高卒の内定率はもっと高いかも。就職内定率98%の高校(Wed.20141217)

時事ドットコム:高卒就職内定率71%=全国で改善、20年ぶり高水準−文科省時事ドットコム:高卒就職内定率71%=全国で改善、20年ぶり高水準−文科省  



高卒と大卒では就職の事情が違います。卒業時に新卒で就職するという点は同じですが、高校生と大学生では就活の方法が異なり、公的データでは内定率71%と書かれていても、実際はもっと数値が高い場合もあります。

高校生が企業を選ぶときは、学校に集まった企業の求人票から選ぶのが主になります。就職課とか就職部のようなセクションが高校にあり、そこの資料室に求人票が集められ、学生はそこから希望の会社を選ぶ。これが高校生の就職です。

さらに、高校生の就職が変わっているのは、競争が起こらないようにしている点です。どういうことかというと、例えば、求人票で学生を3人募集している企業には3人の学生を応募させます。ここで1人とか7人のように過不足が生じないように高校の就職担当の人がすり合わせます。つまり、学生を求人に割り当てて、不採用になる学生を減らしているのですね。

人気の就職先だからといって、募集数が3人のところに27人とか31人が応募することはありません。需要と供給を一致させて、高校の内定率を引き上げる。こうすれば、学生の保護者からのイメージが良くなり、新しい学生も集まりやすくなります。これが高校生の就職です。

私が高校生の頃は、成績の良い生徒から就職先を選べるようになっていて、成績が良くないと残り物から選ぶことになる。そういうシステムでした。中間テストや期末テスト、あとは内申点などを考慮して、学生を序列化し、上の生徒から好きな就職先を選べるようになってしました。

学校が企業と学生をすりあわせ、就職を希望する人は全員が就職できるようにする。高校の就職担当の人が目的とするのはこれです。

私は普通科の高校ではなく工業高校に在籍していましたので、進学よりも就職する人が圧倒的に多かったですね。進学希望が1割、就職希望が9割。そんな感じでした。

工業高校のためか、企業からの求人も多くて、学生1人あたり3社ぐらいの割り当てがあったと記憶しています。学生数が240人だとすると、求人数が720人というイメージですね。

内定率も異常に高くて、希望者はほぼ全員就職できていたようで、たしか内定率98%ぐらいだったように思います。「ええ~っ!?」と思うかもしれませんが、実際はこんなもんです。

ニュースで紹介される数字をそのまま鵜呑みにすると、実際とは違っているかもしれません。


大学生だと自分で好きな企業にアプローチできるし、説明会への参加やエントリーシートの作成と提出も学生が自分で進めます。所属する学校によっては説明会に参加できないなど、人によっては排除されたりもするけれども、大学生には自分で選択できるという利点がある。

高校生の場合は多いと言っても限られた求人票から選ばざるを得ません。もちろん、高校に集まった求人から選ばず、自分で仕事を探したり、自分で商売を始めてもいいのですが、そういう学生は少数でした。


高校生は管理的な就活、大学生は自主的な就活。どちらがいいというわけではないですが、同じ学生でも事情が異なります。


就職内定率だけを単純に比較すると、さも大卒者の方が就職しやすいように錯覚してしまうが、実際は高卒者の方が内定を得やすい場合もあり得ます。私のように、工業高校に在籍している人ならば、大卒の人よりはずっと内定を得やすいはずです(選択肢は限られるが)。

「大卒のほうが就職しやすい、高卒は大卒に比べて就職しにくい」と単純に考えると、実態を判断を誤るかもしれません。

 

(参考)

平成26年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062596.html
平成26年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062605.html






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