タダ働きではないインターンシップが登場。これなら学生は集まる。(Thu.20140709)



高額インターンをめぐる企業と学生の思惑とは?
http://thepage.jp/detail/20140704-00000021-wordleaf

アベノミクスを背景に、企業の新卒学生に対する採用意欲が高まる中、学生が企業で実際に働く体験をする「インターンシップ」への注目が高まっている。優秀な学生の認知を得たい企業側と、就職活動を有利に進めたい学生側の、双方の思惑が一致しているためだ。中には、約1か月で40万円など高額報酬を支払う企業も出てきている。

「世界レベルのエンジニアと肩を並べて、自分の力を試してみよう!」

熱いメッセージを掲げるのは、リクルートホールディングス(東京都千代田区)。8~9月の6週間、米国・オースティンのネット企業に派遣するインターンシップの学生を6月に募集した。オースティンへの渡航費、現地での滞在費まで同社が負担するうえに、報酬として日当1.5万円、30日なら45万円を支払うというから、社会人でもうらやましくなる待遇だ。

また、LINE(東京都渋谷区)のインターンも注目を集める。同社サイトによると、8月4日~8月29日に実施するエンジニア向けのインターンは、報酬40万円。東京か福岡で実施され、交通費支給。希望者には宿泊費も出るという。このほか、外資系金融機関なども1~2か月の長期インターンを募集し、学生に報酬を支払っている。

(中略)

学生はどう思っているのか?2015年卒業で、すでに内定を得た慶応義塾大4年の女子学生は、2013年夏、9社でインターンを経験。意外なその狙いを明かした。「多くのインターンに行って就活でハクをつけたかった。その経歴が就活で有利になったのはすごく感じた。企業は、自分の会社で採用するか迷った時、他の会社に引っ張りだこの学生だと安心するみたい。『インターンに多数受け入れられたなら、優秀なんだろう』と思ってもらえる」と話す。

この女子学生のように、学生の多くが短期間のインターンを複数社で希望する。だが、高額報酬の出る長期インターンに行けば、他の企業のインターンを経験する機会は失われる。だから、「他のところへ行けない分、報酬をもらえないと割に合わない」というのが学生側の本音だという。

これまでの就職・採用活動では、短期間で多人数の選考を一気に行う結果、双方の理解が不十分のまま決まる「ミスマッチ」が指摘されてきた。インターンは、双方の理解を深められる良い機会には違いないが、参加する企業や学生が増えるほど、一定のルールづくりも必要になってくるかもしれない。



 インターンシップというと、私が学生の頃には「無給の職業体験」というイメージがあり、わざわざ時間を使って職業体験するぐらいならば、バイトでもしていた方がいいだろうと思っていました。そのため、私はインターンシップには参加せず、せっせとバイトをしていました。

 夏休みや冬休み、春休みなどの長期の休みを利用してインターンシップに参加する人が多いのでしょうが、私が大学生の頃は、まだインターンシップは無給で仕事を経験する機会であり、相手先の企業にいわゆる「プレエントリー」するための機会だったように思います。

 インターンシップが採用プロセスの一部になっているから、参加していないと後にその企業にエントリーできなくなるなどと、噂なのか本当なのか分からない情報が流れていて、学生は混乱するはずです。

 ただの職業体験として位置づけているのか、それとも採用選考の一部として位置づけているのか。この境目が微妙で、表向きは人材採用には影響しないとしているものの、実際にはいわゆる「プレ選考」のような役割をになっているのではないかと私は思っています。

 

学生を無給または最低賃金以下で働かせるインターンシップは適法なのか|弁護士ドットコムトピックス学生を無給または最低賃金以下で働かせるインターンシップは適法なのか|弁護士ドットコムトピックス  



 インターンシップが無給の職業体験として扱われていると、上記のようなトラブルも起こるようです。

 インターンシップ段階では雇用契約は成立していませんから、「賃金」という概念は登場しないはずですが、社員と同じような仕事をさせてしまうと労働者として扱われる可能性があると指摘されています。


 無給でインターンシップを実施する企業もまだ多いでしょうから、ニュースのように、インターンシップであっても報酬を出すと打ち出せば、学生を集めやすくなるはずです。

 やはり、時間も費用も使って参加するイベントですから、何らかのインセンティブがあれば、参加への敷居が低くなり、学生も参加しやすいのでしょうね。夏休みや冬休み、春休みの長期の休みをインターンシップで費やすのですから、「バイトなんかやってないで、インターンシップに参加した方がイイぜ」と思わせる仕掛けを作り、うまく学生を集めるのが今の就活なのでしょう。

 

 

 タダ働きする学生が集まると思ってインターンシップを実施しても、無賃労働させているのではないか、最低賃金以下で働かせているのではないか、とゴタゴタするよりも、参加への報酬を渡して、積極的に参加してもらう方がサッパリして良いと思います。

 

 もちろん、IT企業や外資系金融機関のみならず、他の企業でも似たような仕組みを作れるはず。例えば、調味料を作っている会社ならば、その調味料を使った食事を昼食で提供するとか、調味料の詰め合わせをインターンシップが終了した時にプレゼントするのも良いでしょう。

 

 ニュースの中で、「多くのインターンに行って就活でハクをつけたかった。その経歴が就活で有利になったのはすごく感じた。企業は、自分の会社で採用するか迷った時、他の会社に引っ張りだこの学生だと安心するみたい。『インターンに多数受け入れられたなら、優秀なんだろう』と思ってもらえる」という部分がありますが、なかなか良く考えた判断をしている学生もいらっしゃるようです。

 確かに、色々な会社のインターンシップに参加しているとなると、「あぁ、他の企業もこの学生に興味を持っているんだな」と採用担当者は思い、そういう学生ならばアタリなのだろうと思い採用する気持ちになりやすいのでしょう。つまり、インターンシップへの参加履歴がシグナル効果を発揮して、参加件数が多いとか有名な企業のインターンシップに参加しているなど、そういう情報が伝わると、さも良い学生であるかのように思わせるはずです。つまり、インターンシップへの参加が学歴や資格に似たような効果を持つということなのでしょう。


 何らかの人参をぶら下げてインターンシップへの参加を促し、学生を集客する。新しい商品を認知させるときには、企業は広告を使ってそれを宣伝するので、商品広告と同様に資金を使って学生を集める。これが当たり前になっていくのかもしれません。

 単に「インターンシップ募集中」と案内するだけでは参加する気持ちになりにくいですから、何らかのインセンティブを設けて、学生に集まってもらうのは良いことだと思います。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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