セキュリティチェックのための待ち時間は勤務時間なの? (Mon.20141215)

Amazon倉庫の労働者がセキュリティチェックで拘束される時間は勤務時間対象外との逆転判決が下る - GIGAZINEAmazon倉庫の労働者がセキュリティチェックで拘束される時間は勤務時間対象外との逆転判決が下る - GIGAZINE  

Amazon倉庫に勤務する従業員が「倉庫を退出する時に課せられるセキュリティチェックで長時間待機させられる時間は勤務時間なので残業代が支払われるべきだ」として訴えた裁判で、米連邦控訴裁判所が残業代の支払いを認める判決を下したためAmazonは上訴して内容を争っていました。最高裁まで持ち込まれて争われてた裁判は、「セキュリティチェックは勤務時間対象外なので残業代の支払いは不要」という逆転判決で幕を閉じました。

(中略)

時間厳守のAmazon倉庫現場ですが、セキュリティの厳しさも有名で、作業員が商品を倉庫外へ持ち出さないよう徹底した管理体制が敷かれており、作業員は食事休憩や帰宅するときには必ず金属探知機のゲートをくぐる必要があります。今回の裁判では、この金属ゲートをくぐらされるセキュリティチェックの時間が勤務時間にあたるのかどうかが争われたというわけです。

米連邦控訴裁判所では、「セキュリティチェックに25分もかかることがある」「毎日毎日、帰宅する際にセキュリティチェックで拘束された時間には残業代が支払われるべきだ」とする原告の労働者側に対して、被告のAmazonは「セキュリティチェックは90秒で済むもので、順番待ちなどなかった」と反論しましたが、米連邦控訴裁判所は2013年4月に「セキュリティチェックで拘束される時間は勤務時間内であるため残業代が支払われるべき」と労働者勝訴の判決を下しました。

しかし、Amazonが上訴したため決着が持ち越された最高裁判所での最後の闘いでは、最高裁判所は一転、「セキュリティチェックは勤務時間外なのでAmazonに残業代支払義務はない」とする原告敗訴の逆転判決を下しました。この勤務時間にあたらないという根拠は、「勤務時間と言えるためにはその作業が業務遂行上、『本質的な要素』である必要があるところ、セキュリティチェックは本質的な要素にはあたらないから」というものです。



会社を出るときに持ち物のチェックをされるのはAmazonだけではありません。物を取り扱う店、物品販売系の仕事をしている人だと経験があるのではないでしょうか。

上記ではAmazonの倉庫業務に携わる人がセキュリティチェックを受ける際の出来事ですが、小売店で働いている人ならば、従業員出入口付近でカバンの中を見せたりしているはずです。

ただ、セキュリティチェックといっても、どこの会社でも実施しているわけではなく、小売業であり、社員数が多い会社ならではの仕組みです。小規模なお店だと、何もしていないか、たまに抜き打ちでチェックする程度ではないかと思います。


私も有名な雑貨チェーン店で働いていた時は、セキュリティチェックがありました。仕事が終わり、服を着替え、外にでるとき、従業員入り口で、自分のカバンやリュックの口をカパッと開けて、ガードマンが中をザッと見る。必要な時間は1秒です。

たまに抜き打ちでカバンの中を全品チェックするとのことでしたが、私は一度も経験したことがありませんでした。カバンの中身はプライバシーに関わるモノが入っていることも多いでしょうから、あまりホイホイと中身を詮索しにくいという事情もあるでしょうね。


今回は、セキュリティチェックに時間がかかるので、その時間を勤務時間に含めるかどうかが焦点です。

私の場合は、人が多い職場だったので、持ち物をチェックされる人も多かったけれども、待つ時間なんてほんの数秒程度でした。チェックする人が3人か4人いたので、チェック待ちすることはまず無かった。並んで待つことはなく、チェックする場所に行けば、すぐにチェックしてもらえ、数秒で外に出られます。だから、チェックに要した時間を勤務時間に含めるなどとは思いもよらないことでした。

Amazonでの環境がどのようなものかは分かりませんが、1人あたりに要するセキュリティチェックの時間は多くても10秒程度でしょうから、待ち時間が発生していたとなると、従業員数が多いにもかかわらず、セキュリティチェックのゲートが1つしかないのが原因だったように想像します。

金属探知機ということは、空港にあるような探知ゲートを通るとか、ハンディタイプの金属探知機を使って上から下まで手作業でチェックしているのか、それともチェックが厳重すぎて時間がかかっているのか。何かがボトルネックになって渋滞が発生しているのでしょう。

Amazonではセキュリティチェックに90秒も必要なようで、随分と厳重な手順のようです。カバンの口を開けて見せるだけのセキュリティチェックとは違うのでしょう。

手順を簡略化するか、チェックゲートを増やすなりしてチェックの時間を短縮するのが解決策になります。


「勤務時間と言えるためにはその作業が業務遂行上、『本質的な要素』である必要があるところ、セキュリティチェックは本質的な要素にはあたらないから」という部分がありますが、この判断は妥当です。

セキュリティチェックそのものは仕事ではないし、業務を構成する重要な要素ではないので、勤務時間から除外するのは妥当な判断です。


「セキュリティチェックに25分もかかることがある」

どういう状況で25分なのかが分からないので、判断しにくいですが、1人をチェックするために25分もかかっているわけではないので、おそらくセキュリティチェックのゲートで渋滞が発生し、その待ち時間を含めて25分になったのだろうと推測します。

25分ということは17人ぐらいが列を作って待っているような状況なのでしょうから、やはり手順を簡略化するか、チェックゲートを増やし処理能力を上げて時間を短縮する必要があります。

勤務時間に含まれないからといって「時間がかかっても良いだろう」というのはイヤラシイ考えですし、対価を発生させていない時間なので、なるべく短時間で終わらすべきでしょう。



山口正博 社会保険労務士事務所
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