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2016年4月から変わる制度をピックアップ。



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2016年4月から変わる制度をピックアップ。
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■国民年金保険料アップ。来年平成29年4月にも増額。


国民年金の保険料と厚生年金の保険料を毎年段階的に引き上げると決めたのが、13年ほど前でしたか。毎年ジリジリと増額され、平成28年4月以降は16,280円になります。

私が大学生(20歳)だった頃は、確か13,300円でした。その頃に、ちょうど学生納付特例制度が設けられ、利用した記憶があります。

学生納付特例制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150514.html

学生納付特例制度は、国民年金に加入していると扱われるものの、特例を適用した期間は国民年金の額には反映されないので、後から追納すると年金額に反映されるようになります。

「免除と同じだろう」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、学生納付特例制度と免除は少し違います。

学生納付特例制度は「期間だけ計上し、年金額には反映しない」のが特徴です。一方、免除の場合は、「期間を計上するのはもちろん、年金額にも反映」します。

保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html



ちなみに、2号被保険者になれば、国民年金の保険料を納付する必要はなくなります。なくなると言っても、保険料が不要になるわけではなく、厚生年金の保険料に国民年金の保険料がセットになるので自分で手続する必要がなくなります。

例えば、厚生年金の保険料が50,000円だとすると、そのうち16,260円は国民年金保険料だと考えてもいいでしょう。差し引きで、33,740円が厚生年金の保険料です。

今年、平成28年の10月から社会保険に加入するパートタイマーの方がいらっしゃるかと思いますが、仮に厚生年金の保険料が月額17,471円だった場合(報酬月額101,000円未満と想定)、国民年金の保険料が16,260円ですから、わずか月額1,211円で厚生年金に加入できるわけです。

厚生年金の保険料表(平成27年9月以降)
https://www.buyers24.net/pdf/kousei201509.pdf

3号被保険者の人(被扶養者で毎月の保険料がゼロ)が2号被保険者(会社経由で社会保険に加入)に切り替えると費用が発生しますが、1号被保険者の人(国民年金に加入している人)が2号被保険者に切り替えると、毎月の費用が減るケースもあります。

17,471円を半分にすれば、8,735円ですので、国民年金の保険料を支払っている場合よりも支出が減ります。さらに、8,735円で厚生年金にも加入できますから、悪くない条件です。

月額16,260円で国民年金だけ。
月額8,735円で国民年金と厚生年金に加入。

後者の方が良いですね。


book799(月収88,000円で社会保険に加入したらお得なの?)
http://www.growthwk.com/entry/2016/03/12/144643




■風邪を診察するために2時間待ちはもうイヤ。


紹介状なしで大病院で受診したときに定額を負担する制度も4月から導入されます。

1年ほど前からニュースになっていましたが、今年、平成28年4月1日から実施です。

初診で5,000円を定額負担ですので、気軽に風邪で大病院にノコノコと行くと、請求額にビックリするでしょう。風邪の診察や薬の処方で1,500円だとして、定額負担を合算すると6,500円です。これならば大病院への受診者を減らせるでしょう。

風邪を診てもらうだけで待ち時間が2時間、2時間半はザラですので、紹介状を持たずに大病院に行く利点はありません。大病院の方が技術力があるとか治りやすいという思い込みを持っている人もいますが、風邪の処置はどこに行っても似たようなもので、処方される薬もほぼ同じです。

2時間も病院の待合所で待っているなんて、これだけで体調不良になるぐらいのストレスです。

私も紹介状無しで、風邪の診察、あとは咽頭炎の診察を大病院で経験したことがあります。風邪の診察のときは、待合場所で2時間ほど待って、やっと呼びだされたと思い診察室で診察を受けると、僅か3分ほどで終わりました。2時間待って、診察は3分。あれほど待つ価値がある診察だったかというと、そうは思えません。

咽頭炎の時も同様で、大病院では普段から通っている高齢者の診察を先に行い、外来の一見さんはドンドンと後に回されます。後から来た人が先に診察室に入っていきましたからね。

一方、こじんまりしたクリニックや診療所は受付から診察までが早いです。朝の早い時間は高齢者の人が多いのですが、午前10時、11時ぐらいになるとガラガラです。かかりつけの診療所で2時間も待った経験はありません。せいぜい20分ぐらいです。

ちなみに、小さな医院やクリニックで紹介状を用意してもらい、それを持っていけば大病院でもすぐに診察してくれます。私も19歳の頃に、髄膜炎で小さい診療所から大病院へ紹介状を書いてもらい、病院を移りましたが、病院に到着してすぐに治療してもらいましたね。

紹介状無しで負担を要求すれば、軽い病気や怪我で大病院に行かなくなるので、患者は時間とお金を節約できますのでハッピー、病院も対応すべき患者に集中できますからハッピーです。

軽い怪我や病気は街の医療機関で。そこで手に負えないものは規模が大きい医療機関で。このように医療機関はポジションを分けて動いているので、そのポジションに合わせて患者も医療機関で受診するように誘導する。

これは良い制度です。もっと早く導入しても良かったぐらいです。



■標準報酬月額、標準賞与額の引き上げ。社会保険料の上限が上がる。


被用者保険の標準報酬月額上限の引上げも4月からの変更点です。

標準報酬月額というのは、社会保険料を計算する基礎となる数字です。

標準報酬月額 簡易閲覧表(H28/4 - )
http://www.growthwk.com/entry/2016/02/03/132906

社会保険料は収入(社会保険では「報酬月額」と表現します)に応じて標準報酬月額が決まり、その標準報酬月額に対応した保険料が予め決まっています。

例えば、京都府で月収(報酬月額)が400,000円だったら、健康保険料は41,000円です。これを会社と社員で半分にします。標準報酬月額は410,000円で、等級は27級です。上記の簡易閲覧表で調べられます。

都道府県と月収が分かれば、簡易閲覧表を使って、毎月の社会保険料を調べることができます。

標準報酬月額の引き上げというのは、上限が47級から50級までに変わるという部分です。

京都府の場合、健康保険料の上限は、47級、月額121,000円が最大で、月収1,175,000円以上になると、保険料は121,000円で一定になります。月収200万円でも、月収500万円でも、健康保険料は月額121,000円です。

収入が一定水準を超えると、収入に占める社会保険料の割合が下がっていきます。

この上限を50級に変えると、標準報酬月額は1,390,000円になり、健康保険料の上限は月額139,000円に上昇します。

健康保険料の上限を超えていた人は、毎月の健康保険料が18,000円増えます。


健康保険の標準賞与額も540万円から573万円に引き上がります。

標準賞与額とは、賞与(ボーナスのこと)に社会保険料を課す際に使う数字です。540万円の場合、540万円以上の賞与だと社会保険料は同じになります。

賞与540万円、賞与830万円、賞与1170万円、この3者の社会保険料は同じです。賞与額は違いますが、社会保険料が課される賞与の上限が540万円ですので、この上限を超えると社会保険料が一律になります。10%の保険料率だと、54万円が最大ですから、ここでも賞与が一定水準を超えると、賞与に占める社会保険料の割合が低下していきます。

毎月の給与を賞与に集めて社会保険料を節約する手法がありますが、標準賞与額を超えれば社会保険料が一定になるという仕組みを利用したものです。



■社会保険料には上限がある。税金は青天井。


国民健康保険料(国民健康保険"税"と表現する場合もあります)の上限が少し上昇します。

年間85万円から89万円に上限が変わります。会社経由の健康保険でも同様ですが、国民健康保険でも保険料に上限があります。

年間89万円だと、月額で74,000円ほどです。協会けんぽの保険料上限である月額139,000円を半分にすれば約7万円ですから、国民健康保険と協会けんぽは似たようなものですね。

収入に連動するのが社会保険料なのですが、税金と違って社会保険料には上限額があります。

国民健康保険料
先ほど書いた通り、年間で89万円までです。

協会けんぽ(会社経由の健康保険です)の保険料
月額139,000円が上限です。

厚生年金保険料
月額110,533円が上限です。

国民年金
全員一律、月額16,280円です。


一定水準以上に収入を増やせば、社会保険料を振り切ることができます。

しかし、社会保険料を乗り越えても、その先には税金がドーンと待ち構えていますので、壁を超えたらさらに高い壁(こちらは上限なし)が現れます。


社会保険では便益を受けられる程度が1人あたりでは限られていますし、収入が多いほど怪我をするとか、病気にかかりやすいというものでもないので、保険料に上限があります。








参考

厚生労働省関係の主な制度変更(平成28年4月)について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118614.html

健康保険・船員保険の標準報酬月額の上限改定及び累計標準賞与額の上限変更
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/kyokaikenpo/0208.html




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