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社労士試験に在学中に合格するために使ったテキストと学習法。

 

 



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社労士試験に在学中に合格するために使ったテキストと学習法。
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今回は前回のメルマガの続きです。

大学在学中に合格し、私が社労士になった理由。


前回の内容は上記のリンクからどうぞ。



資格を取得するとなると、反射的に「じゃあ、資格学校に行こうか」と考えるところですが、私は資格学校に通うことはしませんでした。なぜでしょうか。まぁ、色々と理由はあります。

書店で購入した書籍を使って独学で社労士試験への対策をしましたので、お金はあまりかかっていませんが、工夫はしていました。

テキストも書店で購入したものを使っていましたので、どんなテキストを使っていたのかもお伝えします。もちろん、そのテキストの私なりの使い方もキチンと書いています。

あとは、毎日取り組んでいた小テストもありましたね。小テストといっても、誰かからヤレと言われて取り組んでいたものではなく、独学でしたので、自主的に内容を決めてやっていたものです。

ノートを作らなかったのも良かったですね。学生時代の癖が抜けないと、何かとノートを作ってしまいますが、あえてノートを作らないようにしました。といっても、全くまとめなどを作らないわけではなく、僅かですがまとめプリントのようなものは作りましたね。


資格学校に行かず、どうやって試験対策をしたのか。
独学でどんなテキストを使っていたのか。
ノートを作らなかったが、なぜか。
毎日、小テストというが、どんな内容だったのか。


 

資格学校には行かない。

不合格になったのは大学3年のとき。8月の末頃に試験があり、試験を受けている最中に「こりゃぁ、不合格だな」とハッキリと分かっていたので、合格発表を待つ必要はなかった。

この手の資格試験を受けるとなると、すぐに資格学校のパンフレットを見て、どこに行くかと検討する人もいるでしょうが、学校に通うことそのものがオススメできません。

学生の立場だと、学校に通うという行為に慣れているので、資格試験でも学校に通うスタイルになりがちですが、あえてヤメておくべき。まず校舎に行くまでの時間が勿体無いし、同時に、そこから自宅まで帰る時間が勿体無い。通学経路にある資格学校を選べば良いだろうと思うかもしれないが、「学校に行かなければ学べない」という思い込みをまず捨てるといいでしょう。

また、相手のペースに合わせて話しを聞くスタイルも苦手でした。学生だから、学校ではさんざん相手のペースで講義が進められるので、学校以外では自分のペースで何をするかを決めたかったのも理由の1つ。

授業なり講義というのは、例えば、「今日は32ページから44ページまで」というように、事前に進行ペースが決められています。このペースは、早い人には早いし、遅い人には遅い。自分はもっと先へ進みたいのに、44ページまでしか進まない。これも資格学校の欠点。対面講義ではなく、DVDを視聴するスタイルならば自分のペースで進められます。

さらに、料金の高さも資格学校を避ける理由になります。社労士試験の対策講座は、確か全部パックされて39万円ぐらいでした。テキスト、講義、模試など、必要なモノを一纏めにして販売しています。学生だから雇用保険には加入しておらず、教育訓練給付金を使えないので、購入するとなると全額自己負担になってしまいます。ローンを使ってまで受けるほどのものでもなさそうでしたので、パックコースも避けました。

通学のための時間、授業ペースの遅さ、料金の高さ。この3つの理由で資格学校を使わないと決めました。

資格を取るならば資格学校に行かなければいけない、という思い込みを持たないようにしたいですね。

 


テキストを買い直し。バラバラに分解した問題集。

 

使っていたテキストをいったん処分し、新しいテキストに買い換えることにしました。あまり考えずに選んでしまったテキストでしたし、気分を変える機会になりました。

社労士試験関連のテキストは種類が多いので悩みましたが、LECのテキストに決めました。他社のものもサッと見ましたが、LECのテキストが自分にとって見やすい、読みやすいように感じたのが決め手です。



1,出る順社労士 必修基本書。

まずはコレです。必修基本書とは、いわゆる教科書のようなものです。1冊で約700ページほどの分量で、辞書のような外観です。分厚いので抵抗感がありますが、1冊で全科目が掲載されているのが良いところです。

10科目ほどを1冊に集約できているので、1科目あたり70ページですから、考えるとコンパクトに作られていました。

2015年時点では、この必修基本書は2冊に分かれてしまって、労働保険で1冊、社会保険で1冊、合計2冊で構成されるようになりました。以前は1冊でまとまっていたので便利でしたが、今は荷物が1つ増えました。

この必修基本書の上下左右にある余白に、色々と書き込んで使うのが私のスタイルでした。

2016年版出る順社労士 必修基本書 1 労働編 (出る順社労士シリーズ)

2016年版出る順社労士 必修基本書 2 社会保険編 (出る順社労士シリーズ)




2,出る順社労士 ウォーク問 過去問題集。

これは5年分の過去問を掲載した問題集です。選択式と択一式、これが1セットになって社労士試験は構成されますので、合計で5セット掲載されています。

この過去問も、私が使っていた時は1冊で全科目が網羅されていたのですが、今では労働編と社会保険編で分かれ2冊になっています。

2冊になって1冊あたりの分量が減ったわけではなく、ボリュームはほぼそのままで2冊ですので、持ち出す時はどちらか片方だけでないと荷物が重いでしょうね。


労働編の基本書を持ち出すときは、過去問も労働編というように揃えて持ち出すのが今のスタイルでしょうか。

2016年版出る順社労士 ウォーク問 過去問題集 1 労働編 (出る順社労士シリーズ)


2016年版出る順社労士 ウォーク問 過去問題集 2 社会保険編 (出る順社労士シリーズ)





3,出る順社労士 ウォーク問 選択式マスター。

これが私のイチオシです。選択式問題だけを集めた問題集で、特徴もなさそうな1冊ですが、ちょっと使い方を工夫します。

全科目が1冊に集約されているので、これを科目ごとにバラバラに分解します。分解というのは、本の背表紙を破いて、科目ごとに分離することを意味します。

 

10冊ほどに分離できますので、外出するときはいずれか1冊だけ持ち出し、電車の中や大学での休憩時間に問題を解きます。ボールペンを持って、問題の答えは頭で思い浮かべて、間違った問題には問題集にチェックマークを付けておく。

分厚い問題集ですが、科目別に分解すると、確か1冊あたり60ページほどでしたので、持ち歩くには軽いものです。背表紙を破るとページが乱れますので、クリップ(黒いクリップで、持ち手部分をパタンと倒せるタイプのもの)で問題集の左上を固定していました。

語群の中から選び文章を完成させるのが選択式問題ですので、さほど頭に負荷がかからず、電車の中で立っていてもできます。

購入してから全科目を10回ほど繰り返したので、問題文も答えも自ずと覚えてしまって、基本知識がシッカリと定着したように思います。何度も繰り返す意味があるのかと疑問を抱くところですが、社労士試験は基本すぎるほど基本的な問題が出題され、「こんなこと知ってるゼ。フフン」というヒトたちを不合格に導くようになっています。実際に過去問を解くと、基本をいい加減に扱っている人ほど、意外なほど不正解を選んでしまいます。

語群から選ぶ問題だから簡単だろうと思っているならば、実際に過去問を解くと分かります。

社労士試験合格で最も決め手になったテキストはどれかと聞かれれば、この選択式問題集だと答えます。バラバラに分解するのがポイントです。

2016年版出る順社労士 ウォーク問 選択式マスター

主に使った問題集は、この選択式マスターと過去問です。他には模擬試験の問題もありました。量が少ないように思えますが、繰り返すだけでも労力を要しますので、実際に取り組むとこれでも多いように感じました。

 



ノートは作らない。

学生の頃から、何かとノートらしきものを作る人は多いですよね。先生が板書した内容をそのままノートに書き写すのが当たり前だったためか、勉強にはノートが必要だと思い込んでいる人が多いからかもしれない。これは学生時代の悪い癖。

写経のように黒板と同じ内容をノートに再現する。そして、定期的に先生がノートをチェックする。ノートをチェックするから、写経してしまうのか、書き写すのがノートだと思っていたのか、なぜあんなことをしていたのか不思議です。

自分が必要なことだけをノートすればいいだけなので、人それぞれでノートの中身は変わるはずですが、「書き写す=ノート」だと刷り込まれていましたね。

必修基本書をベーステキストとして使っていたので、そのテキストの上下左右にある余白に書きたいことを書いておく。あまりスペースは大きくないのですが、スペースが小さいため余計なことを書けないのがいいところ。

白いノートだと書くスペースはいくらでもあるので、際限なく書いてしまうのですが、スペースに限りがあると、何を書くかを選ぶので、必要なことしか書かなくなります。

余白を使うと、テキストの内容と書き込んだメモをセットにできるのも良いところ。ノートとして分離すると、テキストの該当箇所を参照する際に手間がかかるので、一箇所に集約できるのは利点です。

とはいえ、どうしても別途でまとめておきたい事柄もあって、その場合はルーズリーフの紙を使ってまとめていた。あくまでルーズリーフの紙だけです。バインダーは使っていません。


まとめた箇所は、主に数字が出てくる部分。

例えば、
・老齢基礎年金の繰り上げ、繰り下げで使う数字。
・雇用保険の基本手当日数。
・高額療養費の計算数字。
・特別支給の老齢厚生年金で使う生年月日。
・年金の加算関連の数字。
・労災保険の給付関連で使う数字。
などが主なところ。


他にも数字が絡んでいる部分はルーズリーフ用紙に書き出していました。書きだしたと言っても、合計で4枚だったと記憶しています。全科目で4枚だけでしたので、これぐらいならば許容範囲です。

数字の部分は、問題を作る側にとっては好都合で、ちょっと数字を変えれば、間違った選択肢を作り出せます。そのため、数字の部分だけを抜き出してまとめていたのです。

何回も見ていれば記憶に定着するので、数字が関連している部分だけ抜き出してまとめていました。本試験では高額療養費制度に関する部分が出題され、70歳以上の被保険者を対象にした高額療養費制度が選択式試験で出題されました。平成16年でしたね。

社労士試験には、科目ごとに、一定の点数以上に達しないと不合格になる基準点があります。16年度の本試験で出題された高額療養費制度の問題を間違う人が多かったのか、ここで基準点に達せず、不合格になった人もいたようです。

健康保険の選択式問題はたった5問しかなく、ここで最低でも2つ以上正解していないと不合格になります。私は4つ正解していたので問題なかったのですが、16年度の試験では5問中1問でも正解していれば不合格にならない措置が講じられました。いわゆる「1点救済」と呼ばれる特例措置です。それまでは2点以上が当たり前だったのですが、初めて1点以上でOKになったのが平成16年度の社労士試験でした(健康保険の選択式問題だけでしたが)。

70歳未満と70歳以上では高額療養費制度での取り扱いが異なり、扱う数字も違います。どちらも必修基本書には大きく書かれている内容で、基本の範囲に含まれるのですが、70歳以上の被保険者を対象にした高額療養費制度は出題されないだろうと考えていた人が多かったのでしょう。

ノートを作らないのは正解でしたが、数字が関連している部分に限ってまとめて、何度も見ておくのは良い方法でした。

簡単な内容ほどキッチリと問題として問うてくる傾向が社労士試験にはありますので、「まぁ、ここは大丈夫だろう」と高を括らず、「数字」には気をつけてください。出題しやすく、忘れやすい部分ですから。


 

毎日、小テスト。

小テストを毎日やっていたのも工夫の1つでしたね。誰かにヤレと言われてやっていたわけではなく、全ての学習法は自分で考えて実行したものですので、この小テストも私が企画して私自身でやっていたものです。

小テストというのは、目的条文の穴あきテストです。目的条文とは、法律の第1条に書かれているものです。

そんな小テストに何の意味があるのか不思議でしょう。目的条文には、法律のスタンスというか、コンセプトが含まれています。何のために作った法律なのか、何のために存在しているのか。例えば、労働基準法は労働者を保護するために作られた法律だから、労働基準法関連の問題では、労働者を保護する記述は正しく、労働者を保護しない記述は間違いだと判断できます。

選択式問題では、そのまま目的条文が出題されることもあり、目的条文を知っていればそのまま満点を取れます。

社労士試験用に「横断テキスト」というものがあり、各社から市販されています。そのテキストで、法律の目的条文だけを並べたページがあり、それを使って小テストを繰り返しました。

数字関連の項目をまとめた先ほどのルーズリーフ用紙も小テストの時間に見るようにしていました。

LECからは横断テキストが販売されておらず、これは他社が発行したものを使っていました。

2016年版 うかるぞ社労士 横断編 (うかるぞ社労士シリーズ)


この うかるぞ社労士 横断編は、私が大学生の頃に使っていたものです。目的条文も見開きにズラッと記載されており、赤いフィルムでキーワードを隠してテストできるように作られています。

国民年金と厚生年金を比較したもの。年金の加算に関するものを並べて比較したものなど。混乱しやすい部分をまとめているテキストなので、必要なページを切り取って、まとめプリントとして使うのも良さそうです。先ほどのようなルーズリーフに書き出す作業を省略し、この横断テキストからページを切り取れば、時間をショートカットできるでしょう。

当時も横断テキストを使っていたのに、ページを切り取ることを思いつかず、ルーズリーフ用紙にまとめを書いてしまいました。数字が関連してくる部分は横断テキストでまとまっていたはずですから、自分でまとめず、テキストを購入し、必要なページをカッターで切り取って使うのが賢いと思います。

 

次回のメルマガは、全3回シリーズの最後である3回目です。

主な内容:
受けた模擬試験は2回。
本試験は大阪で。8月後半の夏休み。
右肩上がりの点数。
大阪にあるLECの校舎で採点。
本試験の成績は?
大学のコンピュータールームで合格発表をチェック。
商品券2万円を手に入れる。

 



社労士試験講座の受講料が大手資格予備校に比べて1/3で。

 

 

 


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