使い捨てされるから、あなたに価値がある。(Tue.20140930)

 

「社員を使い捨てにする会社」の見分け方 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース BUSINESS「社員を使い捨てにする会社」の見分け方 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース BUSINESS  


 メディアで盛んに使われるようになった ブラック企業 の定義は曖昧で、反社会的な集団と関係のある企業を指す場合もあれば、「残業が多い」「休日出勤がある」という程度の理由でブラック企業と呼ぶような場合もある。
ここでは、長時間労働や過重なノルマを課し、従業員のキャリアプランを考えずに使い捨てにするような企業の見分け方について説明していきたい。

 Q1:面接にはどのような特徴がありますか。

 基本的に、面接官は感じがよくてやさしいこと多いです。圧迫面接のような厳しい質問はほとんどないでしょう。いわゆる ブラック企業 は社員という消耗品を欲しています。とにかく入社させるために、親切にやさしく接してきます。しかも、1~2回の面接で内定が出ることがあります。

(中略)

初任給30万円超はありえない



 Q2:募集要項などから問題のある企業を判別できますか。

 初任給が30万円を超えていたら、おかしいと考えてください。『就職四季報』の初任給の欄を見ると分かりますが、初任給が30万円を超えている企業はほとんどありません。

 業種別年収トップは総合商社ですが、その総合商社の大学院卒の初任給でさえ25万円に達していません。初任給が30万円を超えるような企業は、業務が肉体的にも精神的にも苛酷なために初任給が高く設定されていることが予想されます。また、実は長時間残業をすること、かなりの高い成績を上げることを前提として高額の初任給をうたっている可能性もあるので、見極める必要があります。
 
 
(中略)

3年後離職率が3割超の企業に注意しよう



 Q3:どのようなデータから、問題のある企業を判別できますか。

 学生間のウワサやネットへの書き込みだけで、問題のある企業かどうかを判断することはおすすめできません。新設会社でない場合には、過去の実績データをみることが重要です。

 まずは、『就職四季報』に掲載されている「3年後離職率」をチェックしてください。3年前に入社した新卒者が3年間でどの程度辞めたのかを表します。厚生労働省の「職業安定業務統計」によれば大卒で就職した人の3割が3年以内に退職しているので平均値は3割程度と考えられます。そのため3割を大きく超えるような企業には注意してください。

 そのほかに【離職率と離職者数】も見てください。【離職率】とは、1年間に会社全体でどのくらいの社員が退職しているかを示します。リストラなどの特殊要因がない場合は、5%を超えると高い水準です。

 さらに【男女別従業員数、平均年齢、平均勤続年数】の中の平均勤続年数も確認してください。多少給料が安くても居心地がよければ社員はなかなか辞めません。「平均勤続年数」が長ければ、働きやすい会社であると判断できます。

 この欄を見るときには、全体の平均年齢だけでなく、男女別もチェックして下さい。男性の「平均勤続年数」が長くても、女性が短ければ女性にとって働きにくい職場環境なのかもしれません。

 【月平均残業時間と支給額】で残業時間を見ておくことも重要です。1カ月に30時間としても毎日、1時間超の残業時間となります。30時間を超えている企業は残業が多いと言えます。

 「有休消化年平均」とは実際に取った有給休暇の日数です。会社の規則で付与された有給休暇の日数ではありません。会社のHPやパンフレットに有給休暇日数が書いてありますが、その日数分休むことができる会社は少ないです。日本企業の平均は約10日。これが極端に少ない会社は、社員をこき使う会社かもしれません。
 



会社から自分が使い捨てにされたら、確かに気分の良いものではないかもしれない。最近は、ブラック企業だとか、残業代未払いだとか、過労死だとか、労務管理に関するニュースがチラホラと出てきて、それらのニュースは印象の悪いものが多い。

「使い捨てされる社員」という言葉を目にすると、「ヒドイ」、「許せない」、「そんなのはダメだ」と反発する気持ちになるのは自然な反応です。しかし、使い捨てされるということは、使われているということ。使われているということは、あなたに価値があるから。価値があるから、会社はあなたを使いたがる。こう考えれば、使い捨てもあながち悪いばかりではない。

もし、使い捨てられない人がいるとすれば、それはその人に価値がないということ。つまり、価値がない人は使い捨てされない。

「他の人で代替できないような人は使い捨てされないんじゃないか?」、「職位が上の人は使い捨てされないんじゃないか?」、「平社員は使い捨てされるけれども、管理職は使い捨てされないんじゃないか?」、このように思うかもしれませんが、どんな人間も使い捨てされます。

どんな人間もなぜ使い捨てにされるかというと、人間には寿命があるから。死んでしまえば働けなくなるし、病気で働けなくなる人もいるし、怪我で働けなくなる人もいる。もし、不老不死の人間がいるとすれば、その人はおそらく使い捨てされないと思います。永遠に価値を生み出し続けられるのですから、企業はその人を使い続けるでしょう。

使い捨てされない身近な例は、インターネットでしょう。PCやスマホは使い続けると故障したり壊れたりするので使い捨てにされるでしょうが、インターネットそのものは故障しないし壊れもしない。だから、人はインターネットを使い捨てにせず、ずっと使い続ける。



よく知られている定年退職は、典型的な使い捨て手段です。定年退職に対してネガティブなイメージを抱いている人は少ないでしょうが、これも人を使い捨てるための手段です。「定年、おめでとうございます」と本人に伝え、さもおめでたいことのように祝ってしまうのですが、捉え方を変えると、「アナタはもう用なしです」と言っているようにも思える。

古くなったものを捨てて、新しいものと入れ替える。古くなったシャツを捨てて、新しいシャツを買う。古くなったテレビを捨てて、新型のテレビを買う。まだ使えるiPhoneを下取りに出して、新型のiPhoneを行列に並んで買う。

人間は普段から使い捨てすることに慣れています。しかし、自分自身が使い捨てにされると、なぜか反発する。不思議でしょう?

人間がモノに対して行っていることを、今度は人間に対して行う。つまり、対象が変わっただけなのです。

社員が使い捨てされるように、会社もまた使い捨てにされます。社員が何らかの都合で会社を辞め、他の仕事を始めれば、在籍していた会社は使い捨てられたことになります。あえてここで使い捨てという言葉を使うのは適切ではないかもしれませんが、会社が社員を使い捨てる場合と、社員が会社を使い捨てる場合は似ています。



数回の面接でアッサリと採用されると、その会社は社員を使い捨てにする会社だと判断されるようですが、フルタイムで働きたい人には都合が良いはず。門戸の狭い会社に入り込むために苦労するよりは、サッと入れる会社に入って仕事を始める方が有意義かもしれません。

2014年現在では、希望の会社に入れず就職留年する大学生がいるようですが、就職のために留年したことは書面で分かりますから、新卒と同じ条件で応募できるとは限らない。就職のために、半年や1年、大学での在籍期間を延ばすよりは、早く仕事を始められる環境に入り込んだほうが精神的にも経済的にも楽なのではないかと思います。

同期の人たちがいなくなった大学に自分だけがポツンと残って就活を続けるなんて、何も面白くないし、寂しいだけです。


中間管理職は人員削減されるかもしれないし(経営者に使い捨てにされる)、経営者は株主に解任されるかもしれないし(株主に使い捨てにされる)、中小企業の社長は倒産で夜逃げしないといけなくなるかもしれない(銀行に使い捨てにされる)。

働いていれば、誰しもが使い捨てにされる可能性があり、新卒の学生だけではないのです。


もし、本当にダメな会社ならば、人がいなくなり、会社も消えていくので、取り立てて対処すべきものでもないと思います。





山口正博 社会保険労務士事務所
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