ユニクロの週休3日は顧客のための施策(Sat.20150926)


ユニクロ週休3日制はブラック批判への過剰反応と大前研一氏
http://www.news-postseven.com/archives/20150925_352944.html


 この件について、私はファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんに直接確認していないので、その真意は想像するしかないが、一時期、ユニクロが離職率の高さや労働時間の長さなどから「ブラック企業」と批判されたことに対する過剰反応のようにも感じる。

 さらに、社員の側からすると、週休2日が3日に増えることにどういう意味があるのか? 学校に通う子供がいたり、夫婦共稼ぎでパートナーの休みが土日祝日だったりすれば、平日に3日休んでも、家族では活用しづらい。また、ユニクロは原則として正社員の副業・兼業やアルバイトを禁止している。それで週3日も休みになったら、大半の人は暇を持て余してしまうのではないだろうか。

週休3日に変更した意味を計り兼ねているようですが、実は単純な意図だろうと私は考えています。

ユニクロのセール日にスタッフを集中させ、お客さんが少ない平日に休んでもらう。週休3日の目的はただそれだけでしょう。特に深い意味はなく、土日や祝日に休まないで、平日に休みをもってきて、お客さんが多い日に出勤して欲しい。それだけです。

連日お客さんが大挙してユニクロにやってきて買い物をしているイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、平日はガラガラです。土日や祝日は特売品が並びますから、お客さんは多くレジも待ちますが、平日はゆったりと買い物ができます。あれだけ繁閑の差があると、土日だけ出勤して、平日は全て休みなるスタッフがいても大丈夫なんじゃないかと思えるほどです。

ブラック企業という批判をかわすためという指摘がありますが、週休3日になっても、1日の勤務時間を10時間にしていますから、トータルでは週40時間になり、働く時間は減っていません。もし、ブラック批判を回避する目的があるならば、勤務時間も同時に削減していたのではないかと思います。

変形労働時間制を使って週休3日を実現していますが、休日は増えていますが、働く時間そのものは減っていませんので、ポートフォリオの組み替えや、質量保存の法則をイメージしていただければ良いでしょう。増えた休みの日に相当する勤務時間を他の日に分配するのが、この場合の変形労働時間制です。

休日を充実させるとか、エンジョイさせるとか、ファーストリテイリングはそういう企業ではないでしょう。少なくとも、経営者が柳井氏である間は、今の企業文化が変わることは無さそうです。

暇を持て余すという部分については、1週間に1日だけ休みが増えただけですから、暇を持て余すと表現するほど暇は作れないのではないかと思います。休みとなれば、寝転んでスマホをイジるのが関の山であって、休みの日に自主的に仕事に関連する活動をする人は、いたとしてもごく少数です。

土日祝日、他には感謝祭など、ユニクロにはセール日が設定されますが、その日になるとレジでは行列ができて待ち時間が長くなります。そのような日にスタッフが多ければ、より早くお客さんへの対応ができ、満足度も高まるでしょう。ユニクロの週休3日は顧客のために導入されたと言っても過言ではないでしょう。


山口正博 社会保険労務士事務所
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