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手当のポートフォリオを組み替えて、インセンティブを与える。(Tue.20150707)

トヨタ、配偶者手当廃止へ 子ども分を4倍増 労使合意
http://www.asahi.com/articles/ASH7653PPH76OIPE01Z.html

 トヨタ自動車の労使は、「家族手当」を大幅に見直すことで大筋合意した。月額約2万円の専業主婦(夫)らの分を廃止する代わりに、子どもの分をおおむね4倍に増額する。来年1月以降、段階的に実施する。女性に就労を促し、子育ても支援する国の政策を先取りする形だ。

 トヨタの家族手当は月給の一部で、現在は子ども1人あたり月5千円が基本だが、新制度では2万円に引き上げる。一方、社員の妻か夫が働いていない場合や、年収が103万円以下の場合に払っている分(月1万9500円)は打ち切る。これらにより、子どもが2人以上いる社員は手当が増えるが、妻が専業主婦などで子がいない場合は逆に減る。全体の会社支払額は変わらない見通しだ。

配偶者向けの手当から子ども向けの家族手当へポートフォリオを組み替える施策のようですが、政府ならば、配偶者控除を減らして児童手当を増やし、子供がいない家庭から子供がいる家庭へ所得を再分配するでしょう。言うなれば、企業内で所得再分配を実施するようなものです。

子供へ資源を集中すれば、自ずと結婚や出産といったイベントも増えますから、配偶者手当よりも広い波及効果を期待できます。配偶者無しで子供を持つこともできますが、ほとんどのケースでは子供と配偶者はセットですから、子供へ手当を割り当てれば、自ずと配偶者も対象の中に組み込まれます。まさに一石二鳥です。

以前、通勤手当を減らし、住宅手当を充実させるように提案したことがありますが、これも同じ発想です。

book581(通勤手当と住宅手当を反比例させる。)

book755(交通費全額補助をヤメるべきか否か。)


交通費を全額補助されると、どこに住んでいても通勤費用を会社が負担するので、どうしても職場と住居が離れがちです。また、遠いところから通勤するとなると、電車に乗る時間が増えて時間が無駄ですし、通勤ラッシュを作り出す原因にもなります。仕事を始める前に疲れてしまう人もいるでしょう。

通勤手当を減らし、住宅手当を充実させると、遠くから通勤しないようにインセンティブを与えることができますし、職場と住居が近くなり、時間を無駄にすることも、仕事を始める前に疲れることも減ります。

配偶者手当から子ども向けの手当へ、通勤手当から住宅手当へ、手当のポートフォリオを組み替えるだけで、人は行動を変えていくものです。

山口正博 社会保険労務士事務所
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