book685(災害時には「雇用保険の特例」がある。)




■普通の失業保険と何が違うの?


2014年の2月はあちらこちらで雪が降って、東京でも「ここは雪国か?」と思えるほどの積雪があり、嬉しい気持ちもあれば、そうではない気持ちもありました。

ちなみに、大阪でもうっすらと雪が木やクルマに積もりましたが、関東地方のように積もるという状態までには至りませんでした。


雪合戦でもすれば大雪も楽しいものですが、商売に影響が出るとなると楽しいばかりではなくなります。

中には、雪の重さでビニールハウスが壊れた農家の人、雪が積もって仕事がしばらくできなくなった人たちがいらっしゃるはず。

仕事ができなくなると、職場にも出勤できませんから、給与も出ずに困ります。

その対策として、大雪によって一時的に離職した人を対象に、雇用保険の特例が適用され、雇用面でフォローする施策が設けられています。

雇用保険の特例は、普通の雇用保険とは違って、2013年8月のような台風の大雨や2014年2月の大雪によって仕事ができなくなり、解雇や退職ではなく一時的に離職する場合に適用される仕組みです。

つまり、会社を辞めずに失業手当を受け取れる。そういう仕組みなのですね。





■元の会社に戻るのが条件。


雇用保険の特例の対象となる条件は以下のとおり。

災害救助法の適用を受けた市町(注①)に所在する事業所に雇用される方で(注②)で、
事業所が災害を受け、やむを得ず休業(注③)することとなったため、一時的に離職を余儀
なくされ、離職前の事業主に再雇用されることが予定される方


1,会社がある市町村が災害救助法の適用を受ける。
災害救助法適用地域一覧
http://www.jasso.go.jp/saigai_chiiki/#ooyuki_20140215

2,会社が操業できなくなり、休業することになった。

3,状況が元に戻れば、以前の会社に再雇用される。

上記3点が条件です。


実際には失業者ではないけれども、失業者とみなして失業手当を支給するという点がポイントです。

普通の失業手当の場合は、会社から解雇されるか、自分で退職するか、この2つのイベントが必要ですが、特例の場合は解雇も退職も必要なく、一時的な休業が雇用保険に対象になります。

ところで、休業というと、「労働基準法26条の休業手当が支給されるんじゃないの?」と思うところですが、今回の大雪は天災ですから、使用者には責任がない。そのため、労働基準法26条の休業手当を会社は支給する必要がありません。

休業手当なしで休業するとなると、社員さんが困りますから、労働基準法26条でフォローできない部分を雇用保険の特例でフォローしようというのが災害時の施策です。

台風による大雨、2014年2月の大雪、他にも津波や地震でも雇用保険の特例が適用される場合があるでしょうから、頭の片隅にでもこういう制度があるんだなと知っておくといいかもしれませんね。




(参考)
大雪の被害による災害救助法の適用に係る緊急雇用対策等について 山梨労働局
http://yamanashi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/yamanashi-roudoukyoku/syokugyoantei/ooyuki_saigai0219_2.pdf

2月14日からの大雪による災害救助法の適用に係る緊急雇用対策について 埼玉労働局
http://saitama-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/saitama-roudoukyoku/topics/2013/tp20140218-01.pdf

災害救助法 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E6%95%91%E5%8A%A9%E6%B3%95

山口正博 社会保険労務士事務所
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