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book773(年金が少ないと新幹線で焼身自殺。)

「年金が少ない」という理由で火をつける。


2015年6月30日に、東海道新幹線の社内で火災を起こし、男性が自殺した事件がありました。ニュースでは、年金に不満があって事を起こしたとのことですが、働いて年金が減ったのが納得いかなかったようです。

年金だけが理由だったのか、それ以外にも理由があったのか、本人が亡くなってしまっているので分かりません。

年金が少なかったのが理由だとすると、働いて年金が減ったという点が気になる方もいらっしゃるはずです。

働くことと年金が減ること、この両者にはどのような関係があるのか。なぜ働いたら年金が減ってしまうのか。今回は、この点について説明しましょう。



働くとなぜ年金が減るのか。


収入と年金を調整する仕組みを「在職老齢年金制度」と言います。

在職老齢年金について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/pdf/100816-01.pdf

働いていて一定上の収入があると、その収入に応じて年金が調整されます。ザックリ言うと反比例するようなイメージです。収入が増えてくると、年金が少しづつ減額されて調整される仕組みです。

年金と言っても、全ての年金が調整の対象になるわけではなく、老齢厚生年金が対象です。働きながら老齢厚生年金を受け取っている人。この人が在職老齢年金による調整の対象です。そのため、国民年金は対象外ですし、障害厚生年金や遺族厚生年金も対象外です。もし、老齢厚生年金を受給する対象になっていない人ならば、どれだけ働いて収入を得ても年金は調整されません。

在職老齢年金という言葉を見聞きすると、在職老齢年金という年金があるように思えてしまいますが、実質は老齢厚生年金です。名前を変えてしまうと、在職老齢年金という年金が支給されるのかと思ってしまいますが、名称は違えども支給されるのは厚生年金です。

在職老齢年金制度は、働きながら年金を受け取る際の調整制度ですから、「在職老齢年金調整制度」と表現する方が実態に合っているように思います。


2013/4/26【働いて減る年金と減らない年金の違い。】

定年に達した後、再雇用される仕組みがある会社がありますが、在職老齢年金を考慮すれば、年金が調整される対象にならない水準まで収入を減らせることを考えると、再雇用制度は合理的なのでしょうね。


山口正博 社会保険労務士事務所
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