book737(その休日出勤は本当に休日出勤なの?)

 

「休みの日に出勤=休日出勤」とは限らない。


出勤日ではなく休みの日に、何らかの理由で出勤することになった場合、おそらく多くの人は「それは休日出勤だな」と考えるはず。

確かに、休みの日に仕事をするわけですから、休日出勤と表現して間違いないはずです。表現上は何も問題ありません。

しかし、労務管理で休日出勤と表現する場合は、意味が2つあります。

1つは、法定休日出勤。もう1つは、法定外休日出勤です。


法定休日は、労働基準法35条1項に書かれている、1週間に1回の休日のことです。この休日に仕事をすれば、それは法定休日出勤になり、割増賃金も必要になる。

一方、法定外休日というのは、法定休日に該当しない休日のこと。例えば、1週間に3日出勤(勤務時間は1日5時間と仮定)するパートタイマーの人(今回は、藤田さんという人物だと仮定)がいて、出勤日が日曜日、月曜日、土曜日だったとします。この場合、休日は、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日の4日です。この4日の休みのうち、1日分は労働基準法35条1項の法定休日になり、残りの3日分は法定外休日になります。

では、藤田さんが休みの日である木曜日に出勤した場合、休日出勤になるかどうか。




労働基準法の休日、会社と社員が決めた休日、この2つは違う。


休日出勤には割増賃金が必要だ。そう思っている方もいらっしゃるはずです。労働基準法37条には割増賃金について書かれていますから、休日に労働した場合は割増賃金が必要だと思えます。

しかし、割増賃金が必要な休日出勤は、労働基準法上の休日に出勤した場合であって、それ以外の休日に出勤した場合は割増賃金は必要ないのです。

先ほどの藤田さんの例を使うと、木曜日は休日であり、その日に藤田さんは出勤したので、言葉上は休日出勤になりますけれども、割増賃金が必要な休日出勤ではありません。

なぜかというと、木曜日が出勤日に変わっても、他の日、つまり火曜日、水曜日、金曜日の3日は休日ですから、この3日のうち1日が労働基準法35条1項の法定休日として扱われ、木曜日は割増賃金が不要な法定外休日労働になるのです。


休日の違いについてはここまでにして、藤田さんは、木曜日に出勤することになり、その日は仕事上の都合で、仕事の時間は6時間になったとします。さらに、木曜日の休日がなくなってしまったので、代わりに翌週の月曜日を休みにした(振替休日です)。


【今週の出勤日】

日曜日
月曜日
木曜日(ただし、5時間ではなく6時間勤務)
土曜日


【翌週の出勤日】

日曜日
土曜日


ここで、木曜日の賃金がどうなるのかが疑問になるところです。

普段は5時間勤務だが、木曜日は6時間勤務になっていて、いつもよりも1時間多い。さらに、休みだった日に出勤しているので、一応ながら休日出勤です。

この場合、木曜日の賃金は、翌週の月曜日に休日を振り替えていますが、6時間分を支払います。また、割増賃金は、木曜日が法定外休日なので、不要です。


労働基準法の休日。会社と社員の間で決めた休日。この2つの違いはキチンと分けて知っておきたいところです。





山口正博 社会保険労務士事務所
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