ベビーシッターマッチングサービスへのガイドラインが出る。(Thu.20150604)



平成26年にベビーシッターサービスによる死亡事故が起こり、シッターサービスに対する風当たりが強くなった。「許可制にせよ」、「チェックはしていないのか?」、「免許はあるのか」など、ベビーシッターの市場が萎縮するのではないかと思えるほどの逆風が吹いた感がありました。

もし、何らかのセーフティーネットを設けるならば、保育者、マッチングサイト、利用者、この3者のいずれが対処策への負担をするのか。ここが問題でした。利用者への負担が大きくなると、ベビーシッターサービスそのものへの需要が減退しますし、マッチングサイトへの負担が大きくなると市場に参入する業者が減ります。また、保育者であるシッター登録者への負担を大きくすると、ベビーシッターの仕事を辞めて他の仕事を選んでしまい、シッターサービスの供給量が減ります。

とはいえ、事故を防ぐために何かをするとなると、上記の3者に負担をかけざるを得ません。

2015年6月3日に厚生労働省より、ベビーシッターのマッチングサービスに対するガイドラインが公開されました。

子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000087719.html

以前、ベビーシッターサービスに何らかのチェック機能を設けるならば、その負担は主にサイト運営者に回ってくると私は指摘していました。利用者がサービスをチェックするとなると、面倒ですし、担当のベビーシッターを疑っているような対応をせざるを得ず、サービスそのものの利用をやめてしまいます。そのため、新しく規制が設けられれば、その負担はサイト運営者に回ってこざるを得ないのです。

サイト側の主な負担は、保育者の届出チェック、身分証チェック、多重登録を禁止、トラブル時に対応。保育者(ベビーシッター)側の主な負担は、保護者と面接、届出、保育場所を見学、身分証関連を提示、研修、保険加入、預り時の報告。

では、利用者である保護者には何も負担が無いのかというと、そうでもなくて、別紙2には保護者が守るように求められている事柄があります。面接、身分証や届出のチェック、保育場所の見学、資格などを確認、研修の受講状況を確認などが求められています。

では、利用者が上記のような確認を自発的にするかというと、おそらくしないでしょう。育児の負担を軽減するためにベビーシッターサービスを使っているのに、あれを確認、これを確認、それをして、と求められたら、何のためにお金を払ってサービスを使っているのかと感じるでしょう。

となると、保護者がすべきことを、マッチングサイトと保育者であるベビーシッター、この2者で取り込んでいくことになります。利用者から求められることなく、身分証や届出書類のコピーを渡す、資格関連の書類も求められる前にコピーを渡す、研修の受講状況も保護者から求められる前に伝えるなど、利用者からのアクションを待たずに必要なものを提供して、サービスを利用しやすい状態に維持しておく必要があります。

保育中の様子を確認する際には電話やメールを使うようにガイドラインでは案内されていますが、今ではもっと便利な道具があります。

iPhoneを使っている方ならばご存知かもしれませんが、FaceTimeというアプリがベビーシッターの現場では役立ちます。FaceTimeはスマホを使ったテレビ電話のようなアプリケーションで、iPhoneには標準搭載されています。

iOS - FaceTime
https://www.apple.com/jp/ios/facetime/

このアプリならば、声や文章だけでなく、保育場所の映像と音声を同時に知れます。もちろん、電話やメールで報告するのも良いですが、今では上記のような便利な道具もありますから、より場面に適したツールを使っていくと良いでしょう。電話やメールだと何十分もかかる報告でも、FaceTimeならば数分で済むかもしれませんね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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