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book790(通勤手当を廃止すれば通勤ラッシュを解消できるか。)



交通費がタダだから、遠くからやってくる。


交通費全額支給。人材を募集する条件に、このような文言が含まれているのを見たことがある人は多いでしょう。電車やバスに乗って通勤すると、その費用を会社が全額補助する。その結果、従業員は実質的に交通費をタダにして会社に来れるわけです。

通勤途中で買い物や寄り道ができるし、休みの日でも定期券を使えますから、交通費を受け取ることは利点があるにはあります。しかし、交通費を負担しないで済むとなると、人は好きな場所に住もうとします。

職場に近い場所に住まずに、電車で片道1時間もかかるような場所にマンションを借りたり、何十年ものローンを組んで郊外に一軒家を買ってしまう人もいます。

自宅での生活は快適でしょうが、片道1時間となると、朝の通勤は苦痛です。苦痛であるにもかかわらず、交通費の負担がないためか、このような生活を受け入れるのですね。

混雑した電車で移動してもロクなことがありません。外は真冬なのに電車の中は真夏のようにムシムシしている。知らない人と身体が接触する。オバサンの化粧の匂いがキツイ。オジサンのカレーシューが漂ってくる。足を踏まれる。電車内で喧嘩が始まる。

社内では本や新聞ですら読みにくいですし、スマホをいじっているのも時間の無駄です。さらに痴漢や痴漢の冤罪も起こりえる場所です。一体何の利点があるのでしょうね通勤ラッシュには。

まぁ、満員電車に乗ると色々とありますね。ほんと、乗っているだけでライフが減少しますから、目的地に着いたときには、ライフの残量はすでに60%ぐらいまで減っていたりします。これじゃあ、強敵に遭遇したらやられてしまいますね。

交通費全額支給の欠点は、職場から自宅が離れていてもいいだろうと働いている人に思わせる点にあります。金銭負担が生じると行動を変えようとしますが、無料とかタダとか、全額補助という甘い提案を出されると、人は受け入れてしまいやすい。

そこで、通勤手当を廃止すれば、通勤ラッシュは減るのではないでしょうか。手当が出ないとなると、遠くからわざわざ混雑した電車に乗って移動しなくなるでしょうから、良い結果がもたらされそうです。

 

 

通勤ラッシュを生み出す力。


単に通勤手当だけを廃止して終わりとなると、さすがに厳しい。今までの交通費補助がなくなるのですから、何らかの代案が欲しいところ。

通勤手当をゼロにする代わりに、住宅手当を支給して補填するといいでしょう。職場に近い場所に住んで、その住居コストを手当で補助する。そうすれば、通勤ラッシュの電車に乗らないで済むし、職場まで徒歩や自転車で行けるので健康的だし、さらに住居費用も軽減できる。一石三鳥です。

交通費から住宅手当へ重点を変えて、人のインセンティブを変える。毎日往復で2時間もロスしていた時間がなくなるのが最も良いところです。

通勤交通費は税制で優遇されているので、どうしても交通費を支給したくなりますが、それでは通勤ラッシュから逃げにくくなります。

政府は税制度で通勤交通費を優遇している。さらに、郊外に一軒家を買うために住宅ローンも優遇しています。鉄道会社には、通勤客からの定期券収入があります。金融機関や不動産業界は、借金して一軒家を買ってもらいたい。

各方面から、通勤ラッシュを生み出す力が加わっているため、自然に問題が解消するのを待っていても埒が明かない。となると、企業や社員単位で自衛するのが近道です。

通勤手当から住宅手当へのシフト。さらには、朝方勤務やフレックスタイム制、在宅勤務も。これらを駆使して、通勤ラッシュという無駄から開放されるようにしたいですね。



山口正博 社会保険労務士事務所
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