料理人の残業時間が月に100時間を超えて、ホテルの総支配人が書類送検。(Fri.20140314)

 

ホテル阪神:料理人時間外100時間超 総支配人書類送検 - 毎日新聞

http://mainichi.jp/select/news/20140313k0000e040135000c.html

ホテル阪神(大阪市福島区)の料理人に月100時間を超える時間外労働をさせていたとして、西野田労働基準監督署(大阪市)は12日、ホテルの男性総支配 人(56)と運営会社の阪急阪神ホテルズを、労働基準法違反の疑いで書類送検したと発表した。料理人の男性が倒れて死亡し、発覚した。総支配人は「人手が 不足していた」と話し、容疑を認めているという。

 送検容疑は昨年7月、労使協定で定めた上限の月60時間を超える時間外労働を、男性にさせたとしている。

 労基署によると、男性(当時54歳)は昨年8月上旬に倒れ、脳幹出血で死亡。前月の7月に月101時間の時間外労働をしていた。男性を含め4人が90時間以上の時間外労働をしていたという。

 阪急阪神ホテルズの広報担当者は「捜査には全面的に協力する」としている。

 

月に101時間の時間外労働と書かれていても、「大したことはないんじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、101時間というのは残業時間の部分であって、この時間に基本部分の所定労働時間が上乗せされるので、月間の労働時間は、おそらく260時間ぐらいだったと推測できます。

 

一ヶ月の出勤日数を21日だとすると、260時間÷21日=12.38時間/日です。つまり、毎日12時間ほど仕事をしていたという計算になります。

 

 

中には、「時間外勤務の割増賃金を支払えば何時間でも残業はできる」と誤解されている方もいらっしゃるかもしれません。

 

確かに、割増賃金を支払えば残業は可能です。しかし、割増賃金を支払えば上限なしに残業ができるというわけではなく、残業ができる時間には上限があります。

 

時間外労働の限度に関する基準(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-4.pdf

上記のウェブサイト、PDFファイルの2ページ目に「延長時間の限度」という項目があります。これが残業時間の上限です。

1ヶ月の期間ならば、残業時間の上限は45時間までです。ただし、例外があり、36協定で特別に条件を設定すれば、一時的に残業時間の上限を超えることもできますが、1年中にわたって上限を超え続けられるものではなく、あくまで一時的な例外です。

 

今回のニュースはホテルで起こったことですが、2013年の7月に定めた残業時間の上限が60時間だったようなので、おそらく36協定の特別条項を適用したのだと思います。しかし、実際の労働時間は、60時間の枠を超えてしまい、特別条項でも対応できない範囲まで残業時間が延びています。こうなると、36協定でもフォローできないので、労働基準法36条に違反する状態になります。

 

残業を実施する際には、上記の延長時間の限度を織り込んで、その範囲内で収まるように勤務時間を調整するようにしましょう。

山口正博 社会保険労務士事務所
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