book750(休み無しで12日連続で勤務しても法律違反じゃない。)




労働基準法の休日ルールが変わるかも、、。


2014年も12月になり、衆議院選挙があったため、成立せずに未了扱いになった法律案がありましたが、労働基準法の改正も今年の国会で実施される予定でした。


衆議院 第186回国会 での議案に、労働基準法等の一部を改正する法律案がありました。

衆議院 労働基準法等の一部を改正する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18602001.htm

提出された法律案の内容
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18602001.htm

上記の法律案の中に、『第三十五条第一項中「少くとも」を「少なくとも」に改め、「休日を」の下に「直前の休日の翌日から七日以内に」を加え、同条第二項を削る。』という部分があります。

35条というのは、労働基準法35条のことで、休日に関する内容が書かれた条文です。


ちなみに、2014年12月の時点で、35条にはどんなことが書かれているか。

第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。


これを法律案通りに改正すると、

第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を直前の休日の翌日から七日以内に与えなければならない。
2 (削除)

という内容になります。


では、以前の内容と改正後の内容ではどのような違いがあるのか、説明しましょう。




毎週、確実に1日は休みがある状態になる。


まず、35条の1項から話しましょう。

古い方の内容は、『使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。』と書かれています。これは、1週間という期間内に1回の休日が確保されている必要があるということを意味します。

1週間に1回の休日でいいのですから、例えば次のような働き方もOKになります。

(1週目)
月曜日:休日
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:出勤

(2週目)
月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:休日

2週間のうち、休みは1週目の月曜日と2週目の日曜日です。その他は出勤ですので、12日連続で出勤日が続きます。「うへぇ、、こりゃあダルいゼ、、」と思うでしょうが、こういう働き方でも法律には違反しないのです。

「ええーっ!? 12日連続勤務なのに合法なの?」と反応する方もいらっしゃるでしょうが、確かに合法です。

もう1度、35条1項の内容を読んで下さい。『使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。』と書かれています。つまり、1週間に1回の休日があればOKなのだから、上記のような働き方でも35条1項には違反しないのですね。

とはいえ、このように働けるからといって、実際にこのような勤務シフトを組むような会社はあまり無いでしょうが、可能であることは確かです。


では、法律を改正したらどうなるか。

『使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を直前の休日の翌日から七日以内に与えなければならない』という内容に変わりますので、1週目の月曜日に休日を設定したら、その翌日の火曜日から7日以内、2週目の月曜日までには次の休日を設定する必要があります。

この改正によって、連続勤務が最大で6日までに制限され、12日連続勤務という無茶な勤務シフトは組めなくなります。

12日連続で勤務が可能という点はもう10年以上も前から放置されていて、2014年時点で、やっと変わりそうな状況になりました。これは良い改正です。


あとは、35条2項が削除されるとどうなるかという点ですが、以前は『前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。』と書かれており、4週間という期間で休日を配分できましたが、法律案通りに改正すると、この変形休日の仕組みは無くなります。

4週間という区切りが中途半端で、「なぜ1ヶ月じゃないんだ?」と何度も疑問に思っていましたが、スパッと削除する方が分かりやすいですね。


2014年12月26日時点で、まだこの法律案は成立していませんが、成立すれば休日のルールがシンプルで分かりやすいものになりますので、これは早く成立して欲しいですね。


余談ですが、衆議院や参議院は法律を審議して成立させる場所ですので、これらのウェブサイトで掲載されている法律案を見ると、制度がこれからどのように変わるのかを先んじて知ることができるので面白いです。興味のある方は、他の法律案も見てみると良いでしょう。裁判官や検察官の報酬も知ることができますよ。



山口正博 社会保険労務士事務所
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