ユニ・チャームの"ユニ"ークな人事施策。(Fri.20140227)

 

内定を得た後、30歳になるまで入社を待ってくれる施策を導入するようです。

 

30歳まで入社延期も ユニ・チャームが女性社員確保で新制度 妊娠・出産予定など考慮

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140227/biz14022717500043-n1.htm

 ユニ・チャームは27日、妊娠や出産予定がある新卒の女性社員の入社時期について、最長30歳まで延期できる制度を導入すると発表した。来年4月入社の新卒採用から適用する。育児を20歳代に済ませ30歳代でキャリアアップに専念したい女性社員や、妊娠や出産予定があるため志望を断念したり不安を感じている就職活動中の女性に対応する。

 同制度「Fresh-Mom Recruitment」の対象者は、同社の新卒採用の入社試験に合格し、入社前に妊娠や出産の予定がある女性。新卒3年以内の人が自己申告をすれば、入社資格(内定)を30歳になる(29歳の12月末)まで保有することができる。3月から始まる企業説明会や同社ホームページなどで同制度を告知していく。担当者は「本人の入社のタイミングを決められ、色々な人生設計を組み立てられるメリットがある」とアピールしている。

 同社によると、15年度入社の新卒採用予定は約60人で、例年約3分の1が女性という。

 

大学生の新卒採用は、内定を得てすぐに入社するというものではなく、内定を得た後、大学を卒業してから入社するのが一般的です。大学3年の春や夏に内定を得て、そのあと卒業まで1年から1年半ほど大学生活を続け、卒業と同時に入社する。これが典型的な大学生の新卒採用です。

 

今回、ユニ・チャームが採用した「Fresh-Mom Recruitment」という制度は、入社前に妊娠や出産がある人が対象のようで、そういう人たちをすぐに入社させるのではなく、出産や育児が一段落してから入社してもらおうという狙いのようです。

 

ユニ・チャームユニ・チャーム  

 

晩婚化が進んでいる状況で、新卒段階の年齢で妊娠や出産を経験する人はそう多くはないでしょうが、めずらしい人事施策です。

 

新卒となると、年齢は20歳代前半の人が多いでしょうから、30歳まで入社を待つとなると、7年や8年も入社時期を先延ばしにできるということなのでしょう。普通に就活する人だと、内定から入社まで1年から1年半ほどの期間がありますが、それと比べても随分と長期間です。

 

このような制度をどこの会社でも導入できるかというとそうではなく、ユニ・チャーム特有の業務内容と人事施策がうまく一致した結果、実現したのが「Fresh-Mom Recruitment」という制度です。

 

ユニ・チャームという会社は、企業サイト(http://www.unicharm.co.jp/index.html)を見れば分かりますが、女性用の生理用品、子供用の紙おむつ、化粧パフなどを取り扱っています。他にも女性が使いそうな商品がたくさんあり、製品の開発でも女性が関わるケースも多いのでしょう。

 

どんな紙おむつがいいのか、どういう生理用品ならば快適に使えるのか、ファンデーションを塗るときに最適な化粧パフはどんなものか。こういう製品開発では男性よりも女性のほうが適任です。

 

そのため、なるべく女性社員を増やし、製品の開発に関わって欲しい。だから、新卒の女性社員を取りこぼさないように、今回のような30歳まで入社資格を維持する人事施策を導入したのでしょうね。

 

このような施策は、ユニ・チャームだけでなく、女性が関わる他の商売でも応用できそうです。例えば、女性下着、調理器具、電動自転車、乳母車、粉ミルク、子供服、チャイルドシートなど、女性が購入しそうな製品を作っている会社ならば、ユニ・チャームのような人事施策が有効なのかもしれません。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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