book804(労働時間を1分で管理する目的)


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始業前、終業後のサービス労働を排除する。



勤務時間を1分単位で管理するのは、取れるものは取ってやろうというイヤラシイ感情に基いてなされるものではなく、始業前の仕事、就業後の仕事を排除するためです。

始業前に、朝礼や掃除を済ませ、その後から実際に始業するとなると、勤務時間に含まれていない時間が発生します。また、終業時にも、例えば終業時間後に後片付けをするとか、ゴミを捨てに行くと、勤務時間に含まれない仕事の時間が発生します。

始業前、終業後のはみ出した勤務時間を切り捨てずに計算に含めるため、1分単位で労働時間を管理するわけです。

学生の頃、例えば、始業時間は10時なのに、10時のチョット前、9時51分ぐらいから仕事を始めるように半ば強要されて、「ん〜、何だかなぁ、、」と思ったのは1度や2度ではありません。

終業時にも似たようなことがあり、15時で仕事は終わりなのに、15時のチョット前に、何やら厄介な作業をさせられ、実際に終業したのは15時11分になったようなときもありましたね。勤務時間は15時で終わっていると計算されましたので、11分はいわゆるサービス労働です。

上記のような、はみ出し労働というべきグレータイムをなくすために、1分単位で時間を管理するわけです。




1分管理はメンドクサイ?



1分単位での処理が煩雑という指摘がありますが、端数部分だけを切り離して計算するだけなので、思っているよりも複雑ではありません。

例えば、時給が1,000円である場合、1分単価は約16.667円です。これを切り上げて1分17円で計算に利用します。ここで端数を切り捨てないようにするのがポイントです。16円にすると、時間給換算で960円になるので、また一悶着が起こります。

時間単位で把握できない端数計算に対してこの1分単価を適用します。

17円で1時間となると、時間単価で1,020円になるので少し賃金が増えますので、勤務時間の端数(15分未満なり10分未満など)を計算するときだけ17円の単価を使います。


例えば、勤務時間が6時間33分だった場合。6,500円まではスッと計算して、残りの3分を「17 × 3 = 51円」で計算し、6,551円とする。

端数だけを分離し、それに1分単価を適用して計算するので、煩雑とか難しいという気にはならないはずですが、いかがでしょう。

実際に勤務時間を貨幣換算するのは給与計算のときですので、例えば1ヶ月合計で勤務時間が141時間37分だとすると、端数部分は7分ですから、ここだけを別途で計算します。

面倒な感覚を抱いても、1日あたりでは勤務時間を1分単位で計上しておくだけですし、給与の計算をするのは1ヶ月に1回です。1分管理といっても、給与計算の時に端数計算が加わるだけですから、面倒だとか手間というのは言い訳でしょう。


あなたは1,000円を節約して10,000円を捨てるタイプなのか。差し引きでマイナス9,000円。
それとも、1,000円を捨てて、10,000円を節約するタイプなのか。差し引きでプラス9,000円。

どちらのタイプでしょうか。

ちなみに、私は後者のタイプですね。

労務管理では、ある程度の「ロス」はありますので、そこを排除するために、あれをしよう、これをしようと対策を講じると、かえってロスが多くなることも想定していないといけないでしょう。

ちょっとしたムダを受け入れるのが、労務管理のコツなのです。




山口正博 社会保険労務士事務所
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