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book763(辞めるか、交渉するか。学生ブラックバイト。)

あるあるな調査結果。


4月28日、ブラック企業対策プロジェクトのサイトに、学生アルバイト全国調査結果(全体版)が公開されました。

4月28日、学生アルバイト全国調査結果(全体版)を公表しました!
http://bktp.org/news/2790


私も学生の頃、色々と仕事をしましたが、今から思い返せば、ブラックな要素はたくさんありました。

「今週いっぱいで終わりということで」と言われ、高校生の頃に運送会社でリストラされた経験。夏のお歳暮を取り扱う時期で、ちょうど夏休みとお盆の時期が重なるので、高校生のバイトを採用していたのですが、注文量が少なかったのか、それともバイトの質が悪かったのか定かではありませんが、当初の予定よりも早く終了させられたのを覚えています。

労働基準法では解雇予告の手続きが必要ですが、高校生だった私はそのようなことを知りませんでしたので、「まぁ、そんなもんか」と納得していました。

他にも、高校生なのに居酒屋で午前0時30分まで仕事をしていたこと、テスト前に休みが取りづらいなど、上記の調査結果を読んで、「あるある。こういう状況」と頷いていました。


週あたり20時間以上就労している学生が3割いるようですが、土日祝日など休みの日に集中して勤務すれば、週20時間に達するのは難しくない。週30時間を超えるとなると確かに長時間労働だが、週20時間を少し超える程度ならば、長時間労働とは言いにくい。

休憩が取れない職場があるようですが、飲食店では休憩が取りにくいところがあります。休憩中なのに、休憩を中断して注文を受けに行ったり、会計をしたり、料理を出したりなど、私も過去に経験があります。ただ、全く休憩が取れなかったという経験はありません。

シフトの変更については、契約した時間数にかかわらず、業務の都合に合わせて、増減させている職場があるようです。契約した時間数を下回れば、労働基準法26条の休業になりますから、仕事をさせていなくても給与を支払わないといけなくなります。逆に、契約した時間数を上回った場合は、特にペナルティは無いのですが、仕事の条件を契約で決めた意味がなくなります。

シフトを変更する場合は、契約の範囲内に制限されます。時間を基準にすると不便ですが、フレックスタイム制や変形労働時間制を使わない限り、時間配分を業務に合わせて変更するのは無理です。

契約の範囲内といっても、契約書そのものを作成しないお店や会社がほとんどで、私が学生の頃も、契約書を作成したり、その控えを渡された経験は1度も無いです。

履歴書を持って行って、面接をして、「じゃあ、いつから入れるの?」と言われて終わり。書面といえば、私が持っていった履歴書だけで、契約書らしきものは姿カタチもありませんでした。


大学生の頃、飲食店で仕事をしていた頃、台風がやって来てお客さんが少ないので、本来ならば夜の10時まで営業する予定が、夜の8時で店を閉めて、仕事を終えたこともあります。これは労働基準法26条に該当しないかもしれませんが、契約した時間数を下回るケースです。

他には、学生でも有給休暇を使えるのですが、学生の頃に有給休暇を使った経験はありません。最初の契約時に有給休暇について話されたことはないし、「学生には有給休暇なんて無い」と当時は思っていました。実際は、週2日勤務や週3日勤務の高校生や大学生であっても有給休暇はあります。


学生に対する労務管理は概して雑です。一般の社員と学生は違うと思われているのか、学生だからテキトーで良いと思われているのか、事実は定かではないのですが、学生は雑に扱われます。





「自分で選んだんでしょ?」これを言われたら、言い返せない。


上記の調査のように、不適切な労務管理を公表して、少しずつそのようなものを減らしていく。そういう動きは良いだろうとは思います。

ただ、不満があるならば、なぜ仕事を変えないのか。それが不思議です。不満を持っているのに自分で行動しない。学生ならば、他に仕事は捨てるほどあるはずですし、上記の調査では居酒屋の仕事がよく出てきますが、居酒屋の代わりになる仕事など数えきれないほどあります。

会社側からすると、自分で選択した仕事なのだから、それに不満を言うのはおかしいだろうという理屈をこねられる。法律に違反している点があるとすれば、それは確かにダメだが、自分で選んで来た職場なのだし、奴隷のように強制労働させられているわけでもない。不満があるならばいつでも辞められる。

確かに、「自分で選んだんでしょ?」と言われたら、私は言い返せない。「確かに、そう、、だわな、、」と引き下がらざるをえない。

学生は仕事が専業ではないのだから、辞めて他の仕事を探すのは容易です。不適切な労務管理を正すべく企業側と交渉する選択肢もありますが、交渉するよりも辞めるほうが学生にとっては合理的。

社会人は仕事が専業なので、辞めるよりも交渉する方が有利な場合がある。しかし、学生は専業で仕事をしているわけではないので、交渉するよりも辞めるほうが有利な場合が多い。

学生のバイトはやってもやらなくても本人の生活に支障が無い人の方が多い。中には収入が必要な人もいるでしょうが、多くの学生は欲しい物を買うためのお金や遊ぶためのお金が欲しいのであって、生活に必要だから働いているわけではない。

もし、どうしてもお金が必要ならば、奨学金を使うといい。私も大学生の頃、奨学金を少し利用したが、貸与タイプならば申請は通りやすい。後から返済する必要があるが、バイトと学校を両立しにくい状態でズルズルと生活するよりは、金利が低い奨学金を借た方が賢明。


学生に対する労務管理が改善するのを期待しても良いですが、すぐに変わるものではなく、環境が変わるまで待っていたら何年かかるか分からない。

「こりゃあ、ダメだ」と思ったら、サッサと仕事変えて自己防衛する。これが学生にとって合理的な判断。


雑に労務管理すると、学生は確かに困りますが、企業も困ります。採用してもすぐに辞めてしまい、新しい人を採用して教える、また辞める。その繰り返し。

1,000円を節約して、10,000円を捨てるような労務管理。差し引き、9,000円の損。

人が集まらなくなれば、嫌でも労務管理を改善しないといけなくなる。ブラック企業対策には辞める攻撃がジワジワと効く。






山口正博 社会保険労務士事務所
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