何歳から年金を受け取るのがベスト?(Mon.20140623)

 


繰り下げ受給で月額1・8倍!? 年金は何歳からもらうのが賢いか
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140622/plc14062212000006-n1.htm



 田村憲久厚生労働相が、公的年金の受給開始年齢を選択制で75歳まで引き上げることを検討すると表明した。受給開始を遅らせる選択をした人は、繰り下げた期間の長さに応じて月ごとの受給額が増えることになるが、いったい何歳からもらうのが“お得”なのか-。

 公的年金の支給開始年齢は現在、国民年金が65歳で、厚生年金は60歳から65歳へと段階的に引き上げている途中だ。

 「75歳まで支給開始を引き上げられてはたまったものではない」と心配する向きもあるかもしれないが、田村氏が言及した案は、75歳への一律引き上げを指すわけではない。

 年金は、個人の希望によって60歳から70歳までの間で受給開始年齢を選ぶこともできる。繰り上げたり繰り下げたりした場合はもらえる年金の額が増減し、受け取りを1カ月遅らせるごとに0・7%増え、逆に1カ月早めるごとに0・5%減る。各自の経済状態や老後のライフスタイルに応じ、受給のペースや年金の額をアレンジできる仕組みになっているのだ。

 この選択幅の上限を「70歳」から「75歳」に引き上げる、というのが、厚生労働省が今後検討する改革案だ。

 

 

「年金は65歳から受け取るもの」、そう思っている方も少なくないかもしれませんが、実際は65歳に固定されてはおらず、本人の申請や生年月日に応じて、個々人ごとに年金の受給開始年齢は違います。

 

早く年金を受け取り始めれば、年金は減額されて支給されます。逆に、受け取り時期を遅くすると、年金は増額されて支給されます。つまり、早く受け取るとその分だけ割引され、後から受け取ると満額、もしくは増額されるということです。

 

この仕組みは売掛金や割賦債権の回収に似ています。支払い予定日まで待てば、売掛金や割賦債権を全額受け取れる。しかし、売掛金や割賦債権を予定日まで保持せず、早い段階で流動化したり譲渡すると、予定の金額よりも少し割り引いて回収できる。現金の回収速度を早めたい場合は、後者の方法を用いると、資金効率がアップして、再投資のタイミングを早められるので便利な方法です。

 

なぜ年金の繰り下げが検討されるのかというと、その目的は年金の支払い時期を遅らせることで、年金の財政に対する負担を軽減するのが狙いです。

 

もし、60歳から年金を受け取る人がいると、その段階から支給のためのキャッシュが必要になります。しかし、70歳や75歳から受け取る人がいれば、その年になるまでキャッシュアウトが発生しません。そのため、年金の財源にお金が滞留している期間が長くなり、財政に対する負担を軽くできるというわけです。

 

 

何年か前に、掛け捨ての年金が提案されたことがありました。確か、大阪府 維新の会の橋下氏も提言していた掛け捨て年金ですが、年金の受給年齢を繰り下げると、掛け捨てさせる場合に似た効果を発生させることができます。

 

「後から受け取ったほうが得だ」と判断して、60歳になっても、65歳になっても受け取らず、75歳から受け取ろうと思っていたところ、72歳で死亡してしまったら、受け取れる年金も受け取れません。この場合、受け取るはずだった年金は制度側に残りますから、年金の財政にかかる負担が軽減されます。


年金の繰り下げ年齢を引き上げる目的は公には発表されませんが、「掛け捨て効果」を期待しているのは間違いないです。

 


「でも、死んでも遺族年金があるから掛け捨てにはならないんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、死亡したら遺族年金があります。

しかし、遺族年金にも受給する条件が設定されていて、死亡したら無条件で支給されるものではないのです。

遺族基礎年金は2014年4月から制度が変更になり、妻だけでなく男性である夫も受給が可能になりましたが、子供がいなければ受け取れない年金ですから、誰でも受け取れるというものではありません。

 

年金について - 遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法) | 日本年金機構年金について - 遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法) | 日本年金機構  

 


また、遺族厚生年金は、妻である女性は受け取りやすいものの、男性である夫は55歳以上でないといけません。こちらも、遺族基礎年金と同様に、無条件で受け取れる遺族年金ではありません。

 

年金について - 遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法) | 日本年金機構年金について - 遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法) | 日本年金機構  

 

じゃあ、年金を受け取るのはいつがいいのか。

 

私は、年金の受け取りは早ければ早いほど良いと考えています。

 
上記のサイトでは、「長寿を競うギャンブル」と書かれているが、まさにその通りです。長生きできる方に賭けるならば、繰り下げる方が合理的。一方、長生きしない、長生きできるかどうか分からないならば、繰り上げる方が合理的です。

しかし、長生きできるかどうかという視点で判断すると、答えが出ません。なぜならば、長生きできるかどうかは分からないからです。


なぜ早く受け取る方が良いのかというと、支払った保険料を早く回収できるからです。はやく受け取り始めれば、掛け捨てになる保険料を減らすことができます。

 

特に、女性の場合、死亡しても夫に遺族年金が支給されない可能性がありますから、早く年金を受け取り始め、支払った保険料を回収することをオススメします。ただ、女性の方は、3号被保険者になっていた人もいるでしょうから、厳密には保険料をほとんど支払わずに年金を受け取れる人もいるかもしれませんので、「支払った保険料」という表現は場合によりますね。

 

早く受け取って、長生きできるだけ長生きすればいいでしょう。先に年金を受け取り、長生きするかどうかはその後に考える。もし、年金を受け取らずに長生きして、「後から受け取ったほうが得だぞ」と考えているうちに棺桶に入ってしまうのは残念です。


国民年金は最短で60歳から。厚生年金は生年月日ごとに決まっていますが、早い人だと60歳とか62歳から受け取れる人もいます。

 

50歳代後半になったら、有給休暇を取得するなどして平日の仕事を休んで、一度、年金事務所に行って、自分の年金がどうなっているのか、最短で何歳から受け取れるのか、こういったことを調べてみるといいでしょうね。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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