朝型勤務で残業は減らない? (Mon.20140929)




朝型勤務化でも「残業」減らない?
http://topics.jp.msn.com/wadai/r25/article.aspx?articleid=5887193


9月17日からYahoo!意識調査行われている「朝型勤務、してみたい?」という調査の途中結果では、「してみたい」が59.3%、「したくない」が40.7%(9月19日8時30分時点)。数字は「してみたい」という人が「したくない」人を上回ってはいるものの、ツイッターには、

「朝型勤務にしても残業が減るわけないだろ!いい加減にしろ!!!」
「どうせ22時まで残業させられる流れは変わりようがないんだから10時出勤にして労働時間を短縮せよ」
「来る時間が早くなって帰る時間は変わらず残業だけが増える。
どうせ推奨するのなら、定時出社定時退社にしてほしい。。。」

と、仕事の量が減るわけではないため、残業時間削減にはつながらないのではないかという見方があがっているほか、

「早出だって残業の一種ではないの?」
「早朝から保育園に子供連れて行くの?小学生の送り出しは?無理ばっかり言わないで」

という疑問も。また、

「時間に縛られない労働環境が一番良い。朝早い方がいい人もいれば、夜型の人もいる」
「人それぞれではいけないのか?なぜ一律?自分は朝早くしているが、夜型もいるだろうに。遠距離通勤もいるんだぞ」

などという意見も投稿され、結果的に「仕事」と「生活」のバランスが崩れる可能性が懸念されている。

画一的に朝型化を推進すると、多種多様な事情を抱える人たちが働きづらくなる可能性はある。大切なのは、効率よく働き、労働時間の削減を実現すること。政府主導の「朝型勤務」「残業禁止」の効力に注目だ。




以前、伊藤忠商事での朝型勤務の例について書きましたが、この朝型勤務、好みが分かれるのかもしれません。

 

www.growthwk.com

 

 

「朝型勤務にしても残業が減るわけないだろ!いい加減にしろ!!!」
「どうせ22時まで残業させられる流れは変わりようがないんだから10時出勤にして労働時間を短縮せよ」
「来る時間が早くなって帰る時間は変わらず残業だけが増える。どうせ推奨するのなら、定時出社定時退社にしてほしい。。。」



始業時間を早めても、終業時間が変わらなければ、かえって勤務時間が延びてしまい、意味が無いと感じるのでしょうね。

確かに、仕事を始める時間はキッチリしているけれども、終わる時間はルーズなのが多くの職場での特徴で、このような環境で朝型勤務を導入しても、意味が無いと考えるのは当然のことです。

朝方勤務に切り替えたら、仕事を終える時間も前倒しして、あらかじめ決めた時間をオーバーしないように運用する必要があります。


「早出だって残業の一種ではないの?」
「早朝から保育園に子供連れて行くの?小学生の送り出しは?無理ばっかり言わないで」



早出も残業じゃないのかという指摘は鋭いです。所定の始業時間よりも早く仕事を始めるならば、確かに早出は残業です。所定労働時間を変更せずに朝方勤務を導入すると、「早出も残業だ」と指摘されます。所定労働時間そのものを前へシフトさせないと、朝方勤務にはなりません。


早朝から保育園という指摘も、確かにマトモな指摘です。朝の6時30分とか7時だと、まだ保育園が開いておらず、子供を連れて行っても中に入れてもらえないでしょう。そのため、保育園や幼稚園に子供を入れている親にとっては、朝方勤務に切り替えるのは難しいでしょう。

この場合は、対象者を就業規則などで指定し、本人の希望で選択できるか、子供がいるなどの事情がある人は対象外にするなど、少し調整が必要です。


「時間に縛られない労働環境が一番良い。朝早い方がいい人もいれば、夜型の人もいる」
「人それぞれではいけないのか?なぜ一律?自分は朝早くしているが、夜型もいるだろうに。遠距離通勤もいるんだぞ」



確かに、時間を基準に仕事をするのを嫌がる人もいらっしゃるはずです。時間で仕事の内容を判断できる仕事ばかりではないですし、2014年現在では、時間と報酬が連動しない仕事も増えています。そのため、労働基準法に基づいて、時間と仕事をガッチリとリンクさせて働くと実態に合わない場面も出てきます。

あまりに朝早くだと、遠距離通勤の場合、まだ始発電車も走っていないので、職場に行きたくても行けない人も出てきます。もし、電車で片道1時間だとすると、6時30分に職場に到着するには、5時頃の電車に乗る必要がありますが、鉄道会社によってはまだ電車が走っていない可能性もあります。

朝方勤務を望む人はそうすればいいし、通常通りの勤務が良い人はそうすればいい。全員一律に朝方勤務に変えなくてもいいんじゃないか。そう思う人もいるでしょうね。

2014年9月の段階では、「全員一律に朝方勤務に変えなければいけない」と決まっているわけではなく、就業規則で対象者を分けても良いですし、フレックスタイム制を利用すれば、始業時間を本人が決められるので、上記のような不満を回避できます。


朝方勤務はサマータイム制に似た仕組みですが、フレックスタイムを利用するのが妥当だと私は思います。本人が始業時間を決められるし、通勤ラッシュも回避できるし、一石二鳥です。


勤務時間を減らすならば、法定労働時間を、例えば現行の1日8時間から6時間に短縮して、強引に勤務時間を圧縮させる方法もあります。ただ、この方法で対処したとしても、おそらく残業はほとんど減らず、割増賃金を増やすだけに終ってしまう可能性があります。

通信インフラが充実して、在宅勤務が可能な人も増えつつあり、勤務時間を短縮することは難しくないように思えますが、便利になればなるほど、もっとやれるだろうと考え、ドンドンと仕事を増やしてしまう。そのため、以前と同じ仕事を短時間で終らせることができるようになっても、勤務時間は減らない。

便利な環境ができあがると、人はその便利さを織り込んでしまい、余暇を生み出すのではなく、より多くの仕事を生み出してしまう。


朝方勤務を実現するには、企業の自主規制がセットになっている必要があります。


山口正博 社会保険労務士事務所
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