制限時間を守れる職場ならば「ゆう活」に馴染む。(Fri.20150703)



朝型勤務、22万人実施へ=国家公務員の4割-政府
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015062600646

 政府は26日、7~8月に勤務時間を前倒しする朝型勤務「ゆう活」について、全国家公務員約51万人のうち、4割強に当たる約22万人が実施する見込みだと発表した。「霞が関」の中央官庁でほとんどが実施するのに対し、地方部局では窓口業務を伴う部署は導入を見合わせた。

 内訳は、中央官庁で全職員の8割弱が実施。地方部局では、ハローワークや税務署などで前倒しが困難だとして実施を見送るため、全体の4割程度にとどまった。
 政府は「ゆう活」を社会に浸透させるため、テレビ広告などの広報活動にも乗り出す方針。国家公務員への導入をきっかけに普及した「クールビズ」や「完全週休2日制」の再現を目指す。
 
 

政府が付けた名称は「ゆう活」、企業が付けた名称は「朝型勤務」ですが、これらの実質はサマータイム制です。

起きる時間を1時間早め、始業時間を1時間早める。そして、終業時間も1時間早める。そのため、明るい時間を長く使える。これがサマータイム制の利点としてよく説明されます。ただ、明るい時間を長く使えるといっても、時間が増えるわけではありません。1日のスケジュールを前倒しして、さも持ち時間が増えたかのように錯覚しますが、1日は24時間です。1日25時間にはなりませんし、29時間にもなりません。

単に「ゆう活」と表現しても、実際はどのように運用するのかは分かりません。全員一律で適用するのか、小さい子供がいる家庭は対象外にするのか、介護する家族がいる職員は対象外にするのかなど、細かい運用方法については公表されていません。

例えば、保育園に通う子供がいると、朝に親が保育園に自分の子を連れて登園しますが、この登園の時間はいつでも良いというものではなく、制限があります。もし、朝の9時が登園の時間だとすると、早くても8時30分頃でないと保育園には入れないでしょう。早朝勤務だからといって、朝の6時に保育園へ連れて行っても門は開いていません。

そのため、子供がいる家庭の場合は、朝早く出勤するわけにもいかない事情があります。他の家族や祖父や祖母が子供の面倒を見てくれるならば大丈夫かもしれませんが、朝早くに出勤するとなると、仕事以外の事情が障害になる場合があります。

介護の場合も同様です。自宅に介護サービスの人が来てくれるサービス、介護ステーションに通うサービスなど多種多様な介護サービスがありますが、これも被介護者を送り届けてから出勤する人にとっては朝早くに出勤するのは難しいところです。


公務員、6時間勤務OKに=フレックス制で素案-人事院
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015062900668

ゆう活以外にも、フレックスタイム制を採用している部門もあります。フレックスタイム制ならば、子供がいても介護が必要な家族がいても対応できますし、遅く出勤したいときも、早く出勤したい時も、自分で選べます。

私は、以前に、朝型勤務について書きましたが、その時も朝型勤務ではなくフレックスタイム制の方が使いやすいだろうと提案しました。


朝型勤務でも1日は24時間まで。時間が増えるわけじゃない。(Mon.20150511)


ゆう活であれ、朝型勤務であれ、制限時間を守れる職場ならばこれらの仕組みは馴染みます。しかし、もともと残業が多い職場や時間にルーズな職場に導入すると、逆に長時間労働を助長します。

始業時間には厳格だが、終業時間には甘いのが日本の職場の特徴です。朝礼に遅刻すればカンカンに怒られるし、始業時間に遅れれば個別に面談を受け注意を受ける人もいます。しかし、ガラッと変わって、仕事が終わる時間になると、不思議なほどいい加減になります。

終業時間は15時なのに、キッチリと時間ピッタリに終わらせず、15時7分とか11分まで仕事をさせる。はみ出した7分、11分に対しては給与を支給せず踏み倒す。こういうことを平気でやる職場、私も学生の頃にさんざん経験しました。

別に、お金が惜しいわけではないし、7分や11分に相当する賃金など数十円、数百円程度のものですから、誤差だと思っても構わないのです。仕事を始める時はあれほどピリピリするのに、仕事を終える時にはあれほどいい加減になるのが納得できなかった。

始まりはキッチリ、終わりはダラシない。飲み会、打ち上げなども同様です。やれ2次会だ、3次会だと時間を延長し、当初の予定なんてスッカリ忘れてしまう。

もし、上記のようなタイプの人が職場に多いならば、朝型勤務やゆう活はヤメておくべきです。始業時間を早めても、終業時間は守られず、残業でジリジリと時間を延長されます。

とはいえ、何もしないよりはいいでしょう。クールビズは政府が先導して普及したので、後発事例としてゆう活を普及させてみるのも良いと思います。

山口正博 社会保険労務士事務所
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