book646(失業は"2種類"ある。)




■1つじゃない、2つだ。


雇用保険は失業保険と表現されることが多いですね。

失業したときに給付があるので、雇用保険よりも失業保険という表現のほうが馴染みやすい。そのため、以下では、雇用保険のことを失業保険と表現し、雇用保険の基本手当のことを失業手当と表現します。


仕事を長く続けていると、給与から雇用保険料が控除されているぐらいしか意識しないのですが、失業には2つの種類があります。

「失業は失業であって、それ以外には何もないでしょ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、失業は2種類あるんです。


一口に失業といっても、色々な失業がありますよね。会社が潰れちゃったので失業した場合、何らかの理由で解雇された場合、自分から申し出て仕事をヤメた場合など。失業は1つであっても、そこに至るまでの理由は人によって違います。

その理由によって、失業は2つに分けられます。


それは、「受給資格者」と「特定受給資格者」の2つ。失業にはこの2種類があるんですね。







■失業の原因によって給付の内容が変わる。


表現上は、特定という文字が付くかどうかの違いでしかないのですけれども、失業手当の受取額で違いが生じます。

コンパクトに説明すると、自分で会社を辞めた人は受給資格者になります。一方、会社がなくなったとか、解雇された場合は特定受給資格者という身分になります。どちらも失業者という点では一緒ですが、失業保険では扱いが違うんですね。


例えば、後藤さんと岩田さんという2人の会社員がどこかの会社にいるとして、後藤さんは会社を自主退職して失業し、岩田さんは会社が清算して無くなったので失業したとしましょう。

また、後藤さんも岩田さんも、失業保険に12年加入していたとします。さらに、年齢も、両者とも45歳だと仮定します。


この場合、後藤さんは、受給資格者です。自主退職していますからね。一方、岩田さんは、会社が倒産して失業しているので、特定受給資格者です。

では、後藤さんと岩田さんを比較して、出業手当の受け取りにどういう違いがあるか調べてみましょう。


ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html

上記のサイトに記載されている表で調べます。

まず、後藤さんから。

後藤さんは、失業保険に12年加入していて、年齢は45歳。そして、受給資格者なので、「2.特定受給資格者及び特定理由離職者以外の離職者」という部分に書かれている表にあてはめます。

被保険者であった期間は、12年。年齢は全年齢なので、全員一緒です。表を見ると、10年以上20年未満の部分に、120日と書かれています。これが後藤さんが失業手当を受け取れる日数です。

もし、1日1万円の失業手当を受け取るとすれば、120日ですから、後藤さんが受け取る失業手当は満額で120万円です。


次に、岩田さんの場合。

岩田さんは、失業保険に12年加入していて、年齢は45歳。ここは後藤さんと同じですね。そして、特定受給資格者なので、「1.特定受給資格者及び特定理由離職者」の部分該当し、ここの表にあてはめて考えます。

被保険者であった期間は、12年。年齢は45歳なので、45歳以上60歳未満のエリアに該当します。これを表に当てはめると、270日と書かれていますね。

もし、1日1万円の失業手当を受け取るとすれば、270日ですから、岩田さんが受け取る失業手当は満額で270万円です。


同じ加入年数、同じ年齢であっても、失業の理由が違うと、失業手当に150万円の差が出るんですね。




「失業の種類は2つある」

これは知っておきたいですね。



山口正博 社会保険労務士事務所
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