就活受験料、復活。応募書類を半減させたドワンゴの施策(Wed.20141112)


ドワンゴ、新卒入社で受験料3,000円を徴収 前回は期待通りの結果
http://kai-you.net/article/10360

ドワンゴ、新卒入社で受験料3,000円を徴収 前回は期待通りの結果ドワンゴ、新卒入社で受験料3,000円を徴収 前回は期待通りの結果  

ニコニコ動画をはじめとした、日本最大級の動画サービス「niconico」を運営する株式会社ドワンゴが、2016年度の新卒入社試験における「受験料制度」の実施を発表した。

2015年度は「ニコニコ動画」にちなんで2,525円を徴収していたが、2016年度は首都圏在住の受験生を対象に3,000円を徴収する。

これは1次試験である書類選考までに実際にかかる費用として算定した額である約6,000円を、ドワンゴと受験生で半分ずつ負担した金額となる。

また、2015年度に徴収した受験料の総額1,656,400円は「独政法人 本学生援機構」に寄与する予定だったが、行政指導を受けたことで同機構と協議の結果、中止することに。今回の2016年度においても受験料の寄与は行わないという。

2015年度の新卒採用において、前代未聞となる受験料(2,525円)制度を導入したドワンゴ。

これは大量エントリーと呼ばれる、1人の就活生が100社以上も入社志望書を送るような、現在の就活シーンの変革を狙った施策。

本当に入社したい人にエントリーしてもらえるように、集まった応募者ひとりひとりの潜在的な能力をしっかりと見極めるための施策だった。

しかしこの流れにあやかり「ドワンゴを受験した人には2525円を付与する」などといった制度を導入する企業が現れ、2014年8月には東京労働局より、翌年以降は実施しない旨の行政指導を受けるなど、予想以上に社会的な波紋を呼んだ。

今回の発表によれば、2015年度の「受験料制度」は結果的に成功。応募者が減少するで、前年と変わらない数の内定者を出すことができ、さらに内定辞退者も減少。期待通りの結果を得ることができたという。


人材を応募している企業があるならば全部応募しちゃえ。そう考えて数えきれないほどの企業にエントリーして、「数撃ちゃ当たる」感覚で就活に取り組む学生に困っている企業も少なくない。

知名度が高くなると、学生から注目され、人材を募集すると採用する予定の枠を超えてエントリーが集まり、採用担当者を四苦八苦させる。テレビCMなどで露出が多い企業はどこも似たような状況でしょう。

どうしてもその環境で働きたいという学生に限ってエントリーして欲しい。そのために、ドワンゴは就活に受験料を設定していました。2013年の12月にネットのニュースで紹介されたのですが、「おぉ、良い方法を考えたな」と思ったものです。

ドワンゴ、新卒入試で受験料を徴収へ--「本気の方だけ受験してほしい」 - CNET Japanドワンゴ、新卒入試で受験料を徴収へ--「本気の方だけ受験してほしい」 - CNET Japan  



2015年度の採用で実際に受験料を設定して、その結果が掲載されています。書類応募の数は前年比でザッと半減し、内定を承諾する人が約1.2倍に増えています(参考:http://kai-you.net/article/10360)。

書類の応募数を半減できたということは、「とりあえずエントリー学生」を排除できたと言ってもいいでしょう。その気のない人はちょっとでもメンドクサイ要素があるとパッと離れますから、程よく応募者をフィルタリングできています。『期待通りの効果』と書かれていますが、実際は期待以上の効果だったはず。僅か2,525円の料金を設定するだけで応募書類が半分に減ったのですから、効果は申し分ないでしょう。


ただ、良い方法だと思っていたものの、東京労働局から指導を受けてヤメてしまうのかなと思っていたのですが、再チャレンジしてきましたね。めげないでリトライするところがIT企業らしくて好感を抱きます。


前回とはちょっと内容を変更し、今回は行政指導されないように工夫しているようです。書類選考までに要する費用を受験料という名目で集めるようにしており、「実費を徴収している」という形にして指導を回避するのでしょう。

おそらく、去年、「実際に要した費用を徴収するのは構わないが、純然と受験料を徴収するのはダメ」と東京労働局から指摘されたのかもしれない。


他には、独立行政法人に寄付するという形ももダメだったのでしょうか。公的な組織に寄付するとなると、何か癒着的なものを想定して指導されたのかもしれません。ということは、集めたオカネは、物議を醸しそうなケースを除き、どのように使っても良いということでしょうか。


以前も書きましたが、集めたオカネは、採用された人を対象に実施する歓迎会で使うのが良いと思います。新卒採用となれば、ナンダカンダとイベントを設けるでしょうし、その中に新入社員歓迎会のようなイベントがあっても不思議ではありません。

歓迎会で実施する何らかのゲームの景品を購入するために使うとか、当日の飲食費に充当するとか、使い方は創意工夫の余地があります。とはいえ、受験料は「実費を徴収する」という体裁ですから、採用経費として組み込むだけで終わる可能性もあります。





山口正博 社会保険労務士事務所
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