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理由次第で有給休暇を取れるかどうかを分けていいのか。

 

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有給休暇の取得や使い方については、ずっと話が続いていて、決着する気配がありません。働く側としては最も興味を持つ部分が有給休暇ですから、色々な問題が出てくるのは当然ではあります。

上記のように、有給休暇の使い方に条件を付けると、それだけで取得を妨害する効果が出てしまいます。

 

  • あの人はいいけど、アナタはダメ。
  • 正社員は有給休暇を取ってもいいけど、パートさんやバイトの人はダメ。
  • 家族がいる人は有給休暇を取れるけど、1人暮らしの人は使わないで欲しい。
  • お盆で帰省しないといけない人、帰省する必要が無い人は有給休暇を取れない。
  • あの人は仕事ができるから休暇を取ってもいいけど、アナタはダメ。

 

などなど。

ありがちな対応パターンですが、いずれも対応方法としてはダメです。

有給休暇に関して、モチャモチャとした対応をすると、ほぼ確実にトラブルになります。



会社ができるのは、指定の日に休暇を取られると業務に支障が出る場合、時季変更権(労働基準法39条4項)でもって日程を変更できるだけです。

「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合」ですので、例えば、有給休暇を取得されると、午前中に出勤する人がいなくなるので、休暇を取得できないというような場合です。

他の例だと、通常は5人出勤だけれども、そのうち2人が有給休暇を取ると、3人出勤になるが、3人でも何とかなる場合は時季変更権を行使できません。3人では明らかに業務が回らないという場合は39条4項が適用されますが、「やれば何とかなる」ならば「事業の正常な運営を妨げる」とまでは言えないので、時季変更権を行使できないのです。


さらに、時季変更権というのは、「休暇の日程を変更する権利」であって、「休暇の申請そのものを取り下げさせる権利」ではないという点も知っておく必要があります。

例えば、8月26日に休暇を取得するように申請し、会社側から時季変更権を行使された場合、別の日程を決める必要があります。8月19日に変えるとか、9月3日に変えるなど、時季変更権を行使した時点で変更後の日程をキチンと決めないといけません。

「とりあえず休暇の取得は持ち越し」というように有耶無耶にしてしまうと、時季変更ではなく、休暇を取り下げさせたことになり、時季変更権の行使範囲を超えます。


 

有給休暇の取得理由についてですが、時季変更権との調整のために休暇の取得理由を聞く可能性はあります。

何が何でも休暇の取得理由は不要。聞いてはいけない。というものではなく、そこは柔軟に対応します。

年末年始なので日程をズラすとか、繁忙期を避けるなど、仕事と休暇のスケジュールをすり合わせるために理由を聞くのは差し支えありません。とはいえ、理由を聞くことそのものが休暇の取得を阻む心理的圧力を生じさせますので、原則として休暇の取得理由は聞かないのが良いでしょう。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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