book697(休暇を濫造しない。)




制度を作るのはメンドクサイ。


会社には色々と労務管理の制度があって、休暇制度もそのうちの一つです。

有給休暇が最も知られている休暇ですが、他にも誕生日休暇、結婚休暇、出産休暇、弔事の休暇、資格取得のための休暇など、多種多様な休暇が設けられている会社もあるでしょう。

休暇制度にはそれぞれに条件があって、休暇の日数や対象者、勤続年数など、色々と制約があります。誰でもどの休暇でも利用できるというものではなく、条件に当てはまった人が利用できる休暇で、有給休暇とは違いがあります。

組織の規模が小さい時は、労務管理のルールもサッパリしていて、休暇らしい休暇はなく、普通の休日と有給休暇ぐらいで、他の休暇は手付かずという状態かもしれませんね。

会社の規模が大きくなると、制度が増えてきて、休暇の種類も増えてくるはずです。


休暇制度が増えてくると、管理が面倒臭くなるし、社員さんにとっても、自分がどの休暇を利用できるのかを把握しづらくなります。

何十種類も休暇があると、条件を理解するだけでも一苦労ですし、もし申請を忘れたら、「使えるはずの休暇を利用できなかった」という状況にもなりかねない。


では、どうやってこの状況を変えるか。ここが今回の話の焦点です。







休暇を作らずに休暇を作る。


休暇をドンドンと作ると、条件設定が面倒になり、利用者も把握しづらくなるのですから、休暇を増やさないようにすれば問題を解決できそうです。

つまり、休暇を作らずに休暇を作ればいいわけです。

休暇を作らずに休暇を作るというと訳がわからないと感じるかもしれませんが、その方法は「有給休暇ですべて吸収する」というものです。

といっても、労働基準法の有給休暇だけでは足りないでしょうし、法定の有給休暇は本人が自由に使うものであって、用途を限定できないので、そのままでは他の休暇を代替することはできません。


そこで、「付加有給休暇」を設けて、目的を問わず使えるようにします。労働基準法で決まっている有給休暇に上乗せする形で、付加有給休暇を設けて、その休暇を多種多様な目的で使うようにすれば、個別の目的で休暇制度を作る必要がなくなります。

休暇制度を作って、休暇の利用目的や条件を固定してしまうと、いつ、どんな目的で、何日まで使えて、いつまでに申請するかなどメンドクサイ手続きを作ってしまいがちです。

例えば、失恋休暇や生理休暇のように休暇の目的を公にしたくない場合もあります。


付加有給休暇の日数をどう設定するかは様々ですが、法定の有給休暇に連動するようにすれば簡単な仕組みに出来ます。例えば、法定の有給休暇の半分を付加有給休暇として設けるようにすれば、法定の有給休暇を1.5倍に増量するだけで対応できます。

用途不問の付加有給休暇で対応するようにすれば、条件設定で悩むことはないので、休暇制度を設計する手間を省けるし、目的を問わないのでプライバシーを保護することもできる。一石二鳥の仕組みです。







 

山口正博 社会保険労務士事務所
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