介護で休むよりも、介護サービスを利用しよう。(Wed.20140507)

 

介護休業期間、主要企業9割が独自に延長 朝日新聞調査
http://www.asahi.com/articles/ASG4Y4T4RG4YUTFL002.html

 

年間10万人と言われる介護離職への危機感を背景に、主要企業の9割が介護休業の期間を法定日数より延長している。朝日新聞が全国の主要100社を対象に実施した「仕事と介護」アンケートで、そんな現状がわかった。ただ介護休業などの支援制度が十分活用されていない企業も多く、利用しやすい環境づくりが課題となっている。

 育児・介護休業法は、要介護状態の家族1人につき、通算93日までの介護休業と年5日の介護休暇を認めている。同法は、短時間・フレックス勤務などの支援策を講じることも企業に義務づけている。

 各企業の支援状況を調べるため、朝日新聞が景気調査をしている100社にアンケートを送った。メーカー、金融、運輸、流通など各業種の主要企業だ。93社から3月までに回答を得た。

 その結果、介護休業の期間について、独自に延長している企業が84社(90%)あった。最長は3年でサントリーホールディングス、コマツ、三菱地所、東京ガスの4社だった。2年以上3年未満も7社あった。最も多いのは休業期間1年とする企業で、3分の2を占める62社あった。

 

 介護休業というと、雇用保険の介護休業給付がよく知られています。

 

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 会社によっては、介護休業を延長するところもあって、約3ヶ月の法定ラインを超えて、1年や2年の期間を設定する企業もあるようです。

 

 介護のために仕事を休むことは当たり前のように思えますが、介護は終わりがハッキリしないのが難点です。2ヶ月で終わるかもしれないし、3ヶ月かかるかもしれない。さらには、半年や1年、長ければ2年や3年かかるかもしれない。つまり、介護される側の事情によって介護の期間は変わるのですね。

 

 一方、介護と違って、育児は終わりが分かりやすいです。育児介護休業法というように、育児と介護は一緒に扱われることがあるけれども、中身には違いがあります。育児ならば、子供が生まれてから1年程度でかかりきりの育児を終えることができます。もちろん、1歳以降も育児そのものは必要ですが、生まれて1年もすればちょっとは育児もラクになるはずです。保育園に入る子供もいますから、育児の期間は1年程度でメドが立つはず。

 

 しかし、介護の場合は、介護される側の事情によって対応が変わりますから、育児のように「1年ぐらいかなぁ」と単純には括りにくい。そのため、介護休業の期間を延長するとしても、どの程度延長すれば足りるのかを決めにくい。

 

 また、介護で休むとなると、「自分で介護する」という考えになりやすい。例えば、親を介護するために休業する場合、親の面倒を自分でみるということになり、介護する本人には思いのほか負担になる。「仕事をしながらではなく、休んで介護をするのだから、さほど負担ではないのでは?」と思うところですが、実際に介護する立場になるとそう思えないものです。

 

 介護のために仕事を休めるといっても、際限なく休めるものではなく、休みの期間が長ければ長いほど職場には戻りづらくなる。職場に戻ったら人事異動させられるかもしれないし、「仕事を辞めて介護に専念したらどうだ?」と退職を勧められる場合もあるかもしれない。

 

 ゆえに、介護に対しては、休業期間を延ばして介護するよりも、介護サービスを購入する費用を補助する仕組みのほうが望ましいでしょう。介護サービスを利用すれば、家族が介護する際の負担が減りますし、仕事を続けていくこともできる。「親の面倒は子供である自分がみなきゃ」という責任感を持つのは悪くないですが、その責任感で自分の生活を壊してしまっては、ゆくゆくは介護もできなくなります。

 

 介護に対しては、休業ではなく給付にウェイトを置き、仕事を休まずに続け、雇用保険料を納付してもらい、「雇用保険料→介護給付、、」への循環を維持していくのが妥当な仕組みだと思います。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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