円を取る。クラウドソーシングではこれがキモです。

 

飯を食えるほどの案件はないが、学生のお小遣い、自宅から外に出にくい妊婦さんのタスクとしてならば、クラウドソーシングも悪くないでしょう。

 

 

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所