book862(地震や台風でお金が無い時、給与を先払いで受け取れるか)

 


2016年は、4月に熊本で地震がありましたし、10月には鳥取でも地震がありました。さらに、夏から秋の初め頃までに台風がいくつか来ましたし、災害が多い年になりました。

地震で建物が壊れたり、台風による水害や土砂崩れで自宅が被害を受けると、貴重品類を持ち出せずに避難しないといけない場合があり、後から困りますよね。

災害時には色々と特例なり支援が用意されますが、健康保険証を持っていなくても保険診療を受けられるという特例もあります。


鳥取県中部地震での特例。健康保険証を持っていなくても保険診療を受けられる。


災害で避難した場合に、財布は自宅に置いたままで、通帳やキャッシュカードも持っていないとなると、手持ちのお金が無くて困ります。避難所では食べ物などは用意されているといっても、やはりお金が無いと不便です。

 

法律には、自然災害などの理由がある場合、給与日前でも給与の支払いを請求できる決まりがあります。

労働基準法25条(以下、25条)に基いて、災害や疾病、出産などの場合に、すでに労働を提供した範囲で給与を請求できます。例えば、月に20日出勤するとして、そのうち12日はすでに出勤済みの場合、既往の労働分である12日分は非常時払として請求できます。

給与日前であっても、すでに勤務した分に関して請求できるのが25条ですので、まだ労働を提供していない分、上記の例だと残りの8日分は請求できる範囲には含まれません。


2011年3月11日以降、災害に対して意識が高まっているでしょうから、中には非常時持ち出しのリュックを準備していて、貴重品類をサッと持ち出せるようにしている方もいらっしゃるはず。とはいえ、全員がそのような準備をしているわけではありませんし、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉のように、しばらく地震や台風がやってこないと、気持ちが緩みます。

会社独自にお見舞金の仕組みを用意して、災害や疾病、出産などに対応しているところもあるでしょうが、選択肢の1つとして「非常時払」というものもあると知っておいてください。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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