ブラックバイト対策に学生が労働組合。徹底抗戦が吉?(Mon.20140616)

 

ブラックバイト:被害に遭わないために 学生が労組結成も
http://mainichi.jp/select/news/20140609k0000m040051000c.html



 北海学園大経済学部の川村雅則准教授(労働経済)のゼミでは2011年度から毎年、アルバイト白書づくりに取り組んでいる。学生たちのバイトの実態に迫ろうと、同級生らに聞き取り調査を行い、情報を集めている。

 ゼミでは2、3年生16人が調査結果や自らの経験を基に討論。「居酒屋のバイトで、ゆず酒とゆず梅酒の注文を間違えたら、代金を負担させられた」「電話でカニを売るバイトをしていたら、父親の知り合いからそこはブラック企業だと聞かされ、即刻辞めた」など、さまざまな実例が報告された。

 3年の男子学生(21)は1年のとき、飲食店のバイトで調理を担当した。週3、4日のつもりだったが、「明日も出勤できるよね」と店から言われるままに働いた。バイト代は月14万円になったが、大学の講義に出られなくなった。男子学生は「断ればいいと頭では分かっていても、なかなか言いだせなかった。9カ月後になって、ようやく辞めることができた」と振り返った。

 また、飲食店でバイトをしている3年の女子学生(21)は「タイムカードは30分刻みで、それ未満は切り捨て。午後10時以降の深夜割り増しも付いているかはわからない。ゼミで学んだことを、バイト先で言う自信はまだありません」と打ち明ける。

 

ブラック企業という言葉が流行って、ネットやテレビニュースでも「ブラック」という言葉を度々見るようになりました。

 

学生のバイトの中には、ブラックバイトというものがあり、適正ではない労務管理がなされている職場があるようです。そのため、学生労組を作り、そういう会社に抵抗しようというのがニュースの内容です。

 

 

私も学生の頃は多種多様なバイトを経験しましたが、確かに今で言うブラックな会社も少なくなかったですね。

 

例えば、私が高校生の頃、夏休みに運送会社でバイトをしていた頃の経験があります。夏の運送会社での仕事と言えば、言わずもがなお中元の配送業務がメインです。ただ、高校生ですから、トラックをブンブン言わせて荷物を運ぶわけにはいかないので、あくまで庫内での作業です。

 

まぁ、夏休みですので、倉庫の中は暑い。クーラーなどという便利なものは倉庫内にはありませんので、タオルを首にかけて倉庫内で荷物をピッキングし、それをダンボールに梱包するのが主な仕事でした。

 

ところが、想定よりも仕事が少なかったのか、それとも学生バイトの質が低かったからなのか、理由はハッキリとはしませんでしたが、「今週いっぱいで終わりということで」と伝えられ、そのままバイトが終わってしまったことがありました。辞めされられたのは私だけではなかったのですが、高校生のバイトが全部で15人ぐらいいて、そのうち10人ほどが辞めされられ、残った5人だけが仕事を続けたという話です。まぁ、いわゆるリストラです。

 

発送する荷物のミスが続発していたと言われていたので、おそらく受注量が少なくて人員を削減したのではなく、人員の質が悪いので削減したのかもしれないと思っています。

 

ただ、高校生のバイトであれ、労働基準法は適用されますから、解雇するには1ヶ月前には伝えておかないといけない(労働基準法20条)のですが、そういう手続は無かった。解雇予告があったといっても、1週間前ですから法律が求める1ヶ月前には達していなかったので、違法な解雇だったのでしょうね。

 

とはいえ、その頃は私も社労士ではありませんでしたし、労務管理の知識などほとんど無い高校生でしたから、「まぁ、そういうもんかな」と思い、仕事が終わってしまうことを受け入れていました。

 

とはいえ、仮に労働基準法20条の知識があり、会社と交渉したとしても、解雇そのものを覆すことはできなかったでしょう。あえて法律を使って交渉し、会社に居続けたいとも思わなかったでしょうから、あれはあれで良かったと今は思っています。

 

 

他にも、高校生なのに、居酒屋で午前0時30分まで働いていたとか。午後10時以降に、打ちっぱなしのゴルフセンターのボール集め作業をやっていたとか(1回1時間だけの作業だったけれども、時給は1,000円だった)。有給休暇が全く使えないとか、残業代が未払いになっていたとか。当時は当たり前だと思っていたことが、今では法律違反だったのだと分かります。

 

一般のフルタイム社員と学生のバイトは違うものだという意識があるためか、会社ではバイトの扱いが雑になりがちです。中には、フルタイム社員には労働基準法が適用されるけれども、学生のバイトには労働基準法が適用されないと思っている方もいるのではないでしょうか。

 

他にも、パートタイムとアルバイトを分けている人もいますけれども、どちらもパートタイマーですから、形式的な名称が違うだけで実質は同じです。もちろん、社会保険や労働保険での扱いには少し違いがありますが、労働基準法に関してはほぼ同じように扱われます。

 

法律の知識を駆使するとか、学生同士で労働組合を作るとか、そのような対処法もあるかと思いますが、最も簡単かつ確実な対処法は、仕事を辞めることです。

 

「え?」と思うかもしれませんが、学生が会社と交渉して労務管理の状況を是正しようとしても、おそらく会社は動かないでしょうし、手間と時間を考えれば、仕事を変えてしまったほうが合理的です。

 

「ブラックな会社を放置していてはいけない」という正義感も分かりますが、会社の労務管理を変えるよりも自分の仕事を変える方が容易なはずです。学生のバイト先はたくさんありますから、あえて気に入らない職場でジッとしていることもないでしょう。

 

不適切な労務管理を行っている会社には徐々に人がいなくなり、いずれは会社もなくなりますから、なるべくそういう会社とは関わらないように生きていくのも良いのではないでしょうか。

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所