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非常勤職員を非常勤職員として採用。どういうこと?(Wed.20150304)



公募は数分だけ、採用で不正 奈良労働局の職員減給
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/152653


 奈良労働局は27日、非常勤職員の採用で不正があったとして、50代の労働局専門職の男性職員を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。

 労働局によると、昨年3月上旬、同4月から1年間勤務する非常勤職員1人を追加公募した際、職員は公共職業安定所(ハローワーク)の職員に指示し、求人情報を数分間だけ公開、その間に労働局で当時非常勤で働いていた女性に応募させた。ハローワークには女性と一緒に訪れていた。

 職員は「不適切なことをしたとは思わない。結果として良い人材を採れた」と話しているという。金銭や物品の授受などは確認されていない。



まず上記の内容を読んでみてください。読んですぐに意味が分かるでしょうか。

「ん? どういうこと?」と思ったのではないでしょうか。

奈良の労働局で、非常勤の職員を公募するのですが、新規で職員を募集したのではなく、すでに労働局で働いていた職員に応募させたというお話。

つまり、すでに奈良労働局で非常勤職員として働いていた女性に、数分間だけ公開した非常勤職員の公募に応募させたということ。要するに、非常勤職員は1年間の有期雇用契約なので、その期間を延長する目的で、再度、非常勤職員へ応募させた。

おそらく、非常勤職員の契約を更新したかったけれども、更新する前例なりルールが無かったため、後任を公募する際に、もう一度同じ人物に応募させ、契約を更新した場合と同じ効果を発生させるのが目的だったのでしょうね。

行政機関で非常勤職員がどのように取扱いされているのか詳細は分かりませんが、「この人に続けてもらいたい」と思っても、更新する根拠がないため、今回のような数分間だけの公募に応募させて、実質的に契約期間を更新させざるを得なかったのかもしれません。

不適切なことをしたとは思わないと話していますが、契約を延長させるためにやったことならば「不適切」とまでは言いにくい。


「すでに非常勤職員として働いているのに、何で非常勤職員の公募に応募するんだ?」と初めは思ってしまいましたが、契約期間を延長するためだと考えれば納得です。結果として、当事者である職員は減給されていますが、「特定の人に利益を与えている」と考える人もいるでしょうから、処分は妥当なところかもしれません。

非常勤職員の契約を更新できるような基準があれば、この手のトラブルは無くなるかもしれません。ただ、特定の人がずっと行政機関で非常勤職員を続けると、癒着や慣れ合いのようなものが発生すると思われているのか、あえて契約を更新せずに1年でスパッと契約を終わらせるようにしているとも考えられます。

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
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© 社会保険労務士 山口正博事務所