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1週間に休みが3日。固定した変形労働時間制の利点。

週休3日

 

1日10時間勤務に固定する変形労働時間制の良さ。

ユニクロで1週間の休みを3日にする仕組みを2015年の10月から導入するとのこと。

ユニクロ、週休3日制導入へ 10時間労働で給与同水準
http://www.asahi.com/articles/ASH8N2VDDH8NULFA005.html


 原則として、客の多い土日を含む週4日働き、休みは平日に3日とする。出勤日の労働時間を1日8時間から10時間にするため、週あたりの労働時間は40時間で変わらず、給与水準も同じになる。まずは特定の地域で働く「地域正社員」の約1万人を対象とし、2千人ほどの選択を見込む。格安衣料品店「ジーユー」や本部の従業員に広げることも検討している。

 法律で定められた1日8時間労働の例外となる「変形労働時間制」のしくみで対応する。この制度は、客の多い土日祝日だけ長時間営業する飲食店や、決算の発表直前に仕事が立て込む経理の仕事などで使われている。




1週間に休みは1日もしくは2日。これが当たり前だと思われているのですが、ちょっと工夫すると週休3日に変えることも可能です。

ユニクロでは、変形労働時間制を利用し、1日の勤務時間を10時間に設定。1週間の勤務日数を4日にして、4日×10時間 = 週40時間とする。これで今までの勤務時間をそのままにして、週休を3日に変えています。

「1日8時間を超えると残業になっちゃうんじゃないの?」と思うところですが、変形労働時間制を利用すると、残業にならず割増賃金も不要です。

変形労働時間制というのは、法定労働時間の枠を、他の日や他の週と融通しあうことで法定労働時間の上限を超えないようにできる制度です。




1日8時間も必要なのか。1週40時間も必要なのか。

ユニクロの例で説明すると、

(変形労働時間制なしの場合)
月曜日:8時間。
火曜日:休み。
水曜日:休み。
木曜日:8時間。
金曜日:8時間。
土曜日:8時間。
日曜日:8時間。

週5日勤務で、火曜日と水曜日を休みにすると、上記のような勤務スケジュールになります。

では、変形労働時間制を使って週休3日に変えるとどうなるか。

(変形労働時間制ありの場合)
月曜日:10時間。
火曜日:休み。
水曜日:休み。
木曜日:休み。
金曜日:10時間。
土曜日:10時間。
日曜日:10時間。

木曜日を休みに変更し、出勤日を10時間勤務に変更しました。この勤務シフト通りに勤務すると、割増賃金が必要な残業は発生しません。

なぜかというと、木曜日にあった8時間分の時間枠が月曜日、金曜日、土曜日、日曜日にそれぞれ2時間ずつ配分されているからです。4時間を4で割って、1日8時間に2時間を追加しています。

これにより、週40時間を超えないようになり、残業も発生しないというわけです。ただし、これは変形労働時間制を採用している場合に上記のような処理ができるのであって、何も準備をせずにやってしまうと、8時間を超えた2時間は法定時間外労働になり、割増賃金が必要です。

また、変形労働時間制を利用する際には、勤務シフトを決めた後に任意で変更してはいけません。例えば、水曜日になって、「木曜日と金曜日を入れ替えて」というのはダメです。変形労働時間制を運用する場合、どの日に何時間、どの週に何時間勤務するかを事前に特定する必要があります。

特定というのは、勤務シフトで勤務する曜日や時間を決めることを意味します。事前に勤務時間を「この日は10時間」と特定することが条件であって、特定した後に業務上の都合で変えることはできません。そのため、時間にルーズな職場には変形労働時間制は合いません。

勤務シフトを作成した後は、コロコロと時間を変えずに、1日10時間、週4日勤務という部分を固定して変形労働時間制を運用する。ユニクロの変形労働時間制は、「固定的な変形労働時間制」と言うべきものです。

1日10時間に変えることで週40時間を維持していますが、1日8時間働かなければいけない、1週間に40時間働かなければいけないという部分に疑問を持たなければいけないのではないかと私は思います。

質量保存の法則ならぬ時間保存の法則のように、上限時間目一杯まで勤務するのが当たり前のように思えてしまいますが、そんなに長い時間が必要なのかどうか。


年に2回ほどユニクロには大規模なセールがあり、5月に感謝祭、11月には創業祭があります。これらの日には、普段はセールになりにくい商品、セール対象になっても3割引ぐらいで販売されるものが半額で売られます。

私も、2年ほど前の創業祭でウルトラライトダウンベストを購入し、秋冬にはよく着て、気に入っています。ものすごく軽くて、程よく温かいので、室内着として、インナーとしても高頻度で着ています。

また、週末になると、金曜日から日曜日までの恒例のセールを実施するのがユニクロでは当たり前になっていて、これを知っている人は週末にユニクロに買い物へ行きます。一方、平日のユニクロに行くと、お客さんは疎らです。

ユニクロのアイドルタイムは平日であり、週末や感謝祭の時はお客さんがやってきます。ということは、週末に出勤してもらい、平日に3連休を取ってもらう。変形労働時間制を利用するとそのような働き方ができます。

こぢんまりとしたアパレルショップに行くと、店に入って数秒後に「何かお探しですか?」と聞かれます。これが嫌で服を買いに行きたくない人も少なくないでしょうが、ユニクロならば店員から声をかけられることなく、ユックリと服を選べます。

90年代後半に初めてユニクロの服を買って着ましたが、あの頃は今ほど品質が良くなく、安さだけがウリの服でした。しかし、2000年以降からドンドンと品質が良くなり、今では立派な「ユニラー(ユニクロの服を好んで着る人のこと)」です。

1日10時間勤務で週休3日という働き方はユニクロに限らず、変形労働時間制を使えば他の企業でも実施できますので、興味のある企業は導入を検討してみるといいでしょう。


 

 

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