労働協約で会社が激変するわけではない。(Fri.20150227)


たかの友梨と労組が「マタハラ解決」宣言 「ママ・パパ安心労働協約」を締結
http://www.bengo4.com/topics/2708/

たかの友梨と労組が「マタハラ解決」宣言 「ママ・パパ安心労働協約」を締結|弁護士ドットコムニュースたかの友梨と労組が「マタハラ解決」宣言 「ママ・パパ安心労働協約」を締結|弁護士ドットコムニュース  



労務管理でゴタゴタしたエステ会社のたかの友梨ですが、ユニオンと労働協約を締結したとのこと。

労働協約は雇用契約とは違うもので、就業規則とも違います。雇用契約は会社と社員との間で締結するもの、就業規則は会社が作って社内に適用するものです。一方、労働協約は、会社と労働組合との間で締結するルールで、雇用契約や就業規則よりも強い効力があると位置付けられています。

マタハラを解決する目的で労働協約を締結したとなると、出産や育児関連の労務管理で何らかの変更があるのかもしれません。とはいえ、たかの友梨では、法定時間外労働に対する割増賃金の支払い、有給休暇の利用など、マタニティ以外の部分でも問題が起こっていたはずです。


たかの友梨が「究極のホワイト企業」に変貌
http://bylines.news.yahoo.co.jp/konnoharuki/20150221-00043235/

たかの友梨が「究極のホワイト企業」に変貌(今野晴貴) - 個人 - Yahoo!ニュースたかの友梨が「究極のホワイト企業」に変貌(今野晴貴) - 個人 - Yahoo!ニュース  

 


上記の労働協約を締結したことでもって究極のホワイト企業になったと評価する向きがあるようですが、判断するのは時期尚早です。

労働協約を締結しただけでホワイト企業になるわけではなく、その協約で決めた内容がキチンと現場の労務管理に反映されるかどうか。ここが重要です。

労働協約を締結したことでもってホワイト企業だと言ってしまうのは、例えるならば、英会話学校に授業料を払い込んだだけで英語を使えるようになったと錯覚するのと同じです。

英語の教材を購入したとか、英会話学校と契約して前払いのレッスン料を支払ったとか、実際にまだ効果を得られていないのに、それを得たように思ってしまう。「労働協約を締結した=ホワイト企業だ」という判断もこれに似ています。


実際に改善したかどうかは1年ぐらいは様子を見る必要があります。また、労働協約ではマタニティ関連のルールを決めたのでしょうから、それ以外の部分、残業や有給休暇に関する労務管理はどうなっていくのか。ここは分かりません。


ブラック企業、そしてその対義語のホワイト企業。これらは定義が不明朗だし、基準も未だにハッキリしていません。ブラック企業に関する話題が出てくると、「アイツ、生意気だから懲らしめてやろうぜ」という小学生のような感情が話題の礎になっているのではないかと思えてしまいます。

ウェブでアクセスを集めるならば、ブラック企業、ホワイト企業というワードを出せば良いでしょうが、どうしても卑屈というかルサンチマンというか、そういう陰湿な感じがするのが私は気になります。


ブラック企業となぜ戦おうとするのか。なぜ逃げないのか。

確かに、法律に違反する部分があるならば、正すべきと言うのがまともです。しかし、行動の結果、状況を正すことができたとして、労力に見合った成果を得られるのどうか。

仮にブラック企業というものが存在しているとしたら、それを追い払う最も良い方法は、自然に淘汰されるように促すことです。

人がいなくなり、商売が立ちゆかなくなり、市場から消える。

たかの友梨の場合も、会社側と社員側が対立して、モメたものの、ナンダカンダで結局はそれなりの解決をして会社は存続しています。会社と戦うということは、改善する猶予を与えることになり、結果として市場から企業を淘汰するチャンスをふいにしているのではないでしょうか。


私も、法律に違反していると思われる会社やお店で働いた経験がいくつもありますが、別に恨んではいないし、割増賃金を払えとか、そういう卑屈な考えは無いです。

「まぁ、あの会社はあんなもんだろう」、「あの店だから、あの程度のものだろう」と思うぐらいで、会社と戦う気持ちは無かった。とはいえ、昔は今ほど労務管理について知らなかったので、単に無知だったがゆえに何も考えていなかったのかもしれませんが。


ヘンな会社に遭遇しても、大したこと無いと思って、次のことを考えたほうが良いです。どんな仕事でもお金を稼げますから、「私はこの会社に居続けないといけないんだ」と思い込まずに、もう少し気楽に構えてはいかがでしょう。

エステの仕事でしたら、他の会社やお店でも能力を使える(ポータブルな能力)でしょうから、特定の会社でなくても、他に働ける環境はあるように思えます。


今は、評価や評判が商売にとって重要な要素になっていますから、ヘンな会社が出てきたら無関心や無視でもって相手にしなければ早晩そのような会社は消えていきます。

無関心や無視は、相手に最もダメージを与える攻撃方法ですので、企業を淘汰するにはこの方法が簡単で効果的なのではないかと私は思います。

山口正博 社会保険労務士事務所
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