book774(高速バスの運転手が11連勤。連続勤務はどこまでできる?)

11日連続で勤務。法律では12連続勤務まで可能。


バス運転手は11日連勤中 「夜勤前に休憩8時間 運行規制の範囲内」
http://www.sankei.com/west/news/150714/wst1507140049-n1.html


 東名阪自動車道下り線で14日発生したバス事故。今回の観光バスは、「ウィラーエクスプレス関東」(東京都)が、「ロウズ観光」(岡山県倉敷市)に運行を委託していた。ロウズ観光によると、運転手は11日間連続勤務中だったが、この勤務体制は、群馬県で平成24年に起きた関越自動車道高速ツアーバス事故を契機に国土交通省が厳格化した新たな規制の範囲内。担当者は「夜勤の前に8時間以上の休憩を取っており、法的に問題はない」と説明している。

長距離を移動する高速バスの事故ですが、最近だと平成26年に起きた高速バスの事故が記憶に新しい。

私も大学生の頃に高速バスを何度も利用したことがあります。大阪と東京を移動するために、大学1年の頃は東海道新幹線の「ひかり」や「のぞみ」を利用していたのですが、3時間程度で大阪と東京を移動できるのはありがたかったものの、料金の高さが大学生の私には負担でした。

金券ショップで新幹線のチケットを買うと、片道で確か12,450円ぐらいだった記憶があります。往復で25,000円ですから、ケチくさい大学生にはあまりオススメできない交通手段ではあります。大学2年になると、新幹線の運賃が高いので何とかならないかと調べてみると、バスが随分とリーズナブルらしいと聞き、それ以降は高速バスで大阪と東京を移動していました。

新幹線だと片道12,450円のところ、高速バスだと、安いものだと片道4,500円などというものもあり、両者の運賃差にビックリしながらも格安の高速バスで移動したことがあります。ところが、まぁ、4,500円で大阪と東京を移動できるものですから、価格相応と言いますか、快適とはとても言えないようなシロモノでした。

東京と大阪を結ぶ夜行の格安高速バスは、新宿都庁の地下に集まって、バス会社の手続きを済ませ、近くのバス停からバスに乗ります。2人隣同士で2列、隣の人と肩や腕が触れる状態で、約9時間ほどバスで移動します。途中で休憩が2回か3回ありましたが、あの密着した座席ではとても眠っていられませんでした。

運転手は2人いて、途中のサービスエリアで休憩する際に交代していました。片方が仮眠し、片方が運転する。それを交代で続け、目的地まで行くというわけです。

一口に高速バスといっても、まさにピンからキリまであります。上記のような格安のバスもありますが、選べば片道8,000円も出せばとても快適なバスもあります。格安バスを使ったのは上記の1回だけで、それ以降は8,000円程度の運賃を支払う高速バスを選んでいました。席と席が分離されていて、隣の人と触れることはないし、毛布やスリッパ、さらにはトイレまで備え付けられているバスで、このバスは大学生の頃には10回ぐらい乗ったのではないかと思います。

利用していたのはJR西日本のバス(http://www.nishinihonjrbus.co.jp/)で、ニュードリーム号という車両です。今でも営業していますので、高速バスで長距離を移動するならば、このような快適なバスを使うことを強くオススメします。


事故を起こしたバスの運転手は11日連続で勤務していたようですが、法律に違反することなくこのような勤務が可能なのかどうか。月曜から金曜まで連続で勤務しても5日ですから、11日連続で勤務した経験がある人はさほど多くないのではないでしょうか。





法改正で連続勤務は最大で6日までになる。


先に書くと、11連続で勤務することは可能ですし、労働基準法にも違反しません。ただし、2015年7月時点では。

労働基準法35条(以下、35条)には休日に関するルールが書かれています。

第35条 
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。

毎週1日の休日ですので、「最大でも6日連続勤務が限界じゃないの? それを超えたら法律に違反するんじゃないの?」と思えますが、ここはちょっとしたカラクリがあります。

1週目
月曜日:休み
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:出勤

2週目
月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:休み

上の内容を見ていただくと、1週間に1日の休日は設けられています。1週目は月曜日に、2週目は日曜日に休みがあります。この時点で35条には違反していません。

しかし、連続での出勤日数が12日になっていますよね。1週目の火曜日から2週目の土曜日まで連続で出勤しています。

労働基準法では、12日連続勤務まで可能なのです。よって、11日連続で勤務したとしても、確かに労働基準法には違反しません。

ただ、この点はいわゆる法律の穴のようになっていて、随分と前から改善すべき点でした。

しかし、今年度の189回国会には、労働基準法を改正する法律案が提出されていて、その中に35条を修正する内容が含まれています。

労働基準法等の一部を改正する法律案(衆議院)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18902006.htm

第三十五条第一項中「少くとも」を「少なくとも」に改め、「休日を」の下に「直前の休日の翌日から七日以内に」を加え、同条第二項を削る。

第35条を改正内容に応じて書き換えると、

第35条
使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を直前の休日の翌日から七日以内に与えなければならない。

となります。

このように変更されると、もし月曜日に休日だったならば、遅くとも翌週の月曜日までに休日を設けなければいけなくなります。つまり、連続で勤務できる最大日数は6日までに制限されます。

長い間、改正されずそのままでしたが、やっと35条が改正されるのですね。




山口正博 社会保険労務士事務所
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