book861(仕事中はApple Watchを着用してはいけない。理不尽な要求か?)

 

スマホの次はウェアラブルデバイスと言われ、メガネタイプのGoogle Glass、腕時計タイプのスマートウォッチ、さらにはVRゴーグルまで登場して、暇つぶしには事欠かない環境になりました。

iPhoneとセットで使うApple Watchもウェアラブルデバイスの1つですが、これを仕事中につけてはいけない職場もあるようです。

その名の通り、Apple Watchは時計で、腕につける腕時計タイプのデバイスです。iPhoneとペアリングして、メールやLINE、株価や為替のデータを腕時計のディスプレイに表示できます。

見た目はただのデジタル時計に見えますが、言うなれば小型のスマホです。とはいえ、スマホのように色々とした機能は搭載されておらず、あくまで腕時計プラスαという程度のもの。

そのため、ただの腕時計として考えている人にとっては何の変哲もない時計です。しかし、小型のスマホと考える人が職場いると、仕事中にはApple Watchを付けないように制限をかけてくる可能性があります。



ポケットにiPhoneを入れたまま、iPhoneと通信してデータを取得でき、小さい画面に情報を表示できる。LINEも使えますし、メールも読めて、株価や為替の状況もチェックできる。仕事から注意を逸らすには十分な機能でしょう。

言うなれば、ケータイを持ちながら仕事をしている状態に近いのですね。ただ、腕時計といえば腕時計でもあります。デジモノに興味が薄い人が見れば、ただのデジタル時計だろうと思うだけですが、それなりに興味を持っている人だとApple Watchが何たるかを知っていますから、話がややこしくなります。


ちなみに、就業規則で決めれば、勤務中の持ち物を制限できます。仕事に関係ないものを持ち歩いてはいけないとか、携帯電話及び通信機能を持った機器を持ち込んではいけないとか、まぁ独自に色々と制限を課すことは可能です。業務中の持ち物は法律で決められないことですから、就業規則で色々と決めるわけです。

バスの運転手がスマホでポケモンGOをプレイしていたとニュースになるぐらいですから、すでにスマホはコモディティ化しています。ポケットに手を入れれば、そこにスマホがあり、無意識に取り出して画面を見てしまう。使っている本人にはスマホを使っているという意識はそれほど無いでしょうね。


通信機器を職場に持ち込んで何が問題かというと、秘密漏洩というよりも、サボる道具に使われるという点が最も気になるところなのではないでしょうか。

ポケットに入ったスマホは、業務連絡なり仕事に関連した形で使えば仕事をしている範囲に含まれるが、そうではない使い方も多種多様にできてしまうもの。ゲーム機として使えるし、LINEで雑談もできます。さらに、FXや株式売買もできますから、トイレの中でコッソリとトレーディングなんてことも可能です。

厄介なのは、業務でケータイを使っている場合です。業務連絡をLINEでやり取りしているとか、営業の人が自分のスマホでGoogle Mapで行き先を調べて移動しているとか、いわゆる「BYOD(bring your own deviceの略称。個人所有のケータイを仕事でも使うこと)」です。個人所有のスマホを業務でも使わせていると、当然ながら業務以外の用途でも使います。ちょっと一息つくためにゲームとか。



通信機器を持ち込ませたら、仕事に使えるけれども、サボる道具としても使われると考えておかないといけません。仕事に使っていいけど、ゲームはしちゃダメと制限するのは無理です。「ある程度はサボりよるな」と受け入れないといけないでしょう。利便性を受け入れる代償ですね。

一方、持ち込んではいけないと決めれば、仕事でスマホは使えなくなりますが、ケータイをイジってサボることもなくなります。利便性を放棄した恩恵ですね。

Apple Watchをどのように業務で使うのかは見えにくいところですが、スマホと同じように使えるならば、その扱いもスマホに準じたものになるでしょう。

 

道具は使う人間によって、有益なものになるし、使い方を誤ると不利益をもたらします。包丁や自動車、今回の例で挙げたスマホがその典型です。

道具がダメなのではなく、道具を使う人間がダメだと、その責任は道具に向かいます。実際は使っている人間がヘボなだけなのですが。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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