book813(長時間残業の原因は36協定にある。)



 

残業を「抑止」せず、「許す」協定。


法定休日に働いたり、法定労働時間を超えて働くには36協定を締結する必要があるが、これは休日労働、法定時間外労働を抑止するために機能する協定のはずだけれども、「残業を許す協定」だと思われている。

 

1日8時間を超えて働くのは違法ですが、36協定があるために違法では無い状態になっている。これが現状。

 

玄関扉はピッチリと閉まっているので、正面から出入りはできない(法定労働時間による制限)。けれども、勝手口は出入りが自由(36協定)なので、玄関口が閉まっていても大丈夫。

 

法定労働時間が玄関扉。勝手口が36協定。例えるならばこのような感じになる。

 

36協定を締結して、残業代をキチンと支払えば、何時間でも残業できる。そのように誤解されているフシもあるが、残業できる時間数には上限がある。

 


残業は1日2時間まで。


時間外労働の限度に関する基準(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/040324-4.html

 

例えば、1ヶ月の期間ならば、残業できるのは45時間まで。1ヶ月の労働日数が21日だとすると、1日平均だと約2時間が残業の上限になる。1日8時間勤務だとすると、あと2時間までは残業で追加しても限度時間は超えない。

 

残業が1日2時間までとしても、基本となる8時間を加えると10時間になるので、十分に長時間労働になる。

 

残業代を支払えば、いくらでも残業はできると誤解されているのは、36協定の内容や上記の限度時間を超えても「指導」されるだけで終わるから。

 

労働組合がある企業だと、限度時間はもちろん、それよりも時間外労働の時間を短く設定している36協定も守る傾向ある。

 

組合が無いと、36協定を出せば、自由に残業ができると勘違いする。

 

36協定そのものが、法律で決めた通常の枠を超えることを許すグレーな仕組みなので、それを守れないならば、36協定自体を不可にすることも考えないといけない。法定労働時間までしか働けない。それ以上は残業代を支払ってもダメ。

 

「もう門限時間は過ぎています!」と言って、玄関をピシャっと締めても、勝手口から出入りできてしまったら、何のための門限なのか分かりませんからね。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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