book708(再就職した後の「2つの手当」を忘れずに。)




失業保険は失業しているときだけしか使えないわけではない。


 会社に勤めていると、フルタイム社員だけでなくパートタイム社員の人も、雇用保険に加入している人がいるかと思います。この雇用保険は、通称で失業保険と言われる場合が多く、雇用保険と言うよりも失業保険という言葉を使ったほうが伝えやすい傾向があります。
 
 この失業保険ですが、名称が失業保険であるため、失業しているときしか使えないと思っている方も多いはずです。確かに、雇用保険は失業時に効果を発揮する制度なのですが、失業状態ではないときにも使えるのです。育児や介護、教育訓練に関する給付も雇用保険から支給されるので、失業状態の時しか使えないというものでもないのですね。
 
 平成26年度から雇用保険も新しくなって、チョコチョコと内容が変わっています。
 
 雇用保険の変更点の1つとして、新しく「就業促進定着手当」という手当ができました。この就業促進定着手当も、失業状態ではない時に支給される手当なので、「雇用保険は失業しているときしか使えない」と思っていると手続きを忘れてしまうかもしれませんので、知っておきたい制度の1つです。
  
 再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には「就業促進定着手当」が受けられます
 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000042460_2.pdf
  




再就職手当と就業促進定着手当の二段構え。


 この就業促進定着手当というのは、失業した後に再就職し、再就職後の収入が失業前よりも減ってしまっている場合に支給される手当です。つまり、失業前と再就職後の賃金ギャップを補填するための制度なのです。
 
 就業促進定着手当を受け取るには、まず再就職手当をあらかじめ受け取っておく必要があります。再就職手当というのは、失業手当(雇用保険の基本手当のこと)を受け取りながら失業しているときに、失業手当の残りがまだある段階で再就職した場合に支給される手当です。
 
 雇用保険の基本手当は各人ごとに支給日数が決まっていて、その日数に応じた失業手当を受け取れるのですが、例えば支給日数が180日の人がいて、30日分の失業手当を受け取り、その段階で再就職したとしたら、失業手当の残日数は150日ありますよね。もし、180日間にわたって失業していれば満額の失業手当を受け取れたのに、早期に再就職したため満額の失業手当を受け取れなくなります。そのため、受け取れなかった失業手当を清算する意味で再就職手当という制度があるのです。ただし、手当の額は満額で精算されるのではなく、残日数の50%もしくは60%で支給されます。

 

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 再就職手当を受け取って再就職し、再就職後6ヶ月間の賃金が失業前の賃金を下回ると、就業促進定着手当が支給されるという流れです。
 
 第一段階で、再就職手当。第二段階で、就業促進定着手当。この二段構えになりました。以前は再就職手当だけだったのですが、平成26年度からは就業促進定着手当が加わりました。

 再就職して再就職手当を受け取り、仕事を続けて5ヶ月を経過した頃ぐらいに就業促進定着手当の支給申請書が送られてくるようなので、手続きを忘れないようにしたいですね。
 
 

山口正博 社会保険労務士事務所
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