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月100時間を超える残業は辛いか。

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残業の話題が出ると、必ず残業の時間数が表に出てきて、月に70時間なり90時間という時間数が話の中心になる。

「毎月の残業は、17時間です」という人と、「毎月70時間ぐらいは残業してるゼ」という人。この2人を比べると、どちらの働き方がツライだろうか。

片方は月に17時間の残業で、もう片方は70時間。単純に比較すれば後者がシンドイ、ツライという印象を持ちがちだけれども、時間数だけでは残業の実態が分からないのが厄介なところ。



何が労働時間に含まれて、何が含まれないのかという境目がホワイトカラーは曖昧になりやすい。

同僚と軽口をたたいている時間も労働時間に計上される。
目を瞑って居眠りしている時間も労働時間に計上される。
離席して珈琲を飲んでいる時間も労働時間に。
「ちょっと一服」と一息ついている時間も労働時間。

工場労働のように、延々と手を休めずに作業をしなければいけないならば、サボることは難しいが、時間の使い方に裁量を持っているホワイトカラーならば、サボった時間まで労働時間にできる。要領よくサボって残業時間が月に100時間なんて人もいるんじゃないだろうか。

そのため、月に残業時間が100時間に達したとしても、実質の労働時間は少ない。

 


ブラックな業界と言われがちな外食業界でも、ラッシュタイムはてんてこ舞いになるほど忙しいが、アイドルタイムに入るとボーッとしても大丈夫なぐらいヒマになる。学生の頃、チェーン店のラーメン屋で働いた経験があるのでよく分かる。

来店対応、注文、お冷の提供、料理を運ぶ、下げもの、会計と、お昼のラッシュタイムは常に何かをしていないといけないほど仕事の密度が高くなる。しかし、13時を過ぎると、ササーッとお客さんが減り、14時になると店内はガラガラになる。

アイドルタイムだからといってボーッとしているわけではなく、仕込み作業なり掃除なり色々と仕事はあるものの、ラッシュ時のように切迫した感じで仕事をしているわけではない。

ラッシュ時の1時間であれ、アイドルタイムの1時間であれ、どちらも労働時間としては1時間として記録される。

ここで質問だが、ラッシュ時の1時間とアイドルタイムの1時間は全く同じ労働時間として評価できるだろうか。単に「1時間の労働時間」として把握すると、どちらも同じだと考えてしまうが、仕事の内容も考慮すれば、同じとは思えなくなってくるはず。

 


労働時間で仕事を評価するのが労働基準法なので、この枠からは抜け出しにくい。そのため、評価基準が残業の時間数になってしまうのも仕方ないのだが、時間数だけで何かを判断すると、やはり実態とのズレが生じてしまう。

そういうオカシさを感じながらも、第三者の立場では、労働時間しか取っ掛かりがない。だから、話がグルグルと同じ場所を回るような状態になる。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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© 社会保険労務士 山口正博事務所