勤務時間で仕事のキツさを判断できる?(Tue.20140603)

 

 

「もうブラックと呼ばせない」ワタミ正念場 労働環境改善、新業態で再成長目指す
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140531/biz14053112000002-n1.htm


 「365日24時間死ぬまで働け」という表現を改めた-。

 ワタミは今月19日、ホームページ上にこうした「お知らせ」を掲載し、社員6000人余りに配布している「グループ理念集」の改訂を明らかにした。理念集は創業者・渡辺美樹氏のメッセージをまとめた内部文書で、その激しい文言が、社員に過酷な労働を強いるブラック企業の証左だとみられてきた。

 同社は「言葉が一人歩きし、誤解された」(広報)と釈明しつつも、批判が高まる発端となった6年前の過労自殺事件にふれ「ご遺族の心情を察し、表現は慎重であるべきだった」と、改訂理由を説明する。


なぜかワタミだけがとにかく槍玉に挙げられて、私は学生の頃に飲食店で仕事をした経験がありますから、「飲食店の仕事はどこもキツイもんだ」と思っているタチですので、ワタミであれ他の飲食店であれ、労務管理にはさほど違いはないのではないかと想像しています。

 

1日8時間を超える勤務時間なのに残業代はなかった。高校生なのに、居酒屋で深夜の0時まで仕事をしていた。そんな経験が私にはありますけれども、飲食店での仕事では労務管理での不備を発見することが多かったような気がします。もちろん、他の業種でも色々とありましたけれども、飲食店の労務管理は目立っていました。


自分の仕事ではないとその中身が分からないため、人は他人の仕事を時間数で判断してしまいがちです。「毎日、定時で仕事が終わるよ」と言われれば、「あぁ、良い職場だね」とか「ラクな職場だね」と反応する。逆に、「毎日1時間程度は確実に残業があるね」とか、「終電ギリギリで電車に乗って帰ることはよくあるよ」と言われれば、「そりゃあ、キツイ仕事だねぇ、、」、「それって、今流行のブラック企業じゃないの?」などと反応する。

労働基準法は時間を基準に仕事を評価する法律ですから、働いている人も時間で仕事を評価してしまいがちです。

 


飲食店の仕事というのは、繁閑の差が激しく、忙しい時間帯とそうではない時間帯の差が大きいのが特徴です。

ワタミの営業時間は、17:00から0:00までに設定しているようですが、「こりゃあ、忙しいな」と思えるのは、おそらく19:00から21:00の2時間程度です。この時間帯がいわゆるラッシュタイムで、会社帰りの人たちや家族連れ、学生などが一斉にお店にやってきます。

しかし、17:00から19:00まで、そして21:00から0:00の時間帯は、てんてこ舞いになるほどの忙しさではなく、十分に対応できる程度のお客さんしかいなかったりします。

私も経験がありますが、ラッシュタイムは確かに立ち止まる暇さえないほど忙しいですが、お客さんが引いてアイドルタイムに入ると、椅子に座って小休止できるほど仕事の負荷が低下します。そのため、単純に6時間労働とか8時間労働と言っても、仕事の密度は時間帯によってバラつきがあります。

 

もちろん、営業時間=勤務時間ではありませんので、17:00前には仕込み作業があり、さらにテーブルを拭いたり、床をモップがけしたり、おしぼりを保温器に補充したりと、色々と仕事があります。さらに、0時の閉店後には閉店作業もあります。店長の立場だと、営業日の翌朝から店長会議に行くこともあるはず。

 

勤務時間数だけを見れば、長時間労働なのかもしれませんが、1時間あたり仕事の負荷まで考慮すれば、必ずしも過酷な職場とは言い切れないのではないでしょうか。

 

居酒屋の営業時間は17:00から0:00であり、午前中やお昼にお店は開けていないですし、店長会議が毎日あるわけでもないですし、仕込みや掃除といっても14時頃から初めて3時間程度で目処は立ちそうです。

 

「ワタミは長時間労働、過酷、ブラック」というイメージが刷り込まれてしまっていますけれども、実際の業務内容まで織り込んで過酷だと言えるのか、ブラック企業だと言えるのかというと、人によって結論が変わってくるはずです。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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