1日4時間労働で仕事を終わらせる未来。(Wed.20140723)

8時間労働が誕生した経緯と労働時間を短縮すべき理由
http://gigazine.net/news/20140723-work-shorter-make-better/


日本やアメリカで1日8時間・週40時間労働が採用された発端は、18世紀半ばから19世紀にかけてイギリスで起こった産業革命までさかのぼります。当時のイギリスでは「労働時間が長ければ長いほど生産性が上がる」と考えられていたため、労働時間は1日14時間で、長いときでは16時間から18時間にもなったそうです。

しかしながら、労働者にとって14時間という労働時間は長すぎたため、健康問題や生産性の低下といった問題が勃発し、労働者が労働時間の短縮を訴える運動が巻き起こります。その成果もあり、イギリス政府は1833年に9歳未満の児童の労働を禁止し、9歳から18歳未満の労働者の労働時間を週69時間以内に制限する「工場法」を制定。工場法はその後何度か改正され、1874年には「全労働者の月曜日から金曜日までの労働時間は1日最大10時間」と定められました。

(中略)

現代では8時間労働が基準になっていますが、FrugalingのSam Lustgarten氏は「1日8時間・週40時間労働のおかげで、さまざまな弊害が発生している」と主張します。

Lustgarten氏によると、テクノロジーの発展のおかげで時間当たりの生産性は劇的に向上しましたが、生産性が向上したおかげで得をするのは労働者ではなく雇い主とのこと。どういうことかというと、仕事と睡眠時間以外の自由時間が制限されることで人間が求めるのは利便性。つまり、自由時間にありったけのことをするために、時間を節約したり、少ない時間で満足感を得たりすることにお金を消費してしまっているそうです。「こういった消費のおかげで労働者は怠惰になり、仕事以外の生活面を充実させる気持ちがそがれてしまう。また、労働者が自由時間に資本を消費することで得をしているのは雇い主である」とLustgarten氏は指摘します。



20年前に比べて、2014年に生きる人たちは、便利に、効率的に、楽に、仕事や生活ができるようになりました。特に、PCやスマホの役割が大きく、どこに行っても何らかのコンピュータらしきものがあるぐらい、通信機器が生活の中に浸透しています。

便利かつ効率的に生活が変わったならば、もっと働く時間は短くなってもいいのではないか。そう思うところです。しかし、働く時間は昔よりも増えているような気がする。

なぜでしょうか。

便利な道具があれば、もっと短時間で仕事を終えても良いはずです。しかし、実際には残業で長時間働いている人がいますし、1日8時間では足りないと感じている人もいるはず。


人は、余裕ができると、もっと仕事を詰め込む。そういう生き物なのではないか。

便利な通信機器によって、それが無かった頃よりも時間を節約できるようになり、実際に時間に余裕が出来たのかもしれません。しかし、時間に余裕ができると、その時間を活用できないかを考えだす。

例えば、冷蔵庫。最近は大型の冷蔵庫が家電量販店で当たり前のように販売され、「こんな大きな冷蔵庫なんて家に入るのか?」と思えるほどの大型冷蔵庫が売っており、実際に買っている人もいる。

大きい冷蔵庫を買うと、最初は「あぁ、大きい冷蔵庫はいいな。前の冷蔵庫は小さかったから、あまりモノが入らなかったけど、今度の冷蔵庫は大きいから心配ないな」と思う。しかし、買ってから1年ほど経過すると、あれほど大きかった冷蔵庫がイッパイになり、スペースが足りなくなる。こういう経験をした人は少なくないはず。

小さい冷蔵庫を使っている時は、「こんなに買っても入らないから、これだけにしておこう」と買い物をセーブするけれども、冷蔵庫が大きくなると、「まだ入るゾ。ちょっと多めに買っておこう」と思ったりする。

つまり、人は、余裕やスペースを発見すると、それを埋めたくなる。そういう性格というか価値観というか、傾向があるように思います。

冷蔵庫だけでなく、部屋の大きさ、タンス、プラスチックの収納ケース、下駄箱など、他にも同様の例はたくさんあるでしょう。


人は余裕を見つけると、それを活用したくなる生き物なので、仕事の時間に余裕ができると、マッタリとその時間を過ごすのではなく、何かタスクはないか、何かやるべきことはないかと探し出します。

手隙の時間ができると、無意味にスマホをいじくりまわすのもその一例です。特に何かすべきこともないが、とりあえずスマホをチェックする。こういう人は多いはず。これではいくら時間があっても足りないのは当たり前です。


だから、法定労働時間が1日8時間に設定されると、8時間まで目一杯に所定労働時間を設定する。1週40時間が限度ならば、1週間の所定勤務時間を40時間に設定する。そういう判断をするのが人間なのでしょう。

私は1日の法定労働時間を8時間ではなく4時間にして、1週間の労働時間を20時間にすることもできると思っています。

GIGAZINEの記事では、労働時間を短縮して、一種のワークシェアリングの状態を作るべきというGoogleのラリー・ペイジ氏の発言を引用していますが、このような働き方は必ずしも不可能ではないはずです。

法定労働時間と所定労働時間を合わせないといけない。労務管理ではそう思いがちですが、1日8時間労働といっても、仕事の密度を調べると、1日6時間や4時間に短縮できそうな仕事もありそうです。


与えられた枠を最大限に使うのが当然と人間が考えるならば、強制的に法定労働時間を短縮しないと、働く人の勤務時間は減っていかないのではないでしょうか。

時間と報酬のリンクを切るもの1つの方法ですが、労働時間の枠を縮小するのも1つの方法として検討に値すると思います。



山口正博 社会保険労務士事務所
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