book751(「労働時間管理台帳」が必要になる?)

新しく法定帳簿に追加されるかもしれない。


人を雇って仕事をしている会社では、労働者名簿や賃金台帳を備えている必要がありますが、さらに追加で『労働時間管理台帳』を将来的に作る必要があるかもしれません。

参法 第186回国会 1 労働基準法等の一部を改正する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18602001.htm

上記ウェブサイトの提出時法律案のリンクをクリックすると、法律案の内容を閲覧できます。


 第百七条の次に次の一条を加える。
  (労働時間管理台帳)
 第百七条の二 使用者は、各事業場ごとに労働時間管理台帳を調製し、各労働者について労働した日ごとに、始業及び終業の時刻、時間外及び休日の労働の時間数その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働省令で定めるところにより記入しなければならない。
  第百八条の次に次の一条を加える。


法律案の中に、労働時間管理台帳を調整するとの内容が追加されると書かれており、2015年1月5日時点で、まだこの法律は成立していませんが、将来の時点で労働基準法が改正され、実際に台帳を作る必要があるかもしれません。

労働時間の管理というと、タイムカードがよく知られていますが、タイムカードだけで時間を管理していると、働いている本人は後から時間を把握するのが面倒です。始業時間と終業時間が淡々と表示されているだけですから、休憩時間、法定時間外の労働時間、休日の労働時間、集計値などを把握しにくいのですね。

さらに、タイムカードは会社で管理されており、給与を支給する際にコピーを渡してもらえるわけではないし、給与を締めてカードを回収すると、もう自分の労働時間を確認することもできない。

私も学生の頃、「何で給与と一緒にタイムカードのコピーをくれないのか」と何度も思っていたのですが、どこの会社もタイムカードのコピーを給与と一緒に渡してくれるところはありませんでした。もちろん、これは法律で義務付けられていないので、会社としてはコピーを渡す必要はないのですが、後から確認するためにコピーを添付する方が親切だとは思いますが、現実はそうなっていません。

2015年の今でしたら、自分のスマホでタイムカードを撮影して保存することもできますが、10年前や20年前だとそういう便利な道具もありませんでしたから、記録を保存するのが難しい状況でした。


それゆえ、労働時間管理台帳を作り、働いている人が常に確認できるようにするため、労働基準法を改正しようとしているのでしょう。




すでに労働時間を管理する帳簿を作っている会社もある。


会社によっては、法律で決められるまでもなく、自主的に労働時間を管理する台帳を作っているところもあります。

始業時間、終業時間、休憩時間、休日労働の時間、法定時間外労働の時間、時間の集計値などが表示された書面を作り、本人が内容を確認できるようにしています。

タイムカードだけだと、どうしても情報不足ですし、カードがなくなると自分の勤務時間を知る方法がなくなります。


労働時間管理台帳というと、何だか硬い感じで、難しく厄介なイメージですが、後から労働時間の記録を確認できるようにするのが目的ですから、大げさなものを作らなくても足ります。

カンタンな方法だと、エクセルや Google spreadsheet などの表計算ソフトを使って、日時、名前、日毎の勤務時間、当日までの勤務時間の合計値などをズラズラっと表示したものをプリントアウトし、それを掲示するだけでも労働時間管理台帳になります。

勤務時間の内訳を書面化し、後から確認できるようにする。これが労働時間管理台帳です。

労働基準法が改正されるまで待つことはなく、今からでも会社で実行できますから、表計算ソフトを使って作るところから始めてみてはいかがでしょうか。





山口正博 社会保険労務士事務所
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