就活の解禁日を見直すのは無意味。流れに逆らわない就活がベスト(Wed.20150902)

内定率7割超、辞退多く…早くも見直し求める声
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150827-OYT1T50139.html


 来春卒業予定の大学生の就職活動は、ヤマ場を越えた。少なくとも1社から内定を得た学生は8月15日現在で、全体の70・6%に達したことが分かった。

 就職情報会社リクルートキャリアが27日発表した。多くの企業が8月1日の採用面接の解禁前に選考活動を行ったためとみられる。今年から解禁日が繰り下げられたが、見直しを求める声が企業、学生の双方から出ている。

 企業から内定を得た大学・大学院生の割合を示す内定率は、面接解禁日の8月1日現在は65・3%だった。半月で約5ポイント増えた。

 昨年の解禁日の4月1日(18・5%)と比べると、内定率は3倍以上に達している。今年は面接解禁日が「4年生の8月」となり、昨年よりも4か月遅くなった。解禁日まで待てない企業の「抜け駆け」が増えたとみられる。

 また、内定を辞退した学生の割合は8月1日時点で44・2%と、昨年の解禁日(24・1%)から大幅に増えた。うち3社以上辞退した学生の割合は17・4%に上った。

就活を制限する仕組みはずっと昔からありますが、キチンと機能した記憶がありません。いつから就活を始めるか、面接はいつから、内定を出すのはいつからと、それらしい規制を設けて最適な就活環境を作ろうとしています。

漁業では、海洋資源を保護して、継続的に漁で商売を続けられるようにしています。例えば、サンマは8月になると、小型船から徐々に漁が解禁されます。

就活も、制限を課せば最適な解を得られると思われているのか、ナンダカンダと制限を課されます。

解禁日の設定を見直す声があるようですが、見直しても今と変わらないでしょう。後に起こっていた問題が先に起こるようになるだけですので、問題は解決しません。

なぜ就活に対する規制は失敗するのかというと、企業と学生、当事者双方にとって利益にならないからです。企業としては、なるべく早い段階で採用する人材を決めておきたい。また、学生も、なるべく早い段階で内定を得たいと考えています。

つまり、企業と学生は、なるべく早く就活を実施したいということ。となると、「この日から就活を始めてください」と決められても、就活は企業と学生の間で行われるものですから、当事者双方にとって利益のない制限は守られません。

漁業の場合ならば、漁期を制限しなければ、海洋資源が枯渇してしまい、将来的に漁業ができなくなります。そのため、解禁日を設けることは漁業分野で働く人にとって利益があるわけです。この場合の解禁日は当事者にとって利益があるため守られます。

しかし、就活に解禁日を設ける利点はどこにあるのか。大学での授業やゼミナールに就活が影響するので、解禁日を設ければ大学生活への影響を軽減できるという指摘もあります。しかし、大学の先生が就活への規制に賛成しているのではと思うところですが、就活が学生生活に影響を与えている実情は変わっていないようです。

大学3年の終わり頃になると、就活関連のスケジュールが入り始め、大学関連のスケジュールが疎かになる。これが私が大学生の頃の実情でしたが、2015年の今も変わりないようです。

就活は、学生と企業の間で行われるものであって、当事者にとって利益にならないルールは守られない。川の流れに逆らうような規制が上手く機能する可能性は限りなくゼロです。

企業は望む時に採用活動をすれば良いですし、学生も望む時に就職活動をすれば良い。卒業するまで就職してはいけないわけでもなければ、働いてはいけないわけでもない。

山口正博 社会保険労務士事務所
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