地方で働けば、奨学金を肩代わりするよ。(Sun.20141221)

地元就職、奨学金の返済減免=学生支援で地方活性化へ―政府
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121900447&g=soc


 政府は19日、地方で就職する大学生向けに奨学金の返済を減免する制度を2015年度から始める方針を固めた。学生の奨学金返済を肩代わりするため、自治体と地元産業界が共同で基金を創設。自治体負担額の一部は国が地方交付税で手当てする。若者の地方離れに歯止めをかけ、地方の活性化につなげるのが狙い。年内にまとめる地方創生に関する総合戦略に盛り込む。
 奨学金返済を減免する対象には、大学院生や短大生らも含める。地方出身の学生のほか、地方での就職を希望する都市部の学生も利用できる。 


政府が実施主体なので、日本学生支援機構の奨学金が対象になるのだと思います。減免という表現だけでは中身が分かりませんが、おそらく地方で就職し、年数ごとに減免額が変わるような仕組みなのかもしれません。

例えば、返済する奨学金の総額が500万円だとして、就職1年目で50万円を減免、2年目も50万円というように1年毎に減免し、10年目で500万円全額が減免処理される。このような仕組みになっているのではないかと思います。

一括で減免せずに、ある程度、地方に定着することを条件に、減価償却のような仕組みで、一定額ずつ減免するのが現実的です。

特に、医学部や薬学部、法科大学院など学費が高い学校に行っていた人には有効な手段です。これらの学部の学生は借入額が多く、400万円や1,000万円ぐらい奨学金で貸与されている人もいるので、上記の減免制度を利用するインセンティブが強い。

一方、国公立の大学生の場合は、文系でも理系でも学費が安いので、あえて減免制度を使わなくても返済ができるでしょうから、上記の仕組みで地方に惹きつける力は弱いでしょう。

他にも、学校で実施するイベントや行事を手伝うと奨学金が減免されるとか、法学部の学生が大学で法律相談会を実施すると奨学金が減免されるとか、行政機関の業務に協力して奨学金を減免するなど、応用パターンは色々とあります。


政府だけでなく、企業でも似たようなことができそうな気がします。奨学金の借り入れがある学生に対し、入社して一定の年数にわたって勤務すれば、奨学金の返済原資を支給する。このような経済的インセンティブで学生を集めるのも一考です。

とはいえ、奨学金を肩代わりすることをニンジンにして、学生を集めると、おそらく、地方の労働局が介入してきて、「そういうのはダメ」と止めてくる可能性もあります。

人は経済的なインセンティブにはよく反応します。無料、半額、割り引き、クーポン、金券、減税、ポイントなど、カネに絡む要素を見つけると、行動を変えるのが人間ですので、奨学金の減免を条件に何らかのアクションを起こさせるのは悪くない方法です。


山口正博 社会保険労務士事務所
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