book711(雇用調整助成金の始まりから終わりまで。)




受付で2時間待ち。


 会社側の指示で社員さんを休ませると休業となり、労働基準法26条に基いて休業手当を支払う必要があります。社員を休ませても給与が必要なのが雇用なのですが、この休業手当を補助するために設けられたのが雇用調整助成金であり、中小企業緊急雇用安定助成金です。
 
 2014年4月時点では、中小企業緊急雇用安定助成金は雇用調整助成金に一本化されましたが、この雇用調整助成金制度は平成20年度から始まり、平成26年度現在も続いている助成金制度です。
 
 私は中小企業緊急雇用安定助成金の手続きを仕事で行ったことがありますが、2009年の1月、2月頃だったと記憶しています。2009年1月の段階では、大阪の梅田の受付場所へそれなりに手続きや相談に来ている人もいたのですが、めちゃ混みというほどではなかったですね。
 
 しかし、2月になると、急激に手続きに来る人が増えて、待ち時間も1時間は当たり前で、2時間程度が普通という状況になっていました。
 
 銀行や郵便局にあるような番号札を入り口で取って、順番が来ると「ピンポ~ン、76番の番号札をお持ちの方4番の窓口へどうぞ」という案内コールが流れるようになっていました。
 
 
 雇用調整助成金等に係る休業等実施計画届受理状況 平成20年度~平成25年度
 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11603000-Shokugyouanteikyoku-Koyoukaihatsuka/0000030690_1_1.pdf
 
 上記のPDFを見ると分かりますが、平成20年度の1月頃から受付が増え始め、2月には一気に急増しています。私が仕事で中小企業緊急雇用安定助成金の手続きをしていたのがこの時期ですから、まだ初期の段階だったのだと分かります。
 
 平成21年度に入ってピークを迎えて、翌年度の平成22年度には減少しています。雇用調整助成金と中小企業緊急雇用安定助成金の受給期間は最大で1年ほどでしたので、期間を終えて助成金の利用を終えた企業も多々あったと思います。
 
 平成23年度からは減少が続き、25年度の2月までの減少傾向を考えれば、27年度にはおそらく終了するのではないかと思います。
 



会社のお金が減っていく助成金。


 雇用調整助成金は休業手当を補助する助成金で、例えば、10,000円の休業手当を出したら、そのうち8,000円が補助される。そういう助成金だった。残りの2,000円は会社が支払うので、助成金を利用していると、ジリジリと会社のお金は減っていく。

 長期間にわたって雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金を使っていても会社は復帰できませんので、いつかは助成金の利用をやめて離脱しないといけません。
 
 利用期間が短期間だった企業は通常の営業状態に復帰するのが早かったですし、逆に、利用期間が長かった企業は商売を終えてしまうところもありました。
 
 休業しないと支給されない助成金ですから、社員さんが休んでいれば営業も止まりますので、長く利用すればするほど抜け出しにくくなる構造になっていました。言うなれば、痛み止めの薬を使って、痛みを感じにくくするような助成金です。
 
 2014年現在の助成金は、会社に一定の支出が発生し、その費用の一部を補助するタイプが主流ですので、「助成金=美味しい」というイメージは実態に合わなくなっています。




山口正博 社会保険労務士事務所
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