book735(会社を休んだら、医師の診断書を提出する?)



風邪でも診断書が必要なの?


就業規則に、「傷病のため継続して __日以上欠勤するときは、医師の診断書を提出しなければならない」と書かれている会社はどれぐらいあるのでしょうか。

病気や怪我で仕事を休むとなると、病院で治療なり診察なりを受けて、クスリを貰い、自宅にかえって大人しく寝る。そんな状況になりますが、事後に、会社へ診断書を提出する会社があるかもしれません。

ちなみに、私も、学生の頃から、色々な会社で仕事をしましたが、一度も診断書を提出するように求められたことはありません。風邪で休んだことは何度もありますし、幸いにも怪我で休んだことは無いように記憶しています。


ちなみに、上記の規定は、厚生労働省の就業規則サンプルに書かれている内容です。

モデル就業規則 平成25年3月 厚生労働省労働基準局監督課  p20
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/model/dl/model.pdf


キッチリと、何日以上で診断書を提出すると決めている会社もあるでしょうが、就業規則があってもこのような規定がない会社もあるでしょうし、そもそも就業規則が無い、もしくはあったとしても形だけという会社もあって、対応はバラバラです。




なぜ診断書が必要なの?


医療機関に勤めている人だと、患者のカルテなり診断書なりを見る機会があり、そこに書かれている内容も理解できるのでしょうが、一般の人が診断書を見ても、それらしいことが書かれているだけで、それ以上の情報は得られないでしょう。

おそらく、傷病で仕事を休んだ際に診断書を提出させるのは、ズル休みや仮病でないかどうかをチェックするためです。診断書の提出を求められれば、心理的にはズル休みしにくくなりますから、ある程度の抑止力のようなものを発揮できるのかもしれません。

また、人によっては、病院に行かず、自宅で休んでいた人もいるはず。風邪ぐらいならば、ドラッグストアで売っている総合感冒薬を飲んで寝ていれば治ると考える人もいるでしょうから、このような人の場合、診断書を用意しにくい。もちろん、1回だけ病院やクリニックに行って、診断書だけをササッと作ってもらうこともできるのでしょうが、お金と手間がかかります。

仮に、ズル休みであっても、欠勤で給与は控除されるでしょうし、有給休暇が残っていればそれを充当することもできるので、あえて診断書を提出させてズル休みチェックをする必要はないのではと思います。

医療機関同士で患者の情報をやりとりするならば、診断書も有効に活用されるのでしょうが、一般人がそれを見ても、医療知識はありませんから、せいぜいズル休みかどうかをチェックする程度でしか診断書の使い道がありません。


私は、19歳のとき、髄膜炎で病院に5日間、入院した経験がありますが、その時も診断書は不要でしたし、後から診断書を提出せよとも言われなかった。休むとの電話連絡だけで足り、それ以上に何かを提出するように求められたことはありませんでした。

他の会社でも、1日とか3日、病気で休むこともありましたが、そこでも診断書は不要でした。

もちろん、数日の休みならば診断書は要らないけれども、7日以上になれば必要だとか、10日以上の場合は必要というように、休みの日数がある程度長くなる場合には診断書を求めるという対応方法はあり得ます。他にも、傷病時、会社独自に、何らかの給付があるとか、特別休暇を取得できる場合には、やはり診断書のような書面が必要になる場面も想定できます。

何のために診断書を求めるのか。それ次第で就業規則の規定が活きるかどうかが分かれます。





山口正博 社会保険労務士事務所
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