職場でお菓子をモグモグ。(Fri.20140808)




オフィスの置き菓子サービス好調 マナーを守れば業務活性化
http://www.news-postseven.com/archives/20140713_265582.html



 仕事に疲れたとき、甘いものを口にすると心身ともにほっとするものだ。今、オフィスで菓子や軽食を取りたいという需要を取り込んだサービスが拡大している。江崎グリコが展開する「オフィスグリコ」やファミリーマートの「オフィスファミマ」などの、無人販売サービスだ。3時のおやつを皆で取る風景は今や昔。忙しいビジネスマンの小腹を、満たしたいときに満たすサービスが仕事の効率を上げているようだ。
 
 路上の野菜売りを参考に、2002年からサービスを始めたオフィスグリコ。菓子の専用ボックスにはクッキーをはじめ、グリコの菓子に限らない様々な菓子が入っており、商品はすべて1個100円だ。専用ボックスには、カエルが口をあけたどこか懐かしい集金箱が付いており、週一回程度、専任スタッフが商品の入れ替え、補充、代金の回収等の管理を行う。
 
 この“置き菓子”サービスは現在、都心部を中心に約12万台の専用ボックスを置くが、3年で3割増やし、約16万個にする計画だという。



置き菓子は、「家庭に置いている置き薬」と「畑のそばで売っている無人の野菜販売所の仕組み」を応用したサービスです。

最近は自宅に救急箱を置いている家庭は少なくなっているはずです。ドラッグストアがコンビニのようにアチラコチラで営業していますし、イオンやドン・キホーテでも薬を買えますから、あえて自宅に薬を入れた箱を置く必要がなくなりました。

定期的に訪問して、使った分だけ薬を補充する。薬局か病院に行かないと薬を手に入れられなかった頃には便利なサービスだったはずです。20年とか30年ぐらい前、1980年代の状況ならば薬箱サービスを利用する人もいたのでしょうが、2014年の今は環境が変わりました。

上記のニュースでは、路上の野菜売りを参考にして設計されたようですが、私はに薬箱サービスがベースになっているように思えました。その場で箱にお金を入れる部分は野菜売りの仕組みですし、売れた分だけ補充するのは薬箱サービスの仕組みですから、両者の仕組みを組み合わせたものが置き菓子サービスなのでしょう。



誰が補充するのか

補充するのは専任スタッフと書かれていますが、グリコの社員なのか、それともグリコが外部に委託した会社の人なのか、それとも顧客企業の備品を管理する社員なのか。ハッキリとは分かりませんが、メーカーのスタッフにお菓子ボックスを管理させたら、費用がかかりペイできないのではと思います。

扱う品物が薬ならば利益が多いですから、多少の手間がかかっても商売としてやっていけます。しかし、1個で100円のお菓子が商品ですから、あまり手間をかけるわけにもいきません。お菓子1つ当たりの原価は数円から15円程度でしょうから、粗利率は高いものの、利益の絶対額が少ないので、薄利多売型の商売になります。

そのため、1件あたりの利益は少ないから、たくさんのオフィスにおいてもらえるように顧客を増やす必要があります。2002年から2014年現在で12万台のお菓子ボックスを設置しているようですので、やはり数がキモになっていると思われます。

専任スタッフがどんな人かは分かりませんが、顧客企業の社員に管理させればラクではないかと思います。週に1度、減ったお菓子をメーカーに発注し、箱に入れて送ってもらう。そして、備品を管理する人がお金を回収しお菓子を補充する。そして、そのお金で次の発注を行う。つまり、お菓子ボックスという小さな駄菓子屋を営業するような形にすれば、スタッフが巡回することも不要にできそうです。




どんなお菓子があるのか

おそらく、かさばるスナック菓子はストックしていないはずです。お菓子ボックスは小さいプラスチックケースのようですから、ハイチュウやブラックサンダー、ガム、グミ、チョコレート、飴など小物菓子がメインのはずです。

ポテトチップスやカールを入れてしまったら、それだけでケースがパンパンになってしまいますから、袋が大きくなるスナック菓子を入れることはないでしょう。もちろん、スナック菓子が入るほどのケースも別メニューで用意しているかもしれませんが、スペースの効率を高めるには小さいお菓子をたくさん詰めるほうが良いでしょう。

100円ではなく、もっと単価の高い、スイーツ系のアイスクリーム、シュークリーム、パフェなどを扱ったほうが良いのではと思っていたら、そういうメニューもあるようです。専用の冷蔵ケースをオフィスに設置し、スイーツだけでなくお惣菜まで入れて販売しているようで、単価の向上についても考えているようです。



手が届く場所に食べ物を置く。

そんなにお菓子を食べたければ、スーパーで買い込んで、職場のロッカーや机の引き出しに忍ばせておけばいいのにと思うのですが、それですらメンドクサイのでしょうか。

自宅でも、視界にお菓子が見えていると、つい食べてしまいがちです。チョコレートやスナック菓子、せんべいなど、食べ物が目に見えると反射的に食べたくなる。人間にはそのような習性があるようです。今回の置き菓子サービスも、その習性をうまく利用したサービスと言えなくもないです。

手が届かない所や目に見えない場所(冷蔵庫や食品棚など)、買いに行くために労力を要する場所(コンビニやスーパーなど)に食べ物が置かれていると、人は「メンドクサイからいいや」と食べ物への欲求を失います。しかし、すぐ目先にお菓子が入った箱が見えれば、あえて食べなくてもいいものであっても、「おっ! ブラックサンダーがあるぜ。1つ買おうか」と考えてしまい、ついお菓子を食べてしまいます。

人間は目に見える食べ物に弱いのです。そこをうまく刺激してお菓子を売り込んでいく。よく考えたものです。


ただ、お菓子には糖質がタップリなものが多く、メタボを促進する原因になります。さらに、仕事中に口をモグモグさせていれば、お菓子に注意が注がれ、仕事の効率が低下し、勤務時間を長くする原因にもなります。

とはいえ、ドカ食いをしなければ、ほど良い刺激になるでしょうから、このような福利厚生もアリだと思います。



山口正博 社会保険労務士事務所
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