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book833(だから時間単位の有給休暇なんてヤメるべき)

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遅刻逃れ、早退の穴埋めで有給休暇を使うヒト。



1時間単位や30分単位で小間切れにして有給休暇を使える会社が増えてきて、運用面で不具合が生じているようです。

何らかの理由で遅刻したときに、時間単位の有給休暇を使って遅刻を帳消しにする。他にも、30分早く早退するので、時間有給休暇を使って早退分を補填する。このような使い方をする人もいます。

確かに、1時間なり30分で細かく使える休暇ですから、どのように使うかは会社と従業員、つまり当事者の自由です。そのため、遅刻扱いを逃れるするために有給休暇を充当するのもアリですし、早退した時間を有給休暇で補填するのもアリです。

ここで一例として、勤務時間が10時から15時に設定されている田口さん(実在の人物ではありません)という社員がいて、10時に出勤するところを20分遅刻したとしましょう。つまり、出勤時間は10時20分ですね。こりゃあ、結構な遅刻ですよ。20分ですから。

さらに、田口さんの会社では1時間単位で有給休暇を使える仕組みがあるとしましょう。

遅刻をして、ハァハァと息を切らして、会社に到着し、「あぁ、遅刻だぁ、、」と仕事を始める前から疲れていたが、ここでふと頭にアイデアが浮かぶ。

「そうだ、1時間だけ有給休暇を使ったことにしちゃえば、遅刻は無かったことにできるんじゃないか」と考えました。

遅刻したのは20分。使う有給休暇は1時間分。十分にカバーできる範囲です。

では、1時間分の有給休暇を使った場合、何が起こるか。

 




管理がメンドクサすぎる。



10時20分から仕事を始め、15時に田口さんの仕事は終わります。さらに、1時間分の有給休暇を使いましたから、その日の給与に1時間分の賃金が上乗せされます。

休憩時間は無かったとすると、15時までの勤務時間は4時間40分。さらに1時間分が上乗せされて、この日の給与は5時間40分相当になります。

さて、遅刻せずに、時間通りに仕事を終えていれば、当日の給与は5時間分です。しかし、遅刻して、有給休暇を使うと、給与は5時間40分相当まで増えます。

何だか不思議な感じですよね。

まぁ、毎日遅刻するわけではないし、時間単位の有給休暇といっても無制限に使えるわけじゃないから、「これでいいじゃないか」と思えます。

もちろん、上記のように、5時間40分として処理してもOKです。余分に賃金を支払うだけですし、有給休暇の使い方としては法的に支障があるものでもありません。ちなみに、所定労働時間である5時間を超過しても割増賃金である残業代は必要ありません(法定労働時間の8時間を超えていないため)。

ただ、予定していたよりも時間数が増えているところを気にする人もいて、働く必要がない時間まで働いているような感じがして何だかヘンと思うのも分かります。

40分の超過分が気になるならば、終業時間を40分早めるのも一考です。形式的には早退になりますが、必要な勤務時間数である5時間は確保できているのでOKとするのもいいでしょう。

「時間単位有給休暇を使って所定労働時間を超える場合は、時間単位有給休暇を使えない」と決めてしまうのも1つの方法ではあります。



対処法はいくつかあるものの、今回の問題の根本となる原因は、時間単位で有給休暇を使えるようにしている点にあります。

そもそも、時間単位で有給休暇を使える余地が無ければ、上記のような問題は起こり得ません。



時間単位といっても、1時間単位なのか、30分単位なのか、15分単位か、それとも10分単位か、設定が色々あります。


さらに、1日に有給休暇は1回までしか使えないのか、それとも何回も使える(午前に1回、午後に2回とか)のか。

休暇の取得申請は1日前までなのか、それとも直前(10分前とか)に申請してもOKなのか。

小間切れで休暇を使えると、さも便利で柔軟性が高いように感じますが、実際に使ってみると、手間がかかる割にはさほど利点も無い。

休暇と言うからには、やはり最低でも1日、できれば3日とか5日、まとめてドサッと使うほうが休暇と呼ぶにふさわしいでしょう。30分や1時間などとブツ切りで使っていても、有給休暇ではなく「有給休憩」でしかありませんからね。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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