男性の育児休業はなぜ普及しないのか。(Sat.20140614)

 

男性の育休取得率1.89%、なぜ普及しない?仕事や金銭面での不安大、取得者と企業双方にメリットも
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5108.html


 男性が育児休暇を取得する割合は、スウェーデンは78%、ノルウェーでは89%にも上る(2008年厚生労働省レポートより)。しかし、日本に視線を移してみると、12年度で1.89%と惨憺たる状況だ。「イクメン」(育児をする男性)などの言葉が生まれ、男性の育児への関わり方には関心が高まっているように見えるが、なぜ男性の育休取得は普及しないのだろうか? 通信教育大手のユーキャンが、子どもを持つ全国の男性ビジネスパーソン497名を対象として5月に行った調査結果から、その背景を探ってみよう。


 同調査では、男性が育休を取得することへの評価としては、育休未取得者で取得する意向のない人でも「あまり良いとは思わない」と回答した人は10.7%にとどまっており、好意的にとらえている人が多いことがわかる。では、男性の育休取得普及は遅々として進まないのはなぜか? そこには、心理的な壁が立ちはだかっているようだ。

「男性の育休取得率を上げるための現在の障壁」を聞いたところ、最も高い数値となったのが、「職場の理解が足りない」という回答。また「仕事を引き継げる人がいない」と業務に対する支障を懸念する声や、「出世に響きそう」と将来のキャリアを不安視する声が上がっている。また、会社の都合ばかりではなく、金銭的な面でも不安は多い。「育児休暇中の家計が不安」と回答した人は未取得者のうち56.0%に上っており、収入の減少を危惧する意見もある。

 しかし、今回の調査では、社会保険料の免除や年金額計算の特例など、育休中の各種社会保障制度の優遇措置を知らない人が多数を占めることも明らかになっている。この制度の存在が周知されれば、より多くの人々が安心して育休を取れるようになるのではないだろうか。

 

 



「男性の育休取得率を上けるための現在の障壁」を聞いたところ、最も高い数値となったのが、「職場の理解が足りない」という回答。

職場の理解が最大の障壁になっているのは確かでしょうね。ちなみに、金銭面での不安はあまり抱く必要はない。育児に関する制度的フォローは多いので、収入が減るという理由で育休を取得しにくい人はさほど多くないはずです。

男性の場合は自分が出産するわけではないので、産休を取得したり、産休中の社会保険料の免除は受けられませんけれども、雇用保険の育児給付、産休中の社会保険料の免除などのフォローは受けられますから、金銭面の不安は育休を取得する際の主な障壁にはならないはずです。


問題は、男性の育休を受け入れる価値観ができあがっていないという点です。

女性ですら、産休しか取得できず、育休は取得せず仕事に復帰している人もいますから、まして男性の育休となるとさらに取得しにくい状況になります。

もし、男性社員が育休を取得するとなると、「何で君が育休を取るんだ? 奥さんがいるだろう。君は仕事に専念して奥さんが育児をすればいいじゃないか。」十中八九、周りの人からこのように言われるはず。これを言われると、反論できません。


「なぜ男性が育児をするために休まなければいけないのか」この問に対して合理的に答えを出すのは無理です。妻がいる状況だと、どうしても「奥さんに任せればいいんじゃないか」と言われてしまい、そこで話が終わってしまいます。

父子家庭であるとか、妻が何らかの理由で育児ができない状況であるとか、男性が育児をする必然的な理由を提示しないと、現状では男性が育休を取得するのは困難です。

私は、常々、男性が育児休業を取得するために必要なのは「制度ではなく価値観の変化」だと言っています。雇用保険からの育児給付、社会保険料の免除、育児介護休業法など、制度からの支援は充実していて、これ以上何かをするとなると、男性社員の育児休業を法律で強制することになってしまいます。

いきなり半年や1年間、バサッと育児のために休業するのは難しいでしょうから、育児のために勤務時間を短縮する制度(1日の勤務時間を8時間を6時間にする etc.)を導入するところから始めるのが妥当だと思います。






山口正博 社会保険労務士事務所
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