book714(公休日に有給休暇を申請。会社は拒否できる?)

 

公休日に有給休暇を使い、給与アップするパートさん。


 フルタイムで働いている人だと、1週間に1日か2日、パートタイムで働いているならば、人によって2日や3日の休みがあるかと思います。

 例えば、週6日勤務のパートタイムで働く人ならば、休みは週に1日です。そして、その休みの日は、単に休日と表現されることもあれば、公休日と表現されることもあります。
 
 では、その公休日に有給休暇を使って、単に休みにするのではなく、給与付きの休みにしようとする社員さんがいたらどう対応するでしょうか。
 
 普通に休むともちろん賃金はありませんが、有給休暇に変えてしまえば、賃金ありの休みにできます。そのため、有給休暇が余っている人が「この公休日を有給休暇にしてください」と言ってくるかもしれません。
 
 「あぁ、いいですよ」と対応するのか、それとも、「公休日を有給休暇に変えることはできません」と対応するのか。分かれるところです。

 あなたならば、どちらの対応を選択しますか?
 
 


「付与」のルールは充実している。しかし、「使い方」は曖昧。


 労働基準法では、有給休暇の「付与」については書かれています(労働基準法39条)。しかし、有給休暇の「使い方」については書いていません。そのため、公休日に有給休暇を使っていいものかどうかは法律を読むだけでは分からないのですね。
 
 また、就業規則でも有給休暇の付与については書いているはずです(労働基準法の内容を写したように書かれている)。しかし、こちらも有給休暇の使い方については書いていないのではないでしょうか。
 
 先に結論を言うと、もともと出勤日ではなかった日には有給休暇を取得することができません。ゆえに、「公休日を有給休暇に変えることはできません」と対応するのが正解です。

 しかし、労働基準法には上記のようなルールが書かれているわけではないし、就業規則にも書かれていない可能性が高い。そのため、「公休日を有給休暇に変えることはできません」と判断する根拠に乏しく、公休日を有給休暇に変えようとしている社員さんを説得しにくい場合があります。

 だから、「週休日、公休日、その他会社が指定する休暇日には有給休暇を取得できません」という類の内容を就業規則にに書いておく必要があるわけです。書き方は色々ですが、休みの日には有給休暇は使えないと決めておかないと、「有給休暇を使って給与アップしてやろう」と考える人も出てきます。


 もし、公休日に有給休暇を使っても、週1回の休みは取得できるし(労働基準法35条)、有給休暇をどのように使うかは法律で指定がないので、法律違反とまでは言えません。そのため、会社によっては休日に有給休暇を使うことを黙認していたりするかもしれませんね。

 公休日以外にも、風邪をひいた日に有給休暇を使うということもありますし、怪我をしたときに有給休暇を使う時もあります。このような場面だと、休日に有給休暇を使う場面とは異なるので、「病気や怪我のときはいいだろう」と思う人もいるかもしれない。

 ただ、仮病で有給休暇を使うような人もいるかもしれませんから、一長一短です。


 どのように有給休暇を使うのか。この点についてもちょっと考えておく必要がありますね。
 
 

山口正博 社会保険労務士事務所
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